きさらぎ賞の追い切りが30日、東西トレセンで行われた。栗東では、ヴァンドギャルドが坂路でキビキビとした動きを披露。このレースを藤原英厩舎の管理馬で2勝しているミルコ・デムーロ騎手(40)=栗・フリー=の手綱さばきにも期待がかかる。美浦では東スポ杯2歳S2着のアガラスがWコースで余力十分に併入し、サンケイスポーツ調教評価で最高の『S』となった。
冬晴れの朝日を浴びながら、ヴァンドギャルドが整地直後の坂路で力強く四肢を躍動。見届けた藤原英調教師は、満足げに切り出した。
「ずっと使っているから、状態が上向きになるような追い切りをした。順調やな」
ゆったりしたペースで、単走でスタート。ほどよい気合乗りで駆け上がり、スムーズなコーナリングで直線に向くと、徐々に加速。軽く促され、ラスト2ハロンを12秒4-12秒4でまとめた。余力を残しながら、全体時計は4ハロン53秒9。馬体には張りがあって好気配を漂わせていた。
GIに挑戦した前走のホープフルSは6着。最後の直線で内、外から2度寄られる不利を受け、不完全燃焼だった。そのうっぷんを晴らしたい今年初戦に、頼もしい鞍上を迎えた。M・デムーロ騎手は、藤原英厩舎とタッグで臨んだ2010年ネオヴァンドーム、11年トーセンラーできさらぎ賞を連覇。すでに1週前追い切りで感触を確かめた優勝請負人は、相性のよさを自覚している。
「どっちも覚えているよ。藤原先生にはいつもいい馬に乗せてもらっているからね。ラーが勝ったときの3着は覚えている? (のちの三冠馬)オルフェーヴルだよ」と笑顔。新相棒については「いい馬。テンションが高いところがあるけど、(1週前)追い切りはよかったよ。前走も、不利がなかったから3着にきていたと思う。コーナー2つの京都1800メートルは中山よりいいね」と“V3”へ力を込めた。
ヴァンドギャルドは、フランス語で『長期熟成しておいしくなるワイン』の意味。素材のよさは間違いないディープインパクト産駒。ここで主役を務め、晴れてクラシック戦線に名乗りをあげる。 (川端亮平)
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