22日の中山10Rで行われた第135回
中山大障害(J・GI、芝4100メートル、15頭立て=
ナリタシャトル競走除外、1着賞金=6500万円)は、
熊沢重文騎手騎乗の3番人気
マーベラスカイザー(牡4歳、栗東・
柴田政見)が最終障害飛越後に先頭に立ち、そのまま押し切った。タイムは4分48秒8(稍重)。
返し馬で
ナリタシャトルが故障を発症して競走除外となり、15頭立てで行われた一戦。
セクシイスイートがハナに立ち、12歳馬
スプリングゲントが2番手を追走。断然人気の
マジェスティバイオは中団のやや後ろでレースを進めた。難関とされる大竹柵、大生け垣(赤レンガ)ともに15頭すべてが飛越に成功。勝負は平地の脚比べに持ち込まれた。最後のバンケットを駆け上がって
スプリングゲントが先頭に躍り出たものの、道中で少しずつ位置取りを上げていた
マーベラスカイザーが直後につけ、最終コーナー手前でかわす。
スプリングゲントはゴール手前でスピードを失い、2番人気の
バアゼルリバーが2番手に上がったものの、
マーベラスカイザーはリードを広げてゴール。熊沢騎手は悲願のJ・GI初制覇となり、大きくガッツポーズを掲げた。1番人気の
マジェスティバイオは反応が鈍く、3着まで押し上げ減るのが精いっぱい。なお、出走した15頭はすべて完走。暮れの
中山大障害で15頭以上の出走馬が完走した例は、1967年(15頭中15頭完走)以来、45年ぶりになる。
マーベラスカイザーは、父
マーベラスサンデー、母マーベラスウーマン、母の父Woodmanという血統。北海道新ひだか町・松田牧場の生産馬で、笹原貞生氏の所有馬。通算成績は19戦5勝(うち障害6戦3勝)。重賞初勝利。
柴田政見調教師、
熊沢重文騎手ともに
中山大障害初勝利。
熊沢騎手は「乗りやすい馬で、いい感じで追走できたし、あの位置で最終障害を飛べれば必ずいい脚を使うので、自信を持って乗れました。大障害コースで少し躓くところはありましたが、基本的に飛越が上手な馬。まだ4歳ですし、無事に行ってくれればまだまだ
チャンピオンとして活躍できると思います。(
中山大障害は)20何年間、念願のレースでした。障害は卒業しようと思っていたんですけど、まだ辞められませんね」と感激に浸っていた。