第61回
朝日杯FS(20日、中山11R、GI、2歳オープン、せん馬不可、馬齢、芝・外1600メートル、1着本賞金6300万円=出走16頭)師走の中山に見事なバラが咲いた-。東スポ杯優勝馬
ローズキングダムが断然人気に応えて圧勝。デビュー3連勝で2歳王者に君臨した。1分34秒0(良)。
小牧太騎手、
橋口弘次郎調教師は5年前の
ペールギュントの雪辱を果たし、“バラ一族”にとっては悲願のGI初制覇。2着は2番人気の
エイシンアポロン。3番人気のトーセンファントムはレース中の故障で14着に大敗した。
完璧な騎乗で、無敗の2歳王者が誕生した。断然人気に推された
ローズキングダムを
小牧太騎手が余裕の手綱で勝利に導いた。1番人気の
ペールギュントで3着に敗れた04年
朝日杯FSの無念を、スカッと晴らした。
「自分の馬が一番強いと自信を持っていました」。インタビューでの堂々とした受け答えがすがすがしい。スタートをポンと切ると、道中は中団で脚を温存。後方まで下げ、外を回して届かなかった5年前とは違う。直線に向いて
エイシンアポロンが早めに進出すると、目標を1頭に絞ってスッと動いた。
「いつでもかわせる手応えで、ちょっと(仕掛けを)待ったくらい」。余裕の手綱さばきで坂下から仕掛け、中山名物のゴール前の急坂でさらに加速。一気に
アポロンをかわし、最後は手綱を緩めてゴール。1馬身1/4という着差以上にインパクトのある勝ちっぷり。来年のクラシックを大いに期待させる。
「これだけ余裕で勝てるGIはなかなかありません。ゴールに入ったら何をしようか考えていましたが、できませんでした。
ペールギュントは悔いの残るレースをしたので、それを取り戻した感じです」
04年に公営・園田から中央に移籍。初のGI勝ちとなった昨年の
桜花賞(
レジネッタ)以来2度目のGI制覇となった小牧は、いま心からレースを楽しんでいる。絶好のチャンスだったペールで勝てず、以来、GIは遠いものとなり、悩むことも多かった。公営時代から管理馬を乗せていた
橋口弘次郎調教師は「小牧は
レジネッタで変わった。あれ以降、安心して任せられる。今日の競馬も100点満点。自信を持って乗っているのが分かったし、これで安心して来年も任せられる」と厚い信頼を口にした。
「どこでも(馬群を)割っていけるし、これだけ瞬発力がある。1戦1戦取りこぼさないよう、ダービーまで行きたい」 小牧は初の牡馬クラシック制覇を意識する。年明けはトライアルを使って、本番の
皐月賞(4月18日、中山、GI、芝2000メートル)を予定。09年を3戦無敗で決めた
ローズキングダムとなら、きっと夢はかなうはずだ。(高尾幸司)
★入場&売上
20日の中山競馬場の入場人員は3万9496人で前年比88・3%。
朝日杯FSの売り上げも前年比93・1%の115億5788万2400円にとどまった。軒並み売り上げが減少傾向にあり、今回も厳しい結果となった。