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伊吹雅也のPOG分析室 ~第4回 注目POG馬ランキング上位馬の近況をレポート~
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夏季競馬が終盤に差し掛かり、各ワールドのランキングも少しずつ明暗が分かれてきました。私の所属しているスペシャルクラスは先月に引き続き柿谷陽介さんが首位を快走中。グランシェリーが7月21日の中京2歳ステークス(2歳オープン・中京芝1400m)を制したほか、既に6頭の指名馬が勝ち上がっています。8月25日の新潟2歳ステークス(2歳GⅢ・新潟芝1600m外回り)、8月31日の札幌2歳ステークス(2歳GⅢ・函館芝1800m)、9月1日の小倉2歳ステークス(2歳GⅢ・小倉芝1200m)あたりが終了すれば、さらに勢力図がハッキリしてくるでしょう。
もっとも、2歳時の夏季競馬で動く賞金の総額は、POG期間全体における賞金総額の1割程度。好スタートを決めるに越したことはありませんが、出遅れたからと言って焦るような時期でもありません。そもそも、ドラフトシーズンに注目を集めた良血馬や評判馬の大半はまだデビューしていないわけですからね。
今回は注目POG馬ランキング(2013/08/12 00:00更新分)で上位にランクインしている馬たちの近況をまとめてみました。ここで取り上げた馬の多くは来春の3歳クラシックを目標にしているはず。優勝争いの趨勢を大きく左右する存在ですし、今後も注意深く見守っていきたいところです。
既にデビューを果たした馬のうち、注目POG馬ランキングの順位がもっとも高いのは6位のオリハルコン(シルヴァースカヤの2011)。初陣となった8月3日の新潟5R(2歳新馬・芝1800m外回り)は残念ながら4着止まりでした。しかし、先着を許した3頭はいずれもこの馬より後ろの位置取りでレースを進めていた馬。ポテンシャルの高さは感じましたし、レースに慣れれば変わってくるでしょう。
11位のエルノルテ(シーズオールエルティッシュの2011)は6月29日の中京5R(2歳新馬・芝1400m)を快勝(→関連記事)。このレースは2着のモズハツコイが既に勝ち上がっているほか、3~6着馬もそれぞれ次走で3着、2着、2着、2着と健闘しています。自分の指名馬である贔屓目を差し引いても(笑)、今後が非常に楽しみです。現在はノーザンファームしがらきに放牧中。夏場は休養に充てる見込みとのことでした。
14位のハープスター(ヒストリックスターの2011)も7月14日の中京5R(2歳新馬・芝1400m)を勝利(→関連記事)。1馬身3/4差の2着だったオウノミチが既に勝ち上がっていますから、レースレベルにも不安はありません。今後は新潟2歳ステークスを目指すとのこと。結果次第では牝馬クラシック戦線の主役に躍り出そうです。
15位のパリーアーク(ムーンライトダンスの2011)は7月28日の函館5R(2歳新馬・芝1800m)で3着。先行した上位2頭を捕らえきれず、単勝1番人気の支持を裏切ってしまいました。もっとも、全兄のムーンリットレイクが勝ち上がったのは3歳の4月になってからですし、まだまだ成長の余地はあるはず。現在はノーザンファーム早来に放牧されているそうで、一息入れたことが吉と出れば楽しみな存在だと思います。
先週8月10日の新潟5R(2歳新馬・芝1600m外回り)では12位のサトノアラジン(マジックストームの2011)がデビュー。余裕たっぷりのレース運びで完勝し話題となりました(→関連記事)。もともと血統や前評判から大きな期待を背負っていた馬とはいえ、緒戦からこれほどのパフォーマンスを披露してくるとは……。狙っていたけれども指名できなかった私としては複雑なところですが、現時点においてはアタマひとつ抜けた存在と言えそうです。
続いて、デビューはしていないもののJRAへの登録が済んでいる馬たちを見ていきましょう。
注目POG馬ランキング1位のレーヴデトワール(レーヴドスカーの2011)、4位のサングレアル(ビワハイジの2011)、7位のボージェスト(アドマイヤグルーヴの2011)は、それぞれ秋のデビューを目指しノーザンファーム早来で調整中(→関連記事)。いずれも牝馬クラシック戦線の中心となり得る評判馬ですし、初陣が待ち遠しいですね。
3位のベルキャニオン(クロウキャニオンの2011)は7月7日に入厩しましたが、もともと秋にデビューということもあって、現在は放牧中。既にゲート試験をクリアするなど、順調に調整が進んでいます(→関連記事)。5位のトーセンスターダム(アドマイヤキラメキの2011)もほぼ同様。こちらは6月29日に函館競馬場へ入厩し、7月12日のゲート試験に合格しました(→関連記事)。さらに、7位のモンドシャルナ(ウインドインハーヘアの2011)は7月5日に栗東トレーニングセンターで行われたゲート試験をパス(→関連記事)。来春の日本ダービーを見据えた2歳牡馬たちの争いも水面下で着々と進行しています。
残念ながら順調さを欠いているのは9位のグレンシーラ(ドナブリーニの2011)。ノーザンファーム空港で調整されていましたが、7月上旬に左前脚の骨折が判明したそうです。現在も軽い運動に止めているとのことで、デビューには少し時間がかかってしまうかもしれません。一方、入厩後に一頓挫あって放牧された10位のオリエンタルポピー(トールポピーの2011)は既に帰厩済み。指名した皆さんも胸をなでおろしていることでしょう。
16位のトゥザワールド(トゥザヴィクトリーの2011)は函館競馬場で行われた6月20日のゲート試験に合格(→関連記事)。17位のテスタメント(ブラックエンブレムの2011)も美浦トレーニングセンターで行われた5月9日のゲート試験に合格しています(→関連記事)。18位のシャドウダンサー(ダンスインザムードの2011)を含め、デビューは秋以降になる模様です。そして、20位のダイワレジェンド(ダイワスカーレットの2011)は8月2日に放牧から帰厩。秋の4回中山でデビュー予定とのコメントが出ました(→関連記事)。
まだJRAに登録されていない馬のうち、注目POG馬ランキング2位のラングレー(ラヴズオンリーミーの2011)はノーザンファームしがらきで調整中(→関連記事)。早めに入厩してゲート試験を受験するプランもあったそうですが、秋の入厩を目指してじっくり調整されています。19位のロザリンド(シーザリオの2011)も順調とのこと。13位のポイントフラッグの2011は馬名すら登録されていませんが、こちらも初陣が楽しみな一頭です。
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(伊吹雅也のPOG分析室は毎月10日頃に更新されます)
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、コピーライター、競馬評論家。的確でわかりやすいデータ分析に定評があり、現在は『JRAホームページ』内「今週の注目レース」で“データ分析”のコーナーを担当しているほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている。競走馬への一口出資やペーパーオーナーゲーム(POG)にも造詣が深く、現4歳世代のPOGでは、参加したすべてのドラフト(いずれも参加者20名以上)においてジェンティルドンナの単独1位指名に成功。現3歳世代も“赤本”こと『POGの達人』(光文社)誌上においてカミノタサハラ、コディーノ、フラムドグロワールらを推奨し、推奨馬の獲得賞金ランキング(皐月賞終了時点)で1位を獲得した。近著に『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。 |
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