来週20日で勇退する高橋義博調教師(69)=美浦=が、今週末の競馬でラストを迎える。来年2月の定年まであと半年あまりだが、JRAとの方向性の相違などから身を引くことを決めた。「何のつてもなく調教師になって、正直よくここまでやってこられたなと思っています。きっと“悪運”が強かったんですね」と笑う。
1999年に開業し、JRA通算132勝(13日現在)。2010年J・GI中山大障害(バシケーン)、12年GII弥生賞(コスモオオゾラ)と重賞2勝を挙げた。長髪を後ろで束ねた独特のヘアスタイルから“ちょんまげ先生”の愛称でも親しまれた。「バシケーンは飛越が下手で、勝ち上がるのに時間がかかった。まさかGIを勝つような馬になるとは思いませんでした」と懐かしそうに振り返った。
今週は新潟で3頭がスタンバイ。最終出走は、兄・信博氏が所有する日曜5Rのキボウノヒビキだ。「小柄な牝馬なので仕上がりはまずまず。血統的に長めの距離が合うと思います」と2キロ減の藤田菜七子を鞍上に、上位進出を目指す。(漆山貴禎)
◆藤田菜七子騎手「何度も乗せていただいて(これまで)勝つことはできなかったのですが、感謝しています。最後の競馬ということで、先生のためにも少しでもいい結果を残せたらと思います」
●土曜新潟の出走馬●7Rペイシャバレー C
●日曜新潟の出走馬●4RキタノエスポワールB5Rキボウノヒビキ B(A=単争い、B=連候補、C=微妙、評価は担当記者)