GIジャパンカップダート(1800メートル)の最重要前哨戦、交流GI・JBCクラシックを勝ったのが
ワンダーアキュート。GIは7度目の挑戦で初制覇だったが、2着
シビルウォーに5馬身差をつける圧巻の内容だった。今回はJRA・GI初勝利がかかる一戦。主戦の
和田竜二騎手(35)=栗・フリー=を直撃した。 (取材・構成=板津雄志)
――前走のJBCクラシックでGI初制覇。5馬身差の圧勝だった
和田竜二騎手 「休み明けは結果が出ていないのでどうかと思ったけど、力があるからね。
トランセンドが海外遠征後の休養明けだったのに対し、こちらは南部杯(10月8日)をパスしてじっくり乗り込めたのもよかった。うまく内で我慢して脚をタメて、久々にこの馬らしい競馬ができた」
――自身も
テイエムオペラオーで勝った2001年の天皇賞・春以来、11年ぶりのGI勝利
「やはりGIはお客さんの盛り上がりが違うと感じた。調教にも乗せてもらっているし、勝てなくて苦しい時期あっただけに、この馬でGIを勝ててよかった」
――今春はダイオライト記念4着、
東海S10着と不振だった
「その前の
フェブラリーS(3着)も、もう少し走れてよかったし、昨年秋からのGI連戦の疲れがあったのかも」
――完全復調とみていいか
「3歳秋の頃(準OP→GIII→GIIIと3連勝)の弾け方は半端じゃなかった。あの時はどこまで行くのかという感じだったけど、前走であの感触が久々に戻ってきた。好位からでもタメれば、芝並みの脚を使えるのがこの馬のすごいところ」
――気性面の成長は
「それほど変わっていない。前走もパドックでテンションが上がっていた。この馬は変におとなしいより、少しくらいうるさい方がいいと思う」
――今月4日にJRA通算800勝を達成するなど、今年は好調
「800勝はちょっと遅かったけど、最近ようやく技術も追いついてきた感じがする。まだ上には上がいるし、外国人騎手もうまいから、吸収していきたい」
――今回はJRA・GI。新興勢力も加わり、豪華メンバーになる
「確かに前走よりグッと相手が強くなるけど、阪神ダート1800メートルは合うし、展開に左右されないのは強み。昨年は不完全燃焼。スタートでつまずいてしまっただけに、普通に競馬がしたかった。それで2着に来るのだから、スムーズに力を出し切れば、と思う。中央場所でも主役を張れる力がある」
【和田 竜二(わだ・りゅうじ)】 JRA騎手。1977(昭和52)年6月23日生まれの35歳。滋賀県出身。96年に栗東・岩元厩舎からデビュー。JRA通算802勝。今年は70勝をマークし、年間最多だった2009年と11年に早くも並んでいる。重賞は
テイエムオペラオーでの99年
皐月賞、2000&01年天皇賞・春、00年
宝塚記念、同天皇賞・秋、同
ジャパンC、同
有馬記念のGI7勝を含む30勝。他に地方競馬での交流GI・JBCクラシックを今年、
ワンダーアキュートで制覇。(26日現在)。
福永祐一騎手と同期。