第60回
神戸新聞杯(23日、阪神11R、GII、3歳オープン国際(指)、せん馬不可、芝・外2400メートル、1着本賞金5200万円、1~3着馬に
菊花賞の優先出走権=出走15頭)2冠制覇へ向けて、
皐月賞馬が好スタートを切った。
内田博幸騎乗の1番人気、
ゴールドシップが中団から豪快に突き抜け、ダービー5着以来、3カ月半ぶりの秋初戦を飾った。タイム2分25秒2(良)。2着
ロードアクレイム、3着
マウントシャスタまでが
菊花賞(10月21日、京都、GI、芝3000メートル)の優先出走権を得た。
これがクラシックウイナーの底力だ。
ゴールドシップがロングスパートで
菊花賞トライアルを圧勝。2冠制覇へ最高の船出を決めた。
「GI馬のレースを見せないといけないし、自分の中で負けられなかった。春同様に力がある」
内田博が自信に満ちた表情で振り返る。(14)番枠から中団やや後方を追走。残り800メートルで鞍上の手綱が動き、助走をつけるように4コーナーを回ると、右ムチが入るたびに末脚を伸ばす。早くスパートしながらも上がり3ハロン34秒5はメンバー最速だ。
「早めに進出したが、ためていくより息の長い脚を使う」とウチパクは説明。ダービーは前をとらえ切れず5着だけに、その反省を生かした。2着と2馬身半は、昨年の3冠馬で同じ配合の
オルフェーヴルが勝った時と同じ着差。手応えも十分だ。
「
皐月賞馬の意地を見せないといけなかったし、ダービー2着馬(
フェノーメノ)は中山(
セントライト記念)で勝ってますから。ここでは負けられませんでした」
須貝尚調教師が笑顔を見せる。本番を見据えた仕上げで結果も求められる厳しい条件を
クリア。「息がすぐ入ったし、相当に心肺機能が強い」と愛馬の底力を実感した。
さあ、
菊花賞だ。「勝てる位置にいるし、もうひとつタイトルを取らせたい」と主戦が気合を入れれば「内田騎手はこの馬をわかっているし、信頼して」とトレーナー。そして両者は「距離は長い方がいい」と口をそろえる。菊を視野に入れるダービー馬
ディープブリランテにも順調さで一歩リードだ。
仁川で輝いた“黄金の船”
ゴールドシップは、淀の菊舞台へ向けてさらに加速していく。 (森田実)