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【各馬の前走と妙味】~2017ジャパンカップ~

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【各馬の前走と妙味】~2017ジャパンカップ~ | コラム | ウマニティ



東京芝2400m左回りで行われるジャパンカップ
簡単にレースの特徴を説明したうえで出走馬の前走を踏まえた妙味について書いていきたいと思います。


■レースの特徴■
直線を迎えるとすぐに急坂があり、そのまま長い直線のため瞬発力と持続力を同時に求められるコース。
内をロスなく立ち回ってどれだけスタミナを温存出来るかが鍵となります。
なので内を通りやすい内枠の馬が有利と言えるでしょう。
またどの馬も内を回りたいということもあり、1コーナーまでの距離がそれなりにある東京2400mではメンバー次第でいつも以上に前半のペースがキツくなる可能性があります。
普段キツい逃げに耐えられる馬でも、この舞台で逃げ馬複数の場合は割り引いて考えた方が良さそうです。
レアな状況だった昨年とは異なり、今年は例年通り前走天皇賞(秋)組が多くなかなか穴馬にはありつけないかと思うところですが、前走はこれまた何とも珍しい超道悪の天皇賞(秋)。
このレースを入念に分析することで妙味を得られるとみて間違いないはずです。
馬券とは別に最高獲得賞金更新が掛かっているキタサンブラックや、まだ底が見えないレイデオロと注目する点が多く、かなり楽しめるレースとなるのではないでしょうか。


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■前走の分析■

アイダホ
●前走カナディアンインターナショナル G1 4着 (経由1頭)
直線で内にササってしまい進路変更をするロス。
ムーアの剛腕で追われるも1番人気を裏切る形となった。
時計の掛かる馬場でそれなりに活躍しているが、実は3走前に高速馬場のアメリカ競馬も走っている。
結果は1番人気を裏切り惨敗で、この事から日本競馬への適性はないと言えるだろう。
ここは軽視が妥当。

イキートス
●前走バイエルン大賞 G1 2着 (経由2頭)
4コーナーでかなりの大外を回すロス。
鋭い伸び脚で逃げ馬を追い詰めるが僅かに及ばず。
昨年のジャパンカップは超スローからの瞬発力勝負となったが、上がり2位の脚を繰り出しており日本競馬は合う様子。
直線ほとんど真っすぐ走れていなかったので、末脚を最大限に活かせれば見せ場がありそうだ。

キタサンブラック
●前走天皇賞(秋) G1 1着 (経由9頭)
ゲートのタイミングが合わず出遅れて、直後に滑ってしまう厳しい不利。
前半のロスを挽回するように内を立ち回り、道中スルスルとポジションを上げて先団へ。
4コーナでも手応え良く上がって直線を迎えると、早々に先頭に立ちそのまま最後まで伸びて押し切った。
不利を物ともしない強い競馬ではあったが、非常に状態が良かったので不良馬場での激走も踏まえると前走以上のデキはまず有り得ない。
昨年のジャパンカップは超スローペースからロスのない競馬での勝利で、前走と昨年の戦績から考えると過剰人気になるのは間違いだろう。
特に隙があるわけではないが、絶対的な存在ではないので全幅の信頼は置けない。

ギニョール
●前走バイエルン大賞 G1 1着 (経由2頭)
内をロスなく立ち回りマイペースの逃げ。
直線では早めに引き離してリードを保ち、しぶとく伸びて後続の末脚を封じた。
一緒に出走したイキートスと比べると、ロスがなさすぎる競馬で中身で圧倒的に負けているレース。
逃げ馬だがこのメンバーだと行けない可能性も高く、マイペースでないのなら厳しいのでは?
パワータイプな面からも日本競馬は苦戦を強いられるだろう。
イキートスを数回負かしていることで多少人気になると思うので、切って妙味を見出したい。

