エルムSの追い切りが21日、函館競馬場で行われ、4連勝中の
ローマンレジェンドが迫力十分のフットワークで併走馬をぶっちぎった。22日に札幌に輸送するため、追い切り即日輸送の負担を避けた調整。余裕をもったスケジュールで、初の重賞タイトルを狙う。
全休日明けの函館競馬場に力強い蹄音が響いた。
ローマンレジェンドが圧巻の走りで好調をアピール。手綱を取った千葉騎手(レースは岩田康騎手)は、抜群の手応えに舌を巻いた。
「4コーナーで前の馬が射程圏に入ったときの動きがハンパなくよかったです。攻め馬でも『どこで抜いてやろうか』というオーラがすごい。レベルが違いますね」
角馬場で入念に体をほぐしてから、ダートコースで
ミッキーバルーン(牡3、500万下)と併せ馬。2馬身先行する僚馬を追いかけ、前半は折り合ってゆったりと進む。直線の入り口で差を詰めると、鞍上のムチに鋭く反応。スピードの違いを見せて一気に突き放し、ラスト1ハロン12秒4(6ハロン83秒0)で5馬身先着した。
今年の北海道シリーズは次週の9月2日で終了。函館競馬場は23日が全馬の退厩日で、今週、札幌で出走予定の馬は22日に移動しなければならない。荻野調教助手は「追い切った後の移動はこたえるからね。調教師と相談して決めた」と、火曜追いの理由を説明した。
デビュー3戦目にダート路線に転じて、能力が一気に開花。砂では7戦6勝、2着1回と連対率100%だ。オープン初挑戦だった前走のジュライSは6馬身差圧勝に加えて、コースレコードもマーク。重賞初挑戦でも臆するところはない。
今回は2年連続JRA最優秀ダート馬に輝いた
エスポワールシチーなどが待ち受けるが、腕試しにはもってこいだ。「今までの相手とは違うけど、対応できるだけのデキにはある」と荻野助手は力を込めた。
秋のGI戦線を見据えるダート界の上がり馬が、タイトル奪取でその勢いをさらに加速させる。 (川端亮平)