13日の中山11Rで行われた第15回
中山グランドジャンプ(4歳上オープン、J・GI、国際、芝4250メートル、16頭立て、1着賞金=6500万円)は、アイルランドからやってきたルビー・ウォルシュ騎手騎乗の8番人気
ブラックステアマウンテン(セン8歳、ウィリアム・マリンズ厩舎)が終盤に脚を伸ばして差し切り勝ち。タイムは4分50秒5(良)。
ジャンプの本場ヨーロッパから、初めて日本のジャンプ界を制圧する馬が登場した。前哨戦のペガサスジャンプSでは大敗した
ブラックステアマウンテンが、文字通り叩き一変。強靱なスタミナを生かして、見事に
中山グランドジャンプを制した。
スタートで大きく出遅れた
ゴールデンガッツが最初の障害で落馬し、
カピターノも最初の障害を飛越したあとに競走を中止する波乱の幕開けとなったが、レースは
シゲルジュウヤクが果敢にハナを奪ってマイペースに持ち込む。残った14頭は大竹柵、大生け垣も無事に飛越。最終周回に入って
ハクサンが積極的に先頭をうかがうが、
シゲルジュウヤクも譲らない。その間に虎視眈々と位置取りを上げていたのが
ブラックステアマウンテンだった。序盤は中団の後ろで慎重に飛越。しかし、勝負どころの2大障害を
クリアすると、じわじわと進出を始める。最終障害を飛越する時には前を射程圏にとらえ、ウォルシュ騎手が満を持して仕掛けると、きっちりと反応。粘る
シゲルジュウヤクをかわし、猛追する
リキアイクロフネを封じ込めて、歓喜のゴールに飛び込んだ。1/2馬身差の2着が2番人気の
リキアイクロフネ、1馬身1/4差の3着が3番人気の
シゲルジュウヤクだった。
欧州馬が
中山グランドジャンプを制したのは初めて。第2回にフランスのボカボカが2着に好走したのが最高成績だった。外国馬の
中山GJ制覇は07年の
カラジ以来、6年ぶり5度目(のべ3頭目)。マリンズ調教師は07~08年シーズンから昨シーズンまで5年連続アイルランドリーディングの名伯楽で、05年には英国のグランドナショナルも制している。ウォルシュ騎手ともども、日本での初勝利がこのビッグタイトルとなった。
ブラックステアマウンテンは、父Imperial Ballet、母Six Hills、母の父Sabrehillという血統のアイルランド産馬で、スザンナ・リッチー氏の所有馬。通算成績は30戦11勝(うち障害26戦8勝)。重賞はGIイヴニングヘラルドチャンピオンノヴィスハードル(10年)、GIレーシングポストノヴィスチェイス(11年)に次いで3勝目。W・マリンズ調教師、R・ウォルシュ騎手ともに
中山グランドジャンプ初勝利。
アイルランド屈指の障害騎手でもあるウォルシュ騎手は「勝つつもりで来日したので、とてもうれしいです。前走と異なり、今回はスタートがよく、飛越もスムーズでした。とにかくしっかりした馬場が大好きな馬。残念ながら母国のアイルランドでは雨が続いて、この馬の良さを出せるレースがありませんでした。それがこんないい馬場で、このようなビッグレースを勝つことができて本当にうれしいです。温かいご声援、ありがとうございました。機会があれば、また日本に戻ってきたいと思います」と狙い澄ました大一番のVに感無量の様子だった。
中山11R「
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