サウンズオブアース
●前走京都大賞典 G2 13着 (経由4頭)
スタートから何度か他馬にぶつけられるもすぐに立て直し、外目のコースを選んで中団待機。
4コーナーでは手応えが良さそうだったが、直線伸びずに大敗。
ラストは全く追っていないので最後まで追えば10着くらいは有り得たかと言った感じだろう。
とはいえ大敗には違いなく、どうもドバイシーマクラシックの一戦から状態が戻らないようだ。
昨年のジャパンカップは2着と好走しているので復活に期待したい所だが、この時は非常に状態が良く有馬記念に反動が出てしまったくらいのデキ。
この時ほどには走れそうにはないので、よほど人気がないなら狙ってもだが積極的には…。

サトノクラウン
●前走天皇賞(秋) G1 2着 (経由9頭)
残り300mで前が壁になり内に切り返す不利。
中団の内々で折り合いに専念し、直線は道悪を全く問題にしないパワフルな走りでキタサンブラックを追い詰めるも僅かに及ばなかった。
サトノクラウンの事だけを言うなら直線の不利さえなければ勝てていたかもしれないが、キタサンブラックも出遅れがあったので負けるべくして負けた一戦だったと思う。
しかし天皇賞(秋)はこの馬にとってとても相性の悪かったレースで、力を付けて克服したという事を考えれば酌量の余地がある。
距離を伸ばせばもっと走れるかもしれないし、実際近走の勝利は全て2000mより長い距離で戦績からも信頼しやすい。
道悪の再現さえなれば頭まで十分有り得るだろう。

シャケトラ
●前走天皇賞(秋) G1 15着 (経由9頭)
終始大外に位置し、少し促す形で先団へ。
3コーナーを過ぎたあたりで手応えが怪しくなりズルズルと後退した。
走っても空回りするばかりで進んで行かず、かなり馬場に泣かされたようだ。
馬体も何故か緩かったし、戦績を考慮して目標は有馬記念なのかもしれない。
能力があるのは間違いないので前走を悲観する必要はないが、ここでどこまでやれるかは何とも難しい。
人気がないようなら狙ってみても。

シュヴァルグラン
●前走京都大賞典 G2 3着 (経由4頭)
スタートで挟まれた直後に前に入られ失速する不利。
後方で落ち着いて運び、4コーナー一気のマクリで先団に取り付くも末脚比べで僅かに及ばず。
スタートでの不利とあれだけのマクリをして勝ち馬に近い脚を繰り出しのだから強いレースだった。
昨年のジャパンカップでもかなりのスローペースのなか直線ではまだ後方でしかも大外を回しており、最低でもキタサンブラックと五分の競馬だったと言っていい。
道悪はあまり上手ではないので、良馬場で走ることが出来ればここでも有力。

ソウルスターリング
●前走天皇賞(秋) G1 6着 (経由9頭)
4コーナーでやや窮屈になり失速し、直線も前が狭くなり進路変更をする不利。
やや折り合いを欠きながらも中団の外目でしっかりなだめたが、終始外を回すロスもあり厳しい競馬だった。
桜花賞とは違いそれなりに道悪は走れていたが、それでも良馬場の方が良かっただろうしあれだけスムーズな競馬が出来ずに食らい付いたのだから立派。
強い競馬をしたオークスと同じ舞台なら一気の巻き返しがあっても不思議ではないだろう。

ディサイファ
●前走天皇賞(秋) G1 7着 (経由9頭)
ゲートのタイミングが合わず出遅れる不利。
後方の内でしっかり脚を溜めて、直線最内を突きじりじりと伸びた。
相当ロスなく運べたうえにこの馬は道悪巧者で、正直全てが噛み合った印象。
あれ以上を望むのは酷なので素直に静観したい。

ブームタイム
●前走メルボルンカップ G1 15着 (経由1頭)
スタートの長い直線で一度はハナに立つも、外から勢い良く2頭が飛ばしてきて譲る形。
そのまま逃げ馬を見る形でロスのない競馬を続けたが、直線の末脚比べで早々にスタミナ切れを起こし失速。
さすがにあれだけバタ脚になるということは距離が長すぎるし、同距離のシドニーカップの内容からも適性外なのは明白で前走は度外視出来る敗戦と言っていいだろう。
とりあえず前走はジャパンカップに繋がりそうなレースではないので、注目すべきは2400mを勝利した前々走。
このレースは前残りの競馬だったが、道中もかなりスムーズで、短い直線なら残っても何ら不思議ではない一戦だった。
府中とはあまりにも求められるものが違うし恵まれた感もあるので、2400mでの勝利は参考にしない方が良さそうだ。
さらにもっと大きいマイナスファクターがあり、それはローテーション。
ハーバートパワーステークスからコーフィールドカップを連闘で使い、超スタミナ戦のメルボルンカップを挑んで中2週でジャパンカップなのだから余力がある気が全くしない。
ただでさえ難しい競馬になりそうなのにこの状態では相当厳しいと言えそう。

