第44回北九州記念(16日、小倉10R、GIII、3歳上オープン国際、ハンデ、芝1200メートル、1着本賞金4100万円=出走16頭)単勝8番人気のサンダルフォンが、直線で鋭く伸びて完勝。1分7秒5(良)のレースタイレコードで重賞初Vを飾った。酒井学騎手(29)=栗・フリー=は7年10カ月ぶり2度目の重賞制覇。2着に2番人気のレディルージュ、1番人気のカノヤザクラは3着に終わった。 札幌のクイーンSで11番人気のピエナビーナスが優勝して10分後、ハンデ重賞の小倉では8番人気のサンダルフォンが同じく重賞初Vを決めた。 「終いは確実に切れるというセールスポイントを生かせたと思いますし、ゴールした瞬間に勝ったと思いました」。スタンド前に引き揚げてきた酒井学騎手が馬上から右手を高らかに突き上げファンの声援に応えた。 スタートを決め道中は中団のインで流れに乗る。楽な手応えのまま4角を通過すると直線半ばで馬場の真ん中から抜け出す。最後まで脚勢は鈍ることなく、3ハロン34秒3最速タイの末脚で後続を完封。レースタイレコードの1分7秒5(良)で歓喜のゴールだ。 酒井は01年10月のGIIIカブトヤマ記念(タフネススター)以来7年10カ月ぶり2度目の重賞制覇。「いつも重賞を勝ちたいと思っていました。今年は小倉で通算100勝もできましたし、充実した夏になっていますね」。12年目の29歳が久々の美酒に酔いしれた。 一方、管理する松永幹調教師は2週前の小倉記念(ダンスアジョイ)に続き、小倉で重賞連勝。「2つも勝てるなんてできすぎです」と謙虚に語ったトレーナーは、「きょうは位置取りだけだと思っていましたけど、上手く乗ってくれましたね」と酒井騎手への賛辞も忘れなかった。 サンダルフォンは、最終戦のセントウルS(9月13日、阪神、GII、芝1200メートル)へ駒を進め、サマースプリントシリーズの王者を狙う。