【TAROの競馬研究室】藤田菜七子騎手の得意パターン/東京新聞杯展望
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先週はシルクロードS&根岸S。
シルクロードSはモズスーパーフレアが引っ張る展開になったが、ラチ沿いが荒れている馬場で持ち味が生きず、直線は差し馬が台頭。その中でも福永騎手のシヴァージが際立つ脚で抜け出し。これで同騎手は今年に入ってからの中京芝重賞で(2-2-1-0)と馬券圏内パーフェクト。1番人気馬の騎乗は一度もなく、伸びどころが難解な中京芝で持ち味の馬場読み力を存分に発揮している。今年は例年より中京開催が多く、恐らく次走になる高松宮記念でも荒れ馬場になる公算が高い。引き続き福永騎手が騎乗できるようなら有力になりそうだ。
一方、東の根岸Sはレッドルゼルが中団から抜け出し接戦を制した。フェブラリーSでは初のマイルがカギになりそうだが、自在性のあるタイプなので流れ次第ではこなせておかしくない。前半いかにリラックスして走れるかがカギになるだろう。
~差し追い込み馬で生きる当たりの柔らかさ
さて、今回少し取り上げたいのは藤田菜七子騎手。”JRA唯一の女性騎手”ということで、どうしてもそういう視点から取り上げられることが多い同騎手だが、性別の話は関係なく、最近の騎乗ぶりを見ていると一定の法則が見える。
それは、得意のゲートを生かしての逃げ…ではなく、当たりの柔らかさを生かした差し追い込みである。今年初勝利となったレッジャードロで挑んだ中山芝1600mの新馬戦では、道中16番手という最後方から直線大外一気。2勝目となったナンヨーローズで挑んだ小倉芝1200mの3歳未勝利戦でも道中はじっくり後方で脚を溜め、直線大外に出すと一気の伸び。最後は猛然と追い込んで内で粘る各馬をまとめて差し切った。
さらに先週日曜小倉9Rではウインエアフォルクとのコンビで、やはり後方から直線追いこんで3着。メインの巌流島Sでもナンヨーアミーコとのコンビで、道中最後方付近から追い込んで10番人気2着と波乱の立役者となった。女性騎手ということで腕っぷしやパワーで劣る分、馬に対する負担の少なさを生かしての差し追い込みスタイルが出来上がりつつある。データを見ても今年9度の馬券圏内のうち7度が差し追い込みと極端な傾向が出ている。今後馬場が荒れてくると、さらに藤田菜七子スタイルの差し追い込みが炸裂するシーンが増えるかもしれない。馬券にも上手く生かして行きたい。
~東京新聞杯展望
今週末は東京新聞杯が行われる。先週の東京芝は末脚がよく届いており、特に日曜日は芝5レースですべてディープインパクト産駒の差し馬が勝利と極端な傾向が出ていた。また、10鞍行われた芝のレースで1番人気馬が(7-2-0-1)と堅調。無茶な穴狙いは禁物かもしれないが、伏兵として面白そうな馬を2頭挙げてみる。
・トリプルエース
連勝で臨んだ京都金杯は外枠もあり前半掛かって伸びを欠いた。それでも0秒5差ならばまずまず健闘したと言える内容で、一応重賞でも通用のめどは立てたと言えそうだ。今回はルメール騎手騎乗。折り合い名人の同騎手には合いそうなタイプで、前半スムーズに運べればチャンスあり。
・サトノウィザード
OPでの実績はあまりないが、決め手の鋭さだけならメンバー中でも上位で、前走も出遅れながら最後はよく詰めて来ていた。JRA所属騎手の中でも最低レベルの鮫島良騎手がネックではあるが、それは十分人気にも織り込まれそう。もともと外を回して差して来る以外のパターンがほとんどない騎手だが、そのパターンでも今の東京芝なら問題はなく、通常なら大幅割引となる騎手も今回に関しては大きな割引にはならない可能性もある。チグハグ騎乗ながら差し切った2走前の能力からもハマれば通用余地あり。
※東京新聞杯の本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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