マカヒキ
●前走天皇賞(秋) G1 5着 (経由9頭)
直線で前が壁になり失速する不利。
後方の外目でゆったり運んでいたが、3コーナーを越えたあたりから手応えが悪くなり追い通しに。
しかし手応えとは裏腹に直線は鋭く追い込んでおり、見せ場十分の競馬だった。
レース映像を見ていると滑っているシーンがあったので、それ故のあの手応えで道悪は上手くないのかもしれない。
それだけ走り辛い中でのレースという事を考えればかなり復調してきたと言っていいだろう。
得意の東京2400mなら完全復活まで期待したい。

ヤマカツエース
●前走天皇賞(秋) G1 11着 (経由9頭)
4コーナーで内から他馬に寄られて外を回す不利。
中団馬群でじっと待機する形でスムーズに回ってきたが、4コーナーでの不利と酷すぎる馬場に泣かされて伸びきれなかった印象。
前走の大崩れでいきなり人気薄になるようなら嬉しいところだ。
大阪杯の一戦からも地力は高いので、まず巻き返してくれるだろう。

ラストインパクト
●前走京都大賞典 G2 6着 (経由4頭)
奇をてらってまさかの逃げの手。
そのまま悠々と直線を迎え追い出すと突き放すような勢いを見せたが、残り200mで脚が鈍った。
相当楽なペースで運んでいたので、あれで掲示板に載れないのならどうしようもない。
さらに今回は一気の相手強化なわけで、さすがに厳しすぎる。

レイデオロ
●前走神戸新聞杯 G2 1着 (経由1頭)
好スタートから好位に位置し、直線半ばで追い出すとあっという間に各馬を置き去りにする強い競馬。
成長して行きっぷりまで良くなっており、かなり隙がなくなってきた。
今年のダービー上位3頭は怪物級で、2着のスワーヴリチャードはダービー後の調整に苦しみながらも、前走全くムチを使わず最後は流しても圧勝する異次元の強さで勝利。
展開はスワーヴリチャードより向いたとは言え、この馬にダービーで勝ったのだからレイデオロも非常に能力が高い。
現役最強に近い馬として強い競馬を見せてくれるだろう。

レインボーライン
●前走天皇賞(秋) G1 3着 (経由9頭)
キタサンブラックの隣できっちり折り合う形。
4コーナーをスムーズに立ち回って直線を迎えると、外に出して鋭い末脚を見せた。
直線で色んな馬に迷惑をかけていたので、その分もあって恵まれたところはある。
しかしかなり道悪が上手いことがわかったので、道悪なら再度見せ場があっても不思議ではないだろう。
前走の着順もあるので良馬場なら切って妙味を見出したい。

ワンアンドオンリー
●前走天皇賞(秋) G1 17着 (経由9頭)
後方の外目で折り合いに苦労しながら追走。
直線でも反応がなく、鞍上も最後は全く追っていなかった。
ピークが過ぎているうえにそこまで道悪も上手ではないので、走る気にならなかったか。
あまりに変わってくれる材料に乏しいので、とりあえず無事に回ってきてくれれば…。

■現時点での注目馬■
キタサンブラックシュヴァルグランソウルスターリングマカヒキレイデオロ

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○執筆者プロフィール
夢月(むつき)
 2013年にウマニティ公認プロ予想家デビュー。レース内容を徹底分析して馬の能力を数値化し、それをベースに走法、血統、トラックバイアス、レース中の不利等変わり身の見込めるファクターを加味して期待値を算出するスタイルで活躍中。


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