きいいろ
スガダイ
第47回京都牝馬S(29日、京都11R、GIII、4歳上オープン牝馬国際、別定、芝・外1600メートル、1着本賞金3500万円 =出走16頭)2番人気のクリスチャン・デムーロ(19)=イタリア=騎乗のドナウブルーが早め先頭から押し切り、5度目の重賞挑戦で初勝利を飾った。タイム1分33秒8(良)。ミルコ・デムーロ騎手の弟で、昨年のイタリアリーディングに輝いたクリスチャンは、日本では2度目の重賞騎乗で初Vを射止めた。 秘めていた素質が、イタリアのホープの手綱で開花した。2番人気に支持されたドナウブルーが完勝。クラシック候補と呼ばれながら結果を出せなかった悔しさを、一気に振り払うVを決めた。 「初めての重賞勝ちだったのでうれしい。応援してくれたファンと、ドナウブルーに感謝していますし、アドバイスをくれた兄(ミルコ)も喜んでくれると思います」 クリスチャン・デムーロ騎手は喜びいっぱいの様子だ。昨年は222勝を挙げて、イタリアリーディングを獲得した若き名手。前走(11月19日、1着)で騎乗した兄にもアドバイスをもらい、準備は万全だった。とはいえ19歳の若武者は、この日が京都での初騎乗。しかも、昨年のドバイワールドC(ヴィクトワールピサ)を勝つなど偉大な兄でさえJRA重賞初Vは20戦目だ。それを、昨年2月のクイーンC(スクランブルエッグ15着)に次ぎ、2度目で達成したのだから恐れ入る。 内容も文句なし。道中は好位の内を追走。4コーナー手前から仕掛け気味に上昇して、直線に入るとすぐに先頭へ。そのまま力強く伸びて、後続を堂々と振り切った。 「妹(ジェンティルドンナ)にも先を越されててしまったし、ここまで1年以上かかったけど、よかった。重賞を勝てると思っていたことが、間違っていなかったね」 石坂正調教師は安堵の表情だ。昨年、1番人気で5着に敗れたシンザン記念を今年、全妹は快勝。重賞初Vこそ妹に先を譲ったが、姉はこれからが飛躍の時だ。「GIも見えてきた」と石坂師。クリスチャンの手綱できっかけをつかんだドナウブルーは、ヴィクトリアマイル(5月13日、東京、GI、芝1600メートル)を目指して突き進む。 (瀬戸聡)