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“牝馬三冠”の最終戦。ゆえに、順調に使われている馬が強く、2007年以降オークスからの直行馬は、2012年のオークス馬サンテミリオン(18着)をはじめ、ことごとく凡走しており複勝圏内は皆無。2007年には、宝塚記念以来で約4カ月ぶりの実戦となったウオッカも敗れており(1番人気3着)、春シーズン以来の休養明けは大きなマイナス材料となる。主要ステップは2007年以降、数多くの好走馬を輩出しているローズSで、その大半はローズSで掲示板を確保している。重賞に格上げされた紫苑S組が2016年にワンツーフィニッシュを決めた一方、ローズS3着のカイザーバルが8番人気の低評価を覆して3着に食い込んでおり、今後もローズSが最重要ステップの役割を担うことは間違いない。舞台となる京都芝2000mはトリッキーなコースとして有名で、予想外の波乱が起こるケースもある。(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)
【人気】
以前は荒れるG1として定評の高かった秋華賞だが、近年は上位人気馬の活躍が目立ち、平穏に終わるケースも増えてきた。もっとも、大波乱となった2008年のように、時に突拍子もない荒れ方をするのもこのレースの大きな特徴。ゆえに、伏兵に対する警戒が怠れないのと同時に、1番人気の取捨がポイントになる。2007年以降、1番人気は3勝とやや物足りない成績だが、勝利した3頭はいずれもオークス馬。とりわけ2015年の優勝馬ミッキークイーンは、秋華賞創設以来未勝利で、2着も1回しかなかった大外18番枠を克服しての勝利だった。オークス馬が1番人気の場合は、逆らわないほうが賢明かもしれない。一方で、別表を見ると、2番人気の成績がズバ抜けている。1番人気の馬が信用に足りないケースでは、2番人気を中心に馬券を組み立てるのもひとつの作戦だ。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 5-3-4-8 | 25.0% | 40.0% | 60.0% | 50.5% | 70.5% |
2番人気 | 8-3-2-7 | 40.0% | 55.0% | 65.0% | 131.5% | 96.0% |
3番人気 | 4-2-1-13 | 20.0% | 30.0% | 35.0% | 139.5% | 68.5% |
4番人気 | 0-2-2-16 | 0.0% | 10.0% | 20.0% | 0.0% | 59.0% |
5番人気 | 0-3-3-14 | 0.0% | 15.0% | 30.0% | 0.0% | 105.5% |
6~9番人気 | 0-5-5-70 | 0.0% | 6.3% | 12.5% | 0.0% | 58.5% |
10番人気以下 | 3-2-3-171 | 1.7% | 2.8% | 4.5% | 64.0% | 79.4% |
◆単勝オッズ別成績(過去20年)
単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.9倍以下 | 2-2-1-1 | 33.3% | 66.7% | 83.3% | 40.0% | 88.3% |
2.0~2.9倍 | 5-1-3-2 | 45.5% | 54.5% | 81.8% | 117.3% | 97.3% |
3.0~4.9倍 | 5-2-1-12 | 25.0% | 35.0% | 40.0% | 80.5% | 60.5% |
5.0~7.9倍 | 4-2-2-7 | 26.7% | 40.0% | 53.3% | 152.0% | 98.7% |
8.0~14.9倍 | 1-6-3-23 | 3.0% | 21.2% | 30.3% | 30.6% | 96.7% |
15.0~19.9倍 | 0-3-1-20 | 0.0% | 12.5% | 16.7% | 0.0% | 74.6% |
20.0~49.9倍 | 2-3-6-87 | 2.0% | 5.1% | 11.2% | 58.2% | 61.4% |
50.0倍以上 | 1-1-3-147 | 0.7% | 1.3% | 3.3% | 37.9% | 76.3% |
◆配当(過去10年)
馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
---|---|---|---|
単勝 | 2,990円 | 130円 | 707円 |
複勝 | 6,210円 | 110円 | 538円 |
枠連 | 8,710円 | 230円 | 1,861円 |
馬連 | 23,080円 | 250円 | 3,862円 |
ワイド | 56,110円 | 140円 | 4,419円 |
馬単 | 52,130円 | 300円 | 7,798円 |
3連複 | 1,869,680円 | 640円 | 197,616円 |
3連単 | 10,982,020円 | 3,660円 | 1,145,779円 |
【脚質】
過去のデータを振り返ると、脚質面では先行勢と中団待機勢がほぼ互角の成績。勝率や複勝率は中団待機勢が上回っていることから、「差し優勢」のレースであることは間違いない。一方、後方待機の追い込みタイプは信用しづらく、2007年のウオッカ、2009年のブエナビスタと、ともに1番人気の支持を集めながら3着(ブエナビスタは2位入線降着)に敗れたことは記憶に新しい。また、逃げ馬も分が悪く、過去の優勝馬は2007年のダイワスカーレット1頭しかいない。ただし、ダイワスカーレットは1コーナーをヒシアスペン(18着)と併走のかたちで進入し、道中は番手を追走して、4コーナー手前で先頭に立ったもの。従って、純然たる逃げでの勝利は皆無と考えても差しつかえない。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 1-2-1-20 | 4.2% | 12.5% | 16.7% | 11.7% | 298.8% |
