新潟開催が終了し、関東の舞台は中山に移り、日曜メーンに京成杯オータムHが行われる。位置づけとしては秋競馬開幕だが、記録的な残暑が続く今年はまだ夏競馬のムード。注目は酷暑の
関屋記念でも2着に健闘した
セイクリッドバレーだ。
新潟2歳Sを勝って2週連続重賞Vがかかる
松岡正海騎手とのコンビで、暑い中山で悲願の重賞タイトル獲得に挑む。
猛暑の
関屋記念で2着に入った
セイクリッドバレーが、強烈な残暑の中で行われる京成杯オータムHに重賞初Vをかけて出走する。
日本時間同日夜の仏GIIフォワ賞に出走する
宝塚記念優勝馬
ナカヤマフェスタと、昨秋の
セントライト記念で1/2馬身差の勝負をした実績がある。重賞はすぐに手が届くと思われたのに、あと一歩のところで取り逃がしてきた。前走の
関屋記念でも上がり3ハロン32秒1という極限の脚で追い込んだが、
レッツゴーキリシマにスローペースで逃げ切られてしまった。
「惜しい競馬だったけど、この馬の持ち味は生かせたと思う。自分としてはマイルの差し馬というイメージがあります」
騎乗した松岡騎手は重賞を勝てるという手応えを改めて感じた様子だった。涼しい時期を求めて夏を休養に充てた馬にとって、この残暑は想定外のはず。猛暑にもバテずに結果を出したセイクリッドにとって、治まらない暑さも苦にならないはずだ。
秋はマイル路線に照準を絞った陣営は、前走後も馬体を緩めることなく調整。2日の1週前追い切りでは坂路で4ハロン52秒6、ラスト1ハロン12秒4を余裕残しでマークしたように、ますます快調だ。
「中山のマイル戦は枠順の有利不利がある。でも前が引っ張ってくれる流れになればチャンスはあると思うし、今度こそは勝ちたい、という気持ちです」
高橋裕調教師は何としてもタイトルを、と気合が入っている。ハンデ56・5キロは重賞で3度の2着があるため仕方がない。今回と同舞台のダービー卿CTでは、ハンデ56キロを背負っても上がり33秒7の脚で5着まで追い上げており、展開ひとつで突き抜ける力はある。今年は夏をゆっくり休養して満を持して秋を迎えるGI級の馬も見当たらない。
新潟リーディング争いは蛯名騎手の2位に敗れた松岡騎手だが、
新潟2歳Sで
マイネイサベルを勝利に導き、好調は確か。「新潟では消化不良気味。でも秋競馬は頑張りますよ」と自身にカツを入れ、開幕から全開ムードだ。(柴田章利)