GI企画『東西現場記者走る』でホープフルSを担当する大阪サンスポ・渡部陽之助記者(39)は3日目、史上最速となるデビュー13日目でのGI制覇がかかるキングリスティアに注目した。栗東CWで僚馬を2秒5突き放す迫力満点の追い切りに河内調教師もやる気満々。好感触がビンビン伝わってきた。
クリスマスの朝のトレセンは、午前7時の調教開始前に氷点下1度の冷え込みだった。枕元にプレゼントなど届いているわけがない。その資金は“金曜に自分で稼ぐ”と誓って取材を始めた。
3日目の狙いは、16日の新馬戦(阪神芝2000メートル)を5馬身差で逃げ切ったキングリスティアだ。中11日で疲れがないかどうか、状態を確認しておきたかった。
ターゲットは午前8時半過ぎにCWコースに登場。レンジャーガール(新馬)の外で併走しながらスタートし、手綱を持ったままで直線へ。ここからが圧巻だ。軽く仕掛けるとググッと伸び、僚馬を2秒5も突き放して先着。6ハロン85秒3、3ハロン39秒0-11秒9と時計も上々だった。
「やれるだけやったけど、よかった。しまいで気合をつけたら相手がついて来られなかったね」と騎乗した安藤助手は高めのトーンで好感触を伝えた。
初戦は逃げてメンバー最速の末脚で後続を突き放す強い勝ち方。ここを勝てばデビューから13日目のGI制覇で、29日目のスティンガーとリオンディーズを抜いて、史上最速となる。
河内調教師も「気合が入ってきた感じ。中山2000メートルも大丈夫だと思うし、歴史を変えるかもしれないな」と笑み。担当の瀬戸口助手の「カイバは食べているし、疲れは心配ない」という話からも、力を出せる状態だと確信。底を見せていない魅力にあふれ、一発があるかもしれない。
一方、最速V記録を持つリオンディーズの弟、サートゥルナーリアも気になる。辻野助手に話を聞くと「2歳という枠組みの馬ではない。“四輪駆動”で走れてパワーもあるし、有馬記念のような馬場でも苦にしないと思う」と確かな手応え。本命候補の1頭に変わりはなさそうだ。
これで、関西馬のチェックは終了。水曜は美浦トレセンへ移動し、気になる関東馬を取材する。(渡部陽之助)
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