東西9人の調教師が1日付で開業した。JRA通算1586勝で昨年騎手を引退した栗東の四位洋文調教師(48)は今週土日に3頭をスタンバイ。藤沢和雄調教師(69)=美浦=のエッセンスを取り入れながら、一流厩舎を目指して新たなスタートを切る。
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調教に向かう管理馬の隊列の横を歩く姿は、東の名伯楽にそっくり。“藤沢和流”を受け継ぐ四位調教師が第2のデビュー戦に向けて意気込んだ。
「やるからには、一流の厩舎にならないと駄目でしょう。藤沢先生には昔からかわいがってもらっていて、いろんなエッセンスを盗めたと思う」
日本ダービー2勝などJRA通算1586勝の輝かしい騎手生活にピリオドを打ってから1年。技術調教師として過ごした昨年は、美浦へ出向いて藤沢和調教師のもとで学び、夏の北海道では所属する千田厩舎で“プレ調教師”として経験を積んだ。その中で強くしたのが『馬ファースト』の思い。「馬は口をきけないからね。様子を見て、最善のことをやってあげるのが人間の責任。調教師としては、いい競走馬生活を送れるように最大限の努力をしないとね」とうなずいた。
デビュー週は阪神、小倉で計3頭が出走。日曜小倉8Rのサマービートは「未勝利馬だけど、このクラスでもやれる能力がある」と見込む。調教を終えた隊列について、厩舎に向かうその足取りは、実に軽やかだった。(川端亮平)
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<栗東トレセン> ◆杉山佳調教師「馬主との意思疎通を大事にして、従業員が働きやすい環境を作っていきたい」=今週4頭出走 ◆茶木調教師「楽しみと緊張が混ざった感じ。色々な方に助けられてスタートできました」=今週3頭出走 ◆辻野調教師「やはりベースになるのは角居先生がしてきた方針でしょうね。現状に止まったら、落ちていくだけ。常に上を見てこられた先生でした」=今週2頭出走 ◆小林調教師「(昨年末に合格し)即開業のような形で、表立って言えないような苦労もありました。気持ちとしては一頭ずつ時間をかけて丁寧に仕上げていきたいです」=今週出走なし ◆田中克調教師「スタッフもよく動いてくれて、いい感じでスタートを切れました。研修でお世話になった藤沢(和雄)先生の影響は大きいし、とにかくチームワークのいい厩舎にしたい」=今週出走なし ◆畑端調教師「(昨年末の合格で)開業まで早かったが、いい雰囲気で開業できました。スタッフと協力して、みんなで力を合わせるような形で進めていきたい」=今週出走なし
<美浦トレセン> ◆鈴木慎調教師「調教を含めて馬の健康管理を怠らず、無事に競馬へ出走させることが大切だと思っています」=今週1頭出走 ◆辻調教師「馬に対して失礼にならないように。馬あっての仕事であることを忘れずに、日々、取り組みたいです」=今週出走なし
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【新規調教師出走馬】
●四位洋文● <土曜・阪神>3Rテイエムジャガー B <日曜・小倉>8Rサマービート A10Rリンドブラッド A
●杉山佳明● <土曜・阪神>1Rフクシマブリリオ C <日曜・阪神>1Rジューンビアンカ C5Rマケルナマサムネ B12Rショウゲッコウ B
●鈴木慎太郎● <日曜・中山>2Rフレーゲル B
●茶木太樹● <土曜・阪神>8Rベストクィーン B12Rサンレイファイト B <日曜・阪神>10Rシトラスノート A
●辻野泰之● <土曜・小倉>4Rグローブシアター B <日曜・中山>12Rロイヤルバローズ A