今週は土曜日に中山で、
NHKマイルC(5月6日、東京、GI、芝1600メートル)のトライアル、
ニュージーランドT(3着までに優先権)が行われる。この春は各路線で活躍が目立つ関東馬。3歳のマイル路線も例外ではなく、前走のクロッカスS(オープン)を勝った
セイクレットレーヴは高い能力を秘める逸材だ。一戦ごとにパワーアップしており、ここをステップに
NHKマイルCの有力馬に躍り出る。
過去5走で掲示板を外したのは、距離が2000メートルと長く、不良馬場だった昨年12月の葉牡丹賞11着のみ。マイル路線では底を見せていない
セイクレットレーヴが、重賞初Vに意欲を燃やす。
この2走はオープン特別を走り、中山芝1600メートルのジュニアC2着、東京芝1400メートルのクロッカスS1着と、確かな実績を積み上げてきた。田中清調教師は初の重賞挑戦だけに言葉こそ慎重だが「レース間隔を空けたことで、馬が良くなっているのは確か。体重も増えているし、それがどうレースに結びついてくれるのか、楽しみにしています」と、愛馬の成長ぶりを頼もしく感じている。
クロッカスSから約2カ月半ぶりの実戦となるが、美浦の坂路を中心に丹念な乗り込みを消化しており、仕上がりは上々だ。3月21日にはWコースで併せ馬を行い、5ハロン64秒8の好タイムをマークして、
ロードバロック(牡7、1600万下)に1馬身半先着。28日の坂路でも4ハロン51秒3で、
ルシャンベルタン(牡4、1000万下)に持ったままで2馬身先着と、先輩を相手に堂々たる動きを見せている。調教の走りを見れば、初の重賞でもヒケを取ることはないだろう。
昨年8月の新馬戦(札幌芝1800メートル)5着と葉牡丹賞以外の3戦は、上がり3ハロンでメンバー最速をマークしている“切れ者”だ。クロッカスSは最後方から直線で内を通ってグイグイと伸び、アタマ差の着差以上にインパクトのあるレースを演じた。「決め手を生かす意味でも、良馬場でやりたいね。あとはジョッキー(横山典騎手)が、どう乗ってくれるかでしょう」と、目を輝かせる田中清師。3日は春の嵐となったが、その後の関東地方は好天が続く見込みで、
セイクレットレーヴにとって力を出せる舞台が整いそうだ。(芳賀英敏)