第45回
共同通信杯(13日、東京11R、GIII、3歳オープン国際、別定、芝1800メートル、1着本賞金3900万円=出走13頭)
柴田善臣騎乗、3番人気の
ナカヤマナイトがインを強襲。2番手から抜け出した
ユニバーサルバンクをゴール寸前で捕らえ、重賞初制覇を成し遂げた。タイム1分48秒5(良)。逃げた
ディープサウンドが3着に粘り、1番人気に支持された
ダノンバラードは見せ場なく9着に敗れた。
クラシックの有力候補に躍り出た
ナカヤマナイトはトライアルを使わず、
皐月賞(4月17日、中山、GI、芝2000メートル)に直行する。
ためていた末脚が、最後の最後で爆発した。直線で最内をついた
ナカヤマナイトが、残り100メートルでようやく開いたVロードを突き抜けて重賞初V。関東からクラシックの主役候補が誕生だ。
「ゲートの中で少しソワソワしていたけど、うまく折り合いもつきました。一戦一戦、背中の感触がよくなって、100%に近い力を出せるようになっています」
デビューからずっと手綱を取り続ける
柴田善臣騎手が、たくましさを増すパートナーを褒めたたえた。(2)番枠ということもあり、道中はずっと中団の内で我慢。「もっと自在に競馬できるようになれば」と鞍上は今後への課題を挙げるが、馬群にヒルまず、ゴールまで走り続ける勝負根性は、クラシックでも最大の武器になるだろう。
話題の
ディープインパクト産駒を一蹴した
ステイゴールド産駒は、決してエリートではない。09年セレクトセールでの落札価格は1000万円にすぎなかった。当時は注目度の低かった1歳馬を見初めたのが、同じステイ産駒の
ナカヤマフェスタ(当時3歳、現5歳)を管理する
二ノ宮敬宇調教師だ。
「馬がよかったし、安かったからオーナーにお願いしました。ステイ産駒? たまたまです」。指揮官は偶然を強調するが、フェスタが昨年の
宝塚記念を制して
凱旋門賞2着と厩舎の看板馬に成長し、ナイトも早々と重賞V。ステイ産駒と縁があるのは間違いない。
「中山で(未勝利を)勝ったし、東京でも勝った。もう使うところもないから」と、今後は
皐月賞に直行するプランが濃厚。フェスタ同様、将来的に世界を目指せる馬になるためにも、まずはクラシックでひと暴れだ。(越智健一)
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