競馬の仕事を長く続けていると、色々なことがある。今週は福島で七夕賞。佐々木晶三調教師(67)=栗東=は、2007年にサンバレンティンで勝っているが、「あの日はね…」と思い出を話してくれた。
当日、飛行機で仙台を経由して、福島に向かった。その行程のなか仙台空港に到着後、当日の福島2Rで騎乗予定の後藤浩輝騎手が落馬したという連絡があった。「けがをして微妙ということだった。乗り役をどうしようかと慌てたけど、結局は痛みをこらえて乗ってくれて、見事に勝つことができた。レースの内容より、このことの方が今でも頭に残っている」と振り返る。
もちろんサンバレンティンのことも印象に強く残っている。母アンデスレディーの子どもを多数管理し、8勝した同馬のほかにも半姉オーバーザウォール(5勝、福島記念)、全弟インティライミ(5勝、京都新聞杯など重賞3勝、日本ダービー2着)などが活躍した。
「この血統だけで、数多く勝ってくれたし、本当に感謝している。それにすごいのは、この血はジオグリフ(2022年皐月賞)にもつながっているんだよね」。まさに競馬はブラッドスポーツ。果たして、今年はどんなドラマが生まれるのだろう。(大阪サンスポ・佐藤将美)