みやこSに出走する
エスポワールシチーの追い切りが3日、栗東トレセンで行われた。2年連続最優秀ダートホースに輝いているGI5勝馬は、坂路で力強い動きを披露。GIで3連敗中だが、ようやく体調も上がってきた。JBCを見送ってのGIII参戦だけに陣営にも力が入る。
復権を期す
エスポワールシチーが力強くウッドチップを跳ね上げた。確かに漂う復活の予感。2週連続で騎乗した佐藤哲騎手は、手応えを明かした。
「先週も今週もいい動きをしていた。いい頃に戻りつつある」
追い切りは単走。徐々にペースアップしながら坂路を駆け上がる。残り200メートルで左ムチに反応。右に少しもたれながらも、ラスト1ハロン12秒2(4ハロン53秒5)をマークした。
前走の南部杯は、久々ながらハイペースで逃げてしぶとく踏ん張り4着と地力を示した。その後は
トランセンドや
スマートファルコンらダート最強馬が顔をそろえたJBCクラシック参戦を見送り、自らの調整を最優先してGIIIに照準を合わせてきた。
「トップ2頭に胸を借りられる状態にはなった。次(JCダート=12月4日、阪神、GI、ダ1800メートル)は本当に鍛えていかないといけないし、そのためにここでしっかりしたレースをしないと。GIを勝っているときの鍛え方にはまだ遠いけど、段階としてはいい調教ができている」とジョッキーは王座奪回を狙う青写真を描く。
また地道に取り組んできたフォーム修正の成果も出て「春は土台も基本も何もない状態だったけど、土台はしっかりできた。頭が上がらなくなってきたし、不安材料は少ない」と続けた。
安達調教師は「勝ってJCダートにつなげたい。斤量もこれくらいなら大丈夫」と力を込める。58キロを背負っても、この舞台では負けられない。砂王の称号を取り戻すため、
エスポワールシチーが格の違いを見せ付ける。(川端亮平)