第18回青葉賞(30日、東京11R、GII、3歳オープン国際、馬齢、芝2400メートル、1着賞金5400万円、1~2着にダービー(5月29日、東京、GI、芝2400メートル)の優先出走権=出走18頭)安藤勝己騎乗の6番人気ウインバリアシオンが、4コーナー後方3番手あたりから外へ出すと力強く伸び、内で粘る4番人気ショウナンパルフェを差し切って重賞初V。ダービー(29日、東京、GI、芝2400メートル)の有力候補に浮上した。タイム2分28秒8(良)。この上位2頭にダービーの優先出走権。1番人気トーセンレーヴは3着で、ダービー切符を得ることができなかった。 上がり3ハロン33秒6の強烈な切れ味。メンバー最速の“鬼脚”で、ウインバリアシオンが重賞初V&ダービー切符をゲットした。 道中はじっくりと後方に待機。4コーナーで外に出し、ラスト1ハロンから安藤勝己騎手が右ムチを連打すると、先に抜け出したショウナンパルフェに急接近。そこからは並ぶ間もなく抜き去って、1/2馬身の着差以上に余裕のある勝利。父ハーツクライにも産駒の重賞初勝利をプレゼントした。 「ペースが遅く多少、ハミを噛むような面はあったが、気持ちにゆとりがあるので、向こう正面ではリラックスして走っていた。ビュンという感じではないが、3コーナー過ぎから長くいい脚を使っているし、最後も並んでから、もうひと脚使っていたよ」 会心のVに51歳の大ベテラン、アンカツは笑顔で汗を拭う。レースは初騎乗だったが、先週20日の追い切りに騎乗。その時点で、追えば追うだけ伸びる馬という感触をつかんでおり、その持ち味を存分に引き出した。さらに「現状ではまだ少し緩い感じがするのは、父親のハーツクライと似たようなところがある」。3歳春のハーツに騎乗して3戦2勝のアンカツは、後に有馬記念、ドバイシーマクラシックのGIを制した名馬に息子を重ね合わせた。 松永昌博調教師はエイシンオスマンのニュージーランドTに次ぐ今年2度目の重賞Vで「道中はヒヤヒヤしたが、直線は想像以上に末脚を使ったね」と破顔一笑だ。父は04年のダービーで2着。今、息子は父の果たせなかった頂点奪取に向けて大きく前進した。(片岡良典)