招福ステークス(9日、中山11R、4歳上1600万下、ダ1800メートル、1着本賞金1780万円=出走16頭)先手を奪った9番人気の5歳せん馬ラッシュストリート(栗・岡田、父マーベラスサンデー)が、2番手のコロナグラフを直線半ばで振り切って逃げ切り勝ち。通算4勝目を挙げてオープン入りを決めた。タイム1分53秒2(良)。1番人気エアマックールは8着、2番人気デンコウヤマトは15着と、ともに見せ場はなかった。
叩いて、叩いて、必死に先手を取り切った戦法が功を奏した。「行って欲しいと言われていたし、自分でもそう思っていたが、なかなか行かなくて…。叩いて行きたくなかったが仕方なかった」とテン乗りだった中舘英二騎手が振り返るように、前半の行きっぷりはよくなかった。
しかし、それが結果的には勝利を引き寄せる要因になった。「絶好調ではないと聞いていたし、思い切り走っていなかった。フワフワしていたのが、かえって良かったのかも」。4コーナーはコロナグラフの手応えの方が良かったが、道中で気を抜いていた分、直線は余力が残っていた。
「一緒にレースをしたことがあって、行き切れば頑張れると思っていたけど、こんなに頑張るとは…」と中舘。昨年9月の魚沼Sで1番人気のクリストフォルスに騎乗し、逃げたラッシュの2番手を追走したが、直線で振り切られた苦い経験があった。今回は自らの手綱で、その光景を再現だ。
2歳の12月には、同じ中山ダ千八でスマートファルコンに3/4馬身差2着した実績の持ち主。1年4カ月の休養があり出世が遅れたが、これからブランクを埋めて、ライバルに近づきたい。