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【山崎エリカのG1ナビゲーション】~2017ジャパンカップ~

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【山崎エリカのG1ナビゲーション】~2017ジャパンカップ~ | コラム | ウマニティ



ジャパンCは強い馬が勝つというのは昔の常識。
今は、立ち回りひとつで勝ち負けになる!

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 先週、このコラムでマイルCSは“チャンスボール”と綴りましたが、しっかりと的中できてホッとしています。勝ち馬ペルシアンナイトは大外枠で出脚が悪いなか、外を諦めて後方の内を選択。直線でも詰まらずに馬群を捌いたM・デムーロ騎手の騎乗ぶりは、本当に素晴らしいものがありました。これが木幡兄弟だったら(マイルCS同日の福島最終を始め、ひど過ぎるので名指し(;''∀''))、ただ大外を回して2着か3着。あるいは直線で詰まりまくって馬券に絡めていなかった可能性さえあります。


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 私の考える一流騎手の条件とは、直線で詰まることが少ない騎手。直線で詰まらないようにするためには、どの馬の直後につけるかなど、各馬の動きを読み切る予測力と瞬間的に馬を動かせる技術が必要となります。知力と技術、さらにギャンブルな騎乗をせざるを得ない状況のなかでも、一番リスクの少ない騎乗を選択できる騎手は超一流でしょう。超一流の条件を満たしている現役騎手で、パッと出てくるのは、R・デットーリ騎手とM・デムーロ騎手くらい。

 しかし、最近のM・デムーロ騎手は、騎乗以上にすごいと思うことがあります。それはマイルCSではレッドファルクスを捨ててペルシアンナイトを選択するなど、馬の取捨選択が恐ろしく上手いこと。マイルCSの前哨戦・富士Sで何度か馬場のいい外に出せるタイミングがあったのに、それをやり過ごして馬場の悪い内側に入れて5着に失速したあたりから、M・デムーロ騎手はマイルCSペルシアンナイトに騎乗するに違いないと思っていましたが、本当にそうしました。

 今週もたぶん、天皇賞(秋)でぶっ放したサトノクラウンは捨てて、シュヴァルグランを選択してくると見ていたのですが、物事は順風満帆にはいかないようで、ジャパンCではサトノクラウンに騎乗することに。M・デムーロ騎手自身は、シュヴァルグランに乗りたかったようですが、サトノクラウンに乗る予定だったムーア騎手が、アイダホに乗らなければならなくなったため(オブライエン厩舎の主戦騎手のため)、それまでの堀厩舎への恩義からサトノクラウンに騎乗することになった模様。

 私の予想スタイルは、前走で展開に恵まれて自己ベスト、あるいはそれに準ずる高指数を叩き出した馬というのは、その他の条件が最高だったとしても、基本的に買わないのが予想スタイル。不発率がとても高いからです。3歳馬ならば今年の菊花賞ミッキースワローのように、成長力を加味してヒモに加える場合もありますが、少なからずとも本命にすることはありません。

 そういった観点から、前走の天皇賞(秋)で昨年の香港ヴァーズと同等の高指数を叩き出したサトノクラウンは、ジャパンCでは有馬記念と似たような結果になると見ているのですが…。果たして、M・デムーロ騎手は、「オークスのアドマイヤミヤビからG1レース10回連続3着以内」と騒がれる中で、記録を続行することが出来るのでしょうか? それとも注目度が高い中で、記録が途切れるのでしょうか? 個人的には近年、面白くなくなってきているジャパンCの見物のひとつです。

 面白くなくなってきているジャパンC――。ジャパンCを面白くなくしているのは、やはり一流外国馬の不在でしょう。そんなジャパンCを自ら盛り上げようと、ほぼ毎年、外国馬の調教を見に行っていますが、陣営から飛び出す本音が、シングスピールのように日本で種牡馬入りを目指す目的があるならまだしも、「自国が競馬シ―ズン終わりでレースを使うところがないから」とか「香港へ向けての叩き台」という馬ばかり。

 今年、本気でジャパンCを狙いに来ていたのは・・・
「昨年のジャパンCで優勝馬から0.6秒差と欧州勢で最先着。昨年よりも力をつけているから、もう一度日本に来た」というイキートスだけ。アイダホ率いるオブライエン調教師は、BCデーには毎年のように米国に行っているのに、ジャパンCの共同記者会見で一度も姿を見かけたことがないのだから(私が知る限り)、日本を舐めている…?

 いや、ジャパンCの1着賞金がBCターフとほとんど賞金が変わらないのなら、相手が弱いBCターフに出走しようと考えるのが調教師として懸命でしょう。かつてはジャパンCの賞金は他国と比べて非常識に高額だったこともあり(日本が好景気時に創設)、海外から多くの一流馬を集めることが出来ました。

 しかし、近年は香港も中距離指向が高まり、香港Cや香港ヴァーズも賞金を増額していくなかで、もはやジャパンCの1着賞金3億円は特別な魅力がないのです。しかも、今年、ステークス形式(馬主が賭け金stakeを出し合い、それを集めたstakesを勝者、あるいは事前に定められた入着馬に分配する方法)ではありますが、米国で1着賞金10億円を越えるペガサスワールドCが創設されたとなると、もうジャパンCに海外の一流馬が参戦してくる日が来ないように感じてしまいます。これは日本競馬の未来を考える上で、重大な問題のように感じますが…。

 個人的に米国や香港と賞金増額合戦を繰り返すよりも、今のうちにジャパンCの賞金をドカーンと2倍レベルまで引き上げて、世界の注目かっさらうほうが得策のように思えます。米国や香港にショックを与えて、しっかりと「ターフ大国・日本」を打ち出し、ジャパンCを勝つこと=ホースマンの名誉になれば、長らくジャパンCの安泰が続くでしょう。

 本当にかつてのジャパンCは、凱旋門賞の上位馬、BCターフの上位馬など世界の一流馬が揃って来日し、とても華やかでした。私はパドックで豪州から参戦のホーリックスを引いていたシャラポア似の厩務員さんが美し過ぎて、競馬に注目し、競馬を始めるキッカケにもなったのです。競馬は灰色ネズミのおじさんたちばかりが参加するものではないんだなぁ~と。あっ、もちろん、お気に入りの男子が競馬ファンだったこともあり、競馬をきっかけに近づこうとした邪な考えもありましたけど(笑)。

 また、得体の知れない者同士がレースで競うのため、序盤から激しい攻防が繰り広げられ、レースはほとんど消耗戦。凱旋門賞