先行 | 5-4-5-57 | 7.0% | 12.7% | 19.7% | 51.5% | 61.7% |
差し | 13-10-13-123 | 8.2% | 14.5% | 22.6% | 84.6% | 87.5% |
追込 | 1-4-1-99 | 1.0% | 4.8% | 5.7% | 4.8% | 13.4% |
【枠順】
正面スタンド前から発走して内回りコースを約1周する形態で、最初のコーナーまでの距離は短め、かつ4つのコーナーを回るトリッキーなコース。となれば内枠が有利になりそうなものだが、なにしろ気性的に包まれることを嫌がるタイプが多い牝馬限定戦。混合戦とは違い、「内枠=優勢」の方程式は必ずしも成り立たない。とくに有利と言われがちな1枠を引いた場合、別表にあるように連対率と複勝率がソコソコの半面、単勝回収率と複勝回収率はガクンと落ちる。このレースに限って言えば、枠の有利不利は少ないと認識して構わない。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1-4-1-34 | 2.5% | 12.5% | 15.0% | 6.0% | 45.0% |
2枠 | 3-2-4-31 | 7.5% | 12.5% | 22.5% | 150.3% | 85.3% |
3枠 | 2-1-6-31 | 5.0% | 7.5% | 22.5% | 33.3% | 81.3% |
4枠 | 1-2-0-37 | 2.5% | 7.5% | 7.5% | 15.8% | 33.8% |
5枠 | 1-4-0-35 | 2.5% | 12.5% | 12.5% | 6.3% | 26.3% |
6枠 | 3-2-3-32 | 7.5% | 12.5% | 20.0% | 24.3% | 53.5% |
7枠 | 5-1-5-48 | 8.5% | 10.2% | 18.6% | 26.4% | 183.7% |
8枠 | 4-4-1-51 | 6.7% | 13.3% | 15.0% | 115.0% | 50.7% |
【血統】
このレース、特に良馬場時はディープインパクト産駒を抜きにしては語れない。2012年以降、ジェンティルドンナを手はじめに、ショウナンパンドラ、ミッキークイーン、ヴィブロスと4勝。2着にも2頭が入っており、同産駒は5年連続して連対を果たした。2017年は重馬場だったため不発に終わったが、良馬場であれば見直せる。ただし、むやみになんでも買えばいいというわけではなく、当日の単勝オッズが4番人気以下の場合、すべて4着以下に凡走している。このあたりが取捨の大きなポイントとなりそうだ。ほかでは、父もしくは母父にミスプロの血を持つ馬が強く、2010年以降は人気の有無にかかわらず、最低1頭は複勝圏内に食い込んでいる。なかでも、キングマンボ系は特注とも言える存在で、2012年3着アロマティコ(父キングカメハメハ・6番人気)、2013年3着リラコサージュ(母父キングマンボ・15番人気)、2015年3着マキシマムドパリ(父キングカメハメハ・8番人気)のように、低評価を覆す激走があとを絶たない。高配当を狙いたい穴党にはもってこいの血筋と言えよう。
◆同コース種牡馬別成績(京都競馬場/芝/2000m/過去5年)集計期間:2013/10/08~2018/10/08
位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ディープインパクト | 44-34-34-150 | 16.8% | 29.8% | 42.7% | 60.6% | 71.5% |
2 | ハーツクライ | 22-12-19-103 | 14.1% | 21.8% | 34.0% | 136.8% | 89.0% |
3 | ハービンジャー | 19-9-15-89 | 14.4% | 21.2% | 32.6% | 115.3% | 78.4% |
4 | キングカメハメハ | 16-17-16-118 | 9.6% | 19.8% | 29.3% | 47.8% | 71.0% |
5 | ステイゴールド | 14-12-10-123 | 8.8% | 16.4% | 22.6% | 57.3% | 68.9% |
6 | ルーラーシップ | 7-8-5-32 | 13.5% | 28.8% | 38.5% | 68.1% | 79.0% |
7 | メイショウサムソン | 6-2-3-40 | 11.8% | 15.7% | 21.6% | 109.0% | 61.0% |
8 | ゼンノロブロイ | 5-8-5-55 | 6.8% | 17.8% | 24.7% | 39.0% | 84.1% |
9 | ジャングルポケット | 5-4-3-75 | 5.7% | 10.3% | 13.8% | 59.2% | 58.0% |
10 | マンハッタンカフェ | 4-14-13-90 | 3.3% | 14.9% | 25.6% | 72.1% | 63.0% |
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