第46回
新潟記念(29日、新潟11R、GIII、3歳上オープン国際、ハンデ、芝・外2000メートル、1着本賞金4300万円=出走17頭)5番人気
ナリタクリスタルが、横一戦の激しい攻防を制して重賞初V。
小倉記念4着→
新潟記念1着となり、サマー2000シリーズの「1勝以上、13ポイント以上」の優勝条件をギリギリで
クリア。最終戦で逆転王者に輝いた。1分58秒4(良)。2着は10番人気
トウショウシロッコ。
武豊騎乗で1番人気の
スマートギアは6着に終わった。
“省エネ”で逆転V!! サマー2000シリーズ開幕戦の
七夕賞当時は準オープン馬だった
ナリタクリスタルが、この夏に大飛躍を遂げて重賞初制覇を決めた。
好スタートを切ると、3番手の外をスムーズに追走。3コーナー手前から気を抜かさないように
幸英明騎手の手綱は動き出し、それに馬も応えて集中力を保ったまま日本一長い直線へ。横一線の大激戦から先頭に立つが、
サンライズベガが内から一瞬抜け出す。すると、
トウショウシロッコの追撃を受けたナリタが、そこからもうひと伸び。クビ、アタマ、クビ…と8着まで0秒2差の戦いを制した。
「自分から走る気がなかったり、途中でやめたりと、まだ気性が幼くて力を発揮できないところがあります。きょうも直線で先頭に立った時、やめようとしましたが、外から来られてまた伸びてくれましたね」
幸も3度目の騎乗で癖をつかんでいた。気性面の幼さをカバーするように、外からきたトウショウを利用して闘争心を引き出した。今回の勝利でサマー2000シリーズ王者となり、陣営は優勝賞金とは別に5000万円のボーナスをゲットした。「サマー2000シリーズは全く意識していませんでした。使うごとに良くなっていますし、秋以降もすごく楽しみです」と、幸はさらなる成長に期待する。今回は
小倉記念4着(3ポイント)→
新潟記念1着(10ポイント)と、最低限の条件(シリーズで1勝以上、13ポイント以上)を満たして王者に輝く“省エネ”ぶりだった。
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木原一良調教師は開業12年目で重賞初制覇。「直線の長いコースがいいと思っていたが、きょうは本当に直線が長かった。ゴールインしてから、これが重賞(を勝つ喜び)だと気づきました」と感激に浸る。今後は放牧に出されて英気を養う
ナリタクリスタル。サマー2000王者は、秋以降も輝きを放つ走りを見せてくれそうだ。(高尾幸司)