第62回
阪神ジュベナイルフィリーズ(12日、阪神11R、GI、2歳牝馬国際、芝1600メートル、18頭)単勝160円と圧倒的人気の
レーヴディソールが、デビュー3連勝で2歳女王に輝いた。1分35秒7(良)。
福永祐一騎手(34)=栗・フリー=は、JRA重賞は76勝目で、GIは07年
オークス(
ローブデコルテ)以来約3年6カ月ぶりの14勝目。9日に誕生日を迎えたばかりの関西のトップジョッキーが、サンケイスポーツに手記を寄せた。
今回、
レーヴディソールで
阪神JFを勝つことができました。僕にとっては、07年
オークス(
ローブデコルテ)以来、約3年6カ月ぶりのGI制覇。うれしいのはもちろんですが、1・6倍と圧倒的な1番人気に支持されていたこともあり、責任を果たせてホッとした気持ちの方が強いです。
レーヴはまだキャリア2戦の牝馬。勝つことも大事ですが、来年に向けて内容も重視して臨みました。そういう意味では結果も出て、いいレースができたと思います。
スタートが遅い馬だけど、きょうは最後方からの競馬はしたくなかったんです。まだ体が完成されていない若駒。能力だけで後ろから追い込んできたら、それだけ馬に負担もかかります。
今回はスタートもこの馬なりに出ましたし、中団からレースを進めることができました。2着以下に大差をつけて勝つというより、脚元に負担がかからないように、最低限の着差で勝てればいいと思っていました。その通りのレースになってくれましたね。
GI勝利は久々になるのですが、特に焦りはありませんでした。今回のように、GIを勝てるチャンスがある馬を依頼されたときに結果を出せるようになろうと、馬に負担をかけないフォームを求めながら技術を磨いてきたつもりです。
3年前に比べたら技術も上達しているし、レースには自信を持って臨めました。もちろん緊張もしなかったですし、偶然うまく乗れたわけでもない。GIを勝つには、馬との巡り合いも大事だし、いろいろなことが重なり合った延長線上に、きょうの勝利があったと思います。師匠の
北橋修二調教師とデビュー時からバックアップしていただいた
瀬戸口勉調教師が引退して約3年。ようやく一人前になれたような気がしています。
レーヴは2歳女王になりましたけど、来年春には今回と同じ舞台で行われる
桜花賞や
オークスなどのクラシックレースが待っています。
ウオッカや
ブエナビスタなど、今は牝馬が強い時代。牡とか牝の枠にとらわれない馬になっていってほしいですし、その可能性をもっている馬です。大切なのは来年。これからが本当に楽しみです。
また、オーナー、厩舎スタッフ、これまで支えてくれた関係者、そしてファンのみなさんのおかげで勝つことができたと思います。これからも応援よろしくお願いします。(JRA騎手)