上半期を締めくくる24日のグランプリ「第59回宝塚記念」は、近年まれにみる混戦模様を呈している。実績馬たちが近走不振のうえ、香港の実力馬ワーザーも参戦するが、ファン投票1位の6万3599票を集めたサトノダイヤモンドも着々と態勢を整えている。果たして劇的な復活はあるのか-。
サトノダイヤモンドは昨春の阪神大賞典V後、勝ち星から遠ざかっている。凱旋門賞(15着)遠征後の金鯱賞で復調を印象づける追い上げで3着に食い込んだものの、前走の大阪杯では「1回も脚を使わなかった」と池江調教師が振り返るように、見せ場すら作れず7着。実戦で復活の糸口をつかめないまま、この大一番を迎えることになってしまった。
だからこそ中間の気配に注目が集まるが、2週前追い切りを終えた時点では、「まだまだという感じでピリッとしない。菊花賞や有馬記念を勝ったころにはほど遠い。来週、再来週にやってどこまで良くなるか」と、トレーナーから前向きな言葉は聞かれなかった。
しかしながら、14日の1週前追い切り後にややトーンが変わってきた。CWコース3頭併せで6F82秒4、ラスト1F11秒4の好時計をマークし、外シロニイ(古馬1000万下)に2馬身半、内キングディグニティ(古馬500万下)に3馬身半先着。「反応が良かったし、先週よりは良くなっている。だいぶピリッとした感じが出てきた。欲をいえば菊花賞や有馬記念を勝ったときに戻ってほしいが、日数的にも厳しい状況のなか、どこまで近づけるか」とトレーナー。気配は着実に上向いてきたとみていい。
一昨年のクラシック3冠で(3)(2)(1)着。その暮れの有馬記念ではキタサンブラックをゴール寸前でかわしてVを決めた正真正銘のトップホース。ファン投票1位馬はこれまで14頭がその期待に応えているが、今のダイヤモンドに期待されるのも当然Vゴールだけだろう。ファン投票1位に応えるべく、陣営の懸命な仕上げは最終段階を迎える。(夕刊フジ)
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