スガダイ
第55回産経大阪杯(3日、阪神11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝・内2000メートル、1着本賞金6400万円 =出走15頭)藤田伸二騎乗、1番人気に支持されたヒルノダムールが念願の重賞タイトルを獲得した。直線で満を持して抜け出し、8番人気の伏兵ダークシャドウの追撃をハナ差抑えて優勝。天皇賞・春(5月1日、京都、GI、芝3200メートル)へ弾みをつけた。タイム1分57秒8(良)はコースレコード。ハナ、クビ差の3着には昨年のダービー馬エイシンフラッシュが入った。 実力に見合うタイトルを、ようやく手に入れた。重賞で惜敗続きだったヒルノダムールが、昨年の若駒S以来、約1年3カ月ぶりにV。コースレコードのおまけ付きで、重賞ウイナーの仲間入りを果たした。 「負けたかなと思ったけど、(ハナ差)よく残してくれたね。世界一の馬もいる強い4歳世代の中で、なかなか勝てなかったけど、やっとひとつタイトルを獲ることができた」。主戦の藤田伸二騎手が、満足げに笑みを浮かべた。 レースは中団の内めをキープ。リズムよく追走していくと、直線はグイグイと脚を伸ばして、ラスト100メートル付近で先頭へ。最後はダークシャドウの猛追を、ハナ差振り切って歓喜のゴール。1分57秒8の走破時計は、02年にタップダンスシチーが朝日CCでマークした1分58秒1を0秒3上回るコースレコード。着差以上に強い内容だった。 「勝ちに行ったぶん、最後は甘くなって、ヒヤヒヤしたけどね。レコードで勝つのは、力がなければできないことだよ」と昆貢調教師も待望の初タイトルに胸を張った。 惜敗続きにピリオドを打つべく、この中間から調教メニューを変更。CWコース中心から坂路に切り替え、瞬発力と体力強化を図ったことで、詰めの甘さを解消した。重賞9度目の挑戦で壁を乗り越えた今、目指すはもちろん古馬の頂点だ。 「斤量面(57キロ)で他の有力馬よりも有利だったからね。この条件では負けられないと思っていた。いい形で本番に挑めるし、次の天皇賞でも結果を出したい」とトレーナーは力を込める。 昨年の皐月賞では、ドバイワールドCを制したヴィクトワールピサの2着に食い下がった実力馬。もう“善戦マン”とは呼ばせない。重賞初制覇の勢いに乗って、一気に古馬の頂点へと上り詰めるつもりだ。 (鈴木康之)