第30回
ローズS(16日、阪神11R、GII、3歳牝、オープン、芝1800メートル、1着賞金5000万円=出走10頭)
岩田康誠騎手騎乗の1番人気
ジェンティルドンナ(牝3歳、栗東・
石坂正厩舎)が2番手から直線楽々抜け出し完勝。牝3冠に向けて好発進を決めた。勝ちタイムは1分46秒8(良)。
1馬身1/2差の2着に2番人気の
ヴィルシーナ、さらに3/4馬身差の3着には3番人気の
ラスヴェンチュラスが入った。
牝馬春2冠を達成した
ジェンティルドンナの始動戦はまったく危なげのない完勝劇だった。いつもは後ろから進めていた
ジェンティルドンナだが、岩田康騎手が「本番の内回りのコース形態も考えて、教え込んだ」と話したようにこの日は先行策。直線でも反応良く抜け出し、どんな展開にでも対応できる自在性も披露。万全といっていい内容で、牝3冠を目指し本番
秋華賞(10月14日、京都、GI、芝2000メートル)へと向かう。
好スタートを切った
ジェンティルドンナは行きっぷり満点の手応えで、終始2番手の好位置をキープ。直後に
ヴィルシーナがこれをマークする形でレースは進んだ。コーナーに入っても
ジェンティルドンナの手応えは抜群で、直線に向いてからも、いつでも抜け出せる態勢。残り200メートル地点手前で鞍上の岩田康騎手の
ゴーサインが出されると瞬く間に先頭へ。外から
ヴィルシーナが懸命に追いすがったが、差は縮まらず。最後は流すような走りで秋の始動戦を制した。
桜花賞以来の手綱を取った主戦の岩田康騎手は「完勝しないといけないレースだったので、責任を果たせてホッとしています。多少、行きたがる面はありますが、自分のペースで運べて、反応もよく、最後まで集中して走ってくれました。(牝馬3冠に向けて)次(の
秋華賞)は大事な一戦なので、自分が邪魔しないように乗るだけです」と愛馬を称えるとともに力強く締めくくった。
ジェンティルドンナは父
ディープインパクト、母ドナブリーニ、母の父Bertoliniという血統。この勝利で通算成績は7戦5勝となった。重賞は今年の
オークス、
桜花賞(ともにGI)、
シンザン記念(GIII)に続き4勝目。
岩田康誠騎手、
石坂正調教師はともに同レース初制覇。