第45回
札幌記念(23日、札幌9R、GII、3歳上オープン国際、定量、芝2000メートル、1着本賞金7000万円=出走16頭)クビ差の明暗-。7番人気の
ヤマニンキングリーが先行策から早めに抜け出し、断然人気の2冠牝馬
ブエナビスタをクビ差抑えて優勝。
柴山雄一騎手(31)=美・フリー=は昨夏の
クイーンS以来1年ぶりの重賞V。タイム2分0秒7(良)。惜敗したブエナは挑戦を表明していた仏GI
凱旋門賞(10月4日)を断念。秋は国内に専念し、
秋華賞で牝馬3冠を目指すことになった。
札幌記念でクビ差2着に敗れた
ブエナビスタは、
凱旋門賞挑戦を断念することになった。レース直後、
松田博資調教師と生産者のノーザンファーム・吉田勝己代表が協議して決めたもので、秋は国内に専念する。
「勝ったら行くという条件だった。無事にさえ走ってくれたらいいと思っていたが、(馬主の)会員さんがいるので早めに言わないといけない」。松田博師はレース内容には悲観していなかったが、“前哨戦”を取りこぼした点を重視した。
もうひとつの理由に馬体重がある。ブエナが調教終了後の19日に計測した体重は460キロだったが、23日に発表されたのは454キロ。札幌に滞在していたというのに、4日間で6キロ減。「
桜花賞と同じ目方やった。この調子では(フランスに)輸送したら減りそうだし、体調の維持がどうかと思う。
凱旋門賞は来年以降も行くつもりはない」と師はフランスへの輸送にも不安を抱いた。
圧倒的1番人気に支持されたブエナはメンバー最速タイの上がり3ハロン35秒1で伸びてきたが、
ヤマニンキングリーに届かなかった。スタートして1コーナー手前までは、これまでのブエナからは信じられないような引っ掛かる場面も。「返し馬でもカリカリしていたし、雰囲気は春と違っていた。それでも最後は伸びていた」と
安藤勝己騎手は休み明けで少しテンションが高かったことを悔やんだ。遠征断念については「残念だけど、まだ若い馬だから無理しない方がいい」と語った。
このあとは北海道安平町のノーザンファームに放牧に出され、牝馬3冠のかかる
秋華賞(10月18日、京都、GI、芝2000メートル)が目標となる。(高尾幸司)