第62回朝日杯フューチュリティS(19日、中山11R、GI、2歳牡牝オープン国際、馬齢、芝・外1600メートル、1着本賞金7000万円 =出走16頭)中団の内で脚をためていた5番人気
グランプリボスが、直線で外に出すと力強い末脚を発揮。ゴール前で
ディープインパクト産駒
リアルインパクトを差し切って2歳牡馬王者に輝いた。
初めてのGI制覇。ゴールに真っ先に飛び込もうとする愛馬を、オーナーは体を揺すり、声を張り上げて応援し続けた。衛星放送事業、不動産業などを手広く経営する大阪市淀川区の(株)
グランプリ代表取締役、北側司さん(33)が、その人だ。15年を超える馬主歴がある父・雅司さんの夢が、いま叶おうとしているのだから無理もない。「オヤジと一緒に叫んでいましたから、それはもう興奮したおしでしたわ」と関西弁で笑い飛ばし、全身で喜びを表現した。「来年は
NHKマイルCが最大目標になります。楽しみですわ」と、2つめのGI制覇に希望を膨らませた。
冗談まじりで悔しさを滲ませていたのは、生産者であるノーザンファーム代表の吉田勝己さん(62)だ。母ロージーミストを10月27日のJS繁殖馬セール(北海道・静内)で僅か210万円、
メイショウサムソンの子を受胎した状態で売ってしまったばかりである。「ショックで倒れそう。悲しくなった」とよろめくふりをしたが、嬉しいのも確か。「バクシンオーの子だけど、この勝ちっぷりなら距離が延びてもよさそう」とさらなる活躍を期待した。