第29回マイルチャンピオンシップ(18日、京都11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝・外1600メートル、1着本賞金1億円 =出走18頭)
武豊騎乗の4番人気
サダムパテックが直線で力強く抜け出し、
グランプリボスの追撃をクビ差かわしてGI初制覇を果たした。タイム1分32秒9(稍重)。
武豊騎手は2010年の
ジャパンC以来のGI勝利で、JRAのGI全22レース制覇へ王手をかけた。1番人気の
グランプリボスは2着で、3年連続となるGI制覇はならず、3着には5番人気
ドナウブルーが入った。
底冷えする淀のターフで、
武豊騎手が
サダムパテックをGI初制覇に導いた。2年ぶりに上がったお立ち台。「お久しぶりです」とユーモアたっぷりに第一声を放った。
「本当に長い間、GIで勝てていなかった。誰よりもボクが一番、喜んでいます。本当に、本当に、うれしいです」
ゴール直後、右手で小さくガッツポーズが出る会心のレースだった。「(稍重)馬場はこなせる。枠(〔1〕枠(1)番)をいい方向に生かしたい」と道中は中団インで待機。直線入り口で内から張られたが、外にいた
リアルインパクトをはじき飛ばすような勢いで馬群を割った。逃げる
シルポートをかわすと、外から迫る
グランプリボスをクビ差退けた。
マイルCSを21度目の挑戦で制覇し、JRAのGI全22レースのうち残すタイトルは
朝日杯FSのみ。前人未到の完全制覇に王手をかけた。サダムは今後、
香港マイル(12月9日、シャティン、GI、芝1600メートル)の招待を待つ。
ユタカのデビュー2年目からのJRA・GI連続勝利記録が昨年、「23年」で止まった。一昨年3月の落馬事故で左鎖骨骨折などの重傷を負い、思うように体が動かない時期も。2003年から05年にかけて200勝以上もマークしていた年間勝利数は、ここ2年は2ケタ止まり。温かい声援に逆に心が痛んだ。
「こんなはずじゃない…と。みんなが(復活を)待ってくれているのに、応えられないのがつらかった」。今回でふっ切れたユタカ。「久しぶりに勝てたので、ケチャップみたいにドバドバ出てほしいね」。サッカー日本代表MF本田圭佑の名言を引き合いに、さらなる活躍を誓った。 (川端亮平)
◆12月16日2歳王者決定戦
ティーハーフで参戦へ
武豊騎手がGIで唯一勝っていない2歳牡馬王者決定戦、
朝日杯FS(12月16日、中山、芝1600メートル)。今年は
ティーハーフ(栗・西浦)での参戦が有力だ。半兄に
香港スプリント勝ちのラッキーナイン(父ドバウィ)がおり、全兄
サドンストームは昨年の
京王杯2歳S2着。この馬自身は芝1200メートルで2勝しているが、ユタカは「中山ならマイルでも」と距離克服は可能とみている。
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