佐藤洋一郎
第45回シンザン記念(9日、京都11R、GIII、3歳オープン国際、別定、芝・外1600メートル、1着本賞金3900万円=出走16頭)今年最初の3歳重賞は、浜中俊騎乗の7番人気レッドデイヴィスが離れた3番手から伸びて快勝した。タイム1分34秒0(良)は昨年のガルボの1分34秒3を0秒3更新するレースレコード。せん馬の同レース勝利は初めて。1馬身1/2差2着に3番人気オルフェーヴルが入り、1番人気ドナウブルーは5着に終わった。 やはり地力は本物だった。昨年12月26日の阪神500万下で、10着降着(1位入線)に泣いたレッドデイヴィスが、他馬を寄せ付けない快勝劇。前走のうっぷんを晴らして1馬身半差で重賞初Vを決めた。 「調教に乗った感じではクセがなく乗りやすかったので、好位でスムーズな競馬をしようと思っていました。抜け出してからフワフワしていたぐらい余裕があったし、本当に強かったですね」 デビュー2年目の08年から4年連続重賞Vを決めた浜中俊騎手は、初めて手綱を取ったパートナーの強さに脱帽する。 好スタートから3番手をキープ。前を行く2頭を直線半ばでかわしてからは独走となった。前走は落馬した空馬を見て直線でヨレてしまったが、この日はそんな心配もなかった。「(馬体重が)マイナス10キロで心配したけど、終わってみれば強い内容だったね」と音無調教師も笑顔をのぞかせた。 2歳春、デビューを目指して最初に栗東へ入厩したときは立派な“牡馬”だったが、気性が荒く放牧先で去勢手術を施した。せん馬として再出発し、重賞Vまで飾ったのだから純粋に喜ぶべきところだが、今後は難題も…。せん馬は皐月賞、ダービーのクラシックのみならず、NHKマイルCの出走も許されていない。 「使うレースが限られてくるので仕方がないけど、放牧(ノーザンファームしがらき)へ出してから毎日杯(3月27日、阪神、GIII、芝1800メートル)あたりになるかな」と音無調教師も思案顔。それでもポテンシャルの高さは間違いないだけに、賞金加算を狙う同世代の馬たちにとっては脅威の存在となりそうだ。(瀬戸聡)