第137回中山大障害(20日、中山11R、J・GI、障害3歳上オープン国際、定量、4100メートル=直線芝、1着本賞金6500万円 =出走13頭)4番人気レッドキングダムが中団から最終障害を飛越すると一気にスパート。直線で1番人気アポロマーベリックを並ぶ間もなく抜き去り、3馬身差をつけ、北沢伸也騎手とともにJ・GI初制覇を飾った。父ディープインパクトも産駒のJ・GI初制覇となった。タイム4分41秒0(良)。今後はひと息入れて、来春の中山グランドジャンプでJ・GI完全制覇を目指す。
王者アポロマーベリックを一瞬で抜き去る瞬発力。直線の坂下から怒濤(どとう)の追い込みを決めたディープインパクト産駒のレッドキングダムが、規格外のパフォーマンスでJ・GI獲りに成功した。
「道中は引っ掛かって上手に乗れなかったけど、最終障害を跳んでからもう1度ハミをとってくれた。馬が強かったです」
デビュー25年目で念願のJ・GIを手中に収めた北沢騎手の表情は自然と緩む。スタート直後から前の馬を追いかけて、鞍上が必死になだめる苦しい競馬。肝心の勝負どころでは一瞬、手応えが怪しくなったが、43歳のベテランは懸命に気合をつけて進出を促した。ケガで今も右肩にプレートが入るなど満身創痍(まんしんそうい)だが、諦めずに努力したことが、ようやく報われた。
2009年にレッドディザイアで秋華賞を制している松永幹調教師はJ・GI初勝利。「本当に馬が成長していますね。この後はしっかりと休ませて、春は大きいところを狙っていきたい」と、トレーナーは早くも来年4月18日の中山グランドジャンプ(芝4250メートル)でのJ・GI完全制覇に意欲を見せていた。(片岡良典)
五十嵐騎手(アポロマーベリック2着) 「理想的な競馬ができ、仕掛けどころも間違っていなかったと思う。力を出し切ってくれたが、負けたのは悔しい」
難波騎手(サンレイデューク3着) 「最後は伸びてきただけに、勝負どころで前の2頭に離されたのが痛い。来年は逆転したい」
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レッドキングダム 父ディープインパクト、母プラウドビューティー、母の父デインヒル。鹿毛の牡5歳。栗東・松永幹夫厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(株)東京ホースレーシング。戦績29戦6勝(うち平地16戦0勝、地方5戦2勝)。獲得賞金1億1513万4000円(うち平地764万円、地方73万8000円)。重賞初勝利。中山大障害は松永幹夫調教師、北沢伸也騎手ともに初勝利。馬名の意味は冠名+王国。世代の統治を期待して。