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年末の大一番として国民的行事にもなっている有馬記念だが、有力馬のなかにはジャパンCや香港国際競走を秋の最終目標とする馬も少なくない。加えて出走馬は秋シーズン3走目、4走目となるケースが多く、状態を上げてきたG1では足りなかった馬が穴をあけることもしばしば。実績だけでなくデキの見極めも重要となる。また、2007年マツリダゴッホ、2015年ゴールドアクターといった中山巧者の激走も目立つ。2008年は14番人気のアドマイヤモナークが2着、2014年は9番人気のトゥザワールドが2着に入っており、穴をあけたこの2頭の中山成績は【1.2.3.1】(着外は10か月ぶりの出走)と【1.2.0.0】であった。舞台となる中山芝2500mは、3コーナーの外回り部分からスタートし、小回りの内回りコースでコーナーを6回通過する、年間10レースほどしか開催されないマイナーなコース。スタートから最初のコーナーまで200mに満たないトリッキーな設計と、冬開催4週目で馬場が荒れ始めることも波乱を引き起こす要因になっている。ディープインパクトやオルフェーヴルのようなズバ抜けた馬がいればそこから入りたいが、そうでなければ少し捻って攻めたほうがおもしろいレースだ。(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)
【人気】
1番人気は2007年以降【6.2.1.2】。単勝1.7倍に支持された2010年のブエナビスタが2着に取りこぼしたり、近2戦15着、10着と苦戦中ながら過去の実績から単勝4.1倍で1番人気に押し出された15年ゴールドシップが8着に敗れたりはしているが、トータルでは好成績。特に菊花賞1着からの直行組は、2011年オルフェーヴル、2012年ゴールドシップ、2016年サトノダイヤモンドと3戦3勝を誇っている。なお2013年、2016年のように3連単が4ケタ配当で収まる年がある一方、98万馬券となった2009年や10万馬券となった2014年のように、1番人気が3着以内に入っても高配当が飛び出すこともある。1番人気からヒモ荒れを狙うのがセオリーだ。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 11-3-1-5 | 55.0% | 70.0% | 75.0% | 119.5% | 94.0% |
2番人気 | 3-3-2-12 | 15.0% | 30.0% | 40.0% | 80.5% | 62.0% |
3番人気 | 1-2-4-13 | 5.0% | 15.0% | 35.0% | 35.5% | 77.0% |
4番人気 | 3-2-1-14 | 15.0% | 25.0% | 30.0% | 201.5% | 99.0% |
5番人気 | 0-2-1-17 | 0.0% | 10.0% | 15.0% | 0.0% | 46.0% |
6~9番人気 | 2-4-6-68 | 2.5% | 7.5% | 15.0% | 86.6% | 78.8% |
10番人気以下 | 0-4-5-110 | 0.0% | 3.4% | 7.6% | 0.0% | 86.5% |
◆単勝オッズ別成績(過去20年)
単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.9倍以下 | 4-2-0-1 | 57.1% | 85.7% | 85.7% | 91.4% | 97.1% |
2.0~2.9倍 | 7-1-0-3 | 63.6% | 72.7% | 72.7% | 159.1% | 92.7% |
3.0~4.9倍 | 2-2-3-10 | 11.8% | 23.5% | 41.2% | 45.3% | 61.8% |
5.0~7.9倍 | 1-2-3-12 | 5.6% | 16.7% | 33.3% | 39.4% | 67.2% |
8.0~14.9倍 | 3-4-2-31 | 7.5% | 17.5% | 22.5% | 79.0% | 71.5% |
15.0~19.9倍 | 2-1-3-22 | 7.1% | 10.7% | 21.4% | 121.8% | 78.9% |
20.0~49.9倍 | 0-5-7-60 | 0.0% | 6.9% | 16.7% | 0.0% | 82.9% |
50.0倍以上 | 1-3-2-100 | 0.9% | 3.8% | 5.7% | 49.3% | 86.3% |
◆配当(過去10年)
馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
---|---|---|---|
単勝 | 1,700円 | 160円 | 517円 |
複勝 | 2,280円 | 110円 | 374円 |
枠連 | 18,640円 | 330円 | 3,564円 |
馬連 | 29,490円 | 440円 | 6,134円 |
ワイド | 28,200円 | 200円 | 2,562円 |
馬単 | 33,490円 | 770円 | 8,606円 |
3連複 | 192,500円 | 1,050円 | 28,138円 |
3連単 | 985,580円 | 3,940円 | 143,743円 |
【脚質】
コーナーを6度回るコースゆえに、道中で息を入れやすくコースロスも少ない先行勢が強い。近年は同日施行の中山芝2500m戦のグッドラックハンデ(1000万下)よりもペースが落ち着くことも珍しくない。人気サイドでの決着となった2012年と2016年はともに4角4番手以内の馬たちによる決着であったが、2013年の上位3頭は3コーナーからまくった組。ただ前に行って流れ込むだけではなく、臨機応変に対応できる器用な脚も求められる。逃げ馬は2009年にダイワスカーレットが勝利。2015年のキタサンブラックは最後の直線の急坂で捕まり3着となったが、2017年は逃げてラストランを勝利で飾った。差し馬は2010年ハナ差2着のブエナビスタ、2015年クビ差2着のサウンズオブアースのように、あと一歩届かないケースが目立つ。なお4角10番手以下は苦戦しているので、極端な追い込みタイプは嫌っていきたい。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 2-2-2-16 | 9.1% | 18.2% | 27.3% | 20.5% | 120.0% |
先行 | 11-8-9-52 | 13.8% | 23.8% | 35.0% | 162.0% | 151.5% |
差し | 4-9-7-88 | 3.7% | 12.0% | 18.5% | 11.7% | 56.3% |
追込 | 3-1-2-83 | 3.4% | 4.5% | 6.7% | 11.2% | 37.2% |
【枠順】
スタートしてすぐにコーナーを迎える、外枠が不利なコース形態。枠連8-8で決着した2008年は例年により少ない14頭立てであった。2007年以降、14番枠から外は【0.1.2.26】となっており、特に逃げ・先行タイプには厳しい状況が続いている。馬番の奇数・偶数別では、奇数の8勝、2着6回に対し偶数は3勝、2着5回と偶数のほうが劣勢で、8、12、16番は2006年以降、1頭も3着以内に入っていない。ちなみに公開枠順抽選で関係者に人気となる「内目の後入れ偶数枠」に当たる2、4、6番は【3.4.4.20】となっており、穴馬の激走も少なくない。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 5-4-1-22 | 15.6% | 28.1% | 31.3% | 95.3% | 143.4% |
2枠 | 2-3-4-25 | 5.9% | 14.7% | 26.5% | 179.4% | 116.2% |
3枠 | 2-4-2-28 | 5.6% | 16.7% | 22.2% | 7.8% | 73.1% |
4枠 | 4-3-3-29 | 10.3% | 17.9% | 25.6% | 73.3% | 80.0% |
5枠 | 2-4-3-29 | 5.3% | 15.8% | 23.7% | 55.5% | 91.6% |
6枠 | 2-0-4-34 | 5.0% | 5.0% | 15.0% | 12.0% | 72.3% |
7枠 | 1-1-3-35 | 2.5% | 5.0% | 12.5% | 6.8% | 24.0% |
8枠 | 2-1-0-37 | 5.0% | 7.5% | 7.5% | 13.0% | 63.3% |
【血統】
2007年以降、サンデーサイレンス系が10勝しており、なかでもステイゴールド産駒の4勝が目立つ。オルフェーヴル・ドリームジャーニー兄弟、ゴールドシップといった勝ち馬以外にも、2012年には10番人気のオーシャンブルーが2着に激走している。注目を集めるディープインパクト産駒は、2014年のジェンティルドンナ、2016年のサトノダイヤモンドと2勝しているものの、この2頭以外はすべて着外に敗れている。なお、2007年以降の3着以内馬のうちサンデーサイレンスの血を持たなかったのは、2008年2着のアドマイヤモナークと2011年2着のエイシンフラッシュの2頭のみ。サンデーの血は必須と言っても過言ではなかろう。母父ではノーザンダンサー系が優勢で、2014~16年に3連勝を記録した。サンデーとノーザンダンサーの内包馬には特に注目だ。
◆同コース種牡馬別成績(中山競馬場/芝/2500m/過去5年)集計期間:2013/12/02~2018/12/02
位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ステイゴールド | 10-11-11-61 | 10.8% | 22.6% | 34.4% | 45.8% | 63.1% |
2 | ハーツクライ | 5-6-5-45 | 8.2% | 18.0% | 26.2% | 67.0% | 59.0% |
3 | ディープインパクト | 4-0-5-42 | 7.8% | 7.8% | 17.6% | 100.4% | 51.2% |
4 | キングカメハメハ | 2-5-6-38 | 3.9% | 13.7% | 25.5% | 18.6% | 81.4% |
5 | キングヘイロー | 2-2-0-9 | 15.4% | 30.8% | 30.8% | 115.4% | 66.2% |
6 | ハービンジャー | 2-0-1-9 | 16.7% | 16.7% | 25.0% | 101.7% | 62.5% |
7 | スクリーンヒーロー | 2-0-1-2 | 40.0% | 40.0% | 60.0% | 406.0% | 146.0% |
8 | カンパニー | 2-0-0-2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 1,095.0% | 155.0% |
9 | シンボリクリスエス | 1-5-0-15 | 4.8% | 28.6% | 28.6% | 21.0% | 83.8% |
10 | ネオユニヴァース | 1-3-2-12 | 5.6% | 22.2% | 33.3% | 132.2% | 102.2% |
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