阪神土曜メーンは3歳GIII
毎日杯。トライアルではないが、賞金900万円の馬は1、2着に入って賞金を加算すれば、
皐月賞(4月15日、中山、GI、芝2000メートル)出走が可能になる。注目は前走で2勝目を挙げて勢いに乗る
マイネルカーミン。
チューリップ賞勝ちの
ハナズゴールと同じ
オレハマッテルゼ産駒という点も興味深い。
種牡馬としては地味な
オレハマッテルゼの産駒
マイネルカーミンが、
ディープインパクト、
キングカメハメハの良血産駒を相手に
毎日杯で重賞初制覇を目指す。
今回で早くも9戦目。ディープ産駒の
ヒストリカル(キャリア4戦)や
マウントシャスタ(同2戦)などの“お坊ちゃま”と比べると、こちらはまさに“叩き上げ”の言葉が似合う。
半年以上休みなく出走し続けていても、元気一杯だ。全休明けの20日は、坂路1本→ウッドコースでのキャンター調整をキビキビした動きで消化。
中野栄治調教師(58)は「前回の勝ちっぷりがいい。重馬場で上がり(3ハロン)35秒0はたいしたもの」と前走を振り返った後、3歳3月になって実が入りつつある状況について「
アイネスフウジンの時と似ている」と語った。
騎手時代、独特の騎乗フォームで和製レスター・ピゴット(英国の至宝的存在)と言われたほど人気が高かった中野師。1990年のダービーで自身が騎乗して、当時としては驚異的なレースレコード2分25秒3で逃げ切った
アイネスフウジンを引き合いに出したくらいだから、期待の高さがわかる。
父
オレハマッテルゼ(その父サンデーサイレンス)は芝1200メートル~2000メートルで06年GI
高松宮記念など9勝をマークし、種牡馬としては現3歳世代が初年度産駒になる。初年度の種付料も50万円と格安で注目度は高くなかったが、産駒はすでに5頭でのべ8勝をマークし、その中には
ハナズゴールの
チューリップ賞も含まれている。その時の単勝は3720円(4番人気)もついたのをはじめ、1番人気での勝利はないだけに、馬券的な妙味もたっぷりある種牡馬なのだ。
「中1週でも不安はない。ダービーの頃にはだいぶ良くなってくるんじゃないかな」と指揮官は笑い飛ばす。だが、今回は2着でもクラス分け用の賞金は1650万円となり、
皐月賞はほぼ出走可能になる。
馬場状態を問わない強みもある
マイネルカーミン。良血馬を相手に、アッと言わせるシーンがあるかもしれない。 (片岡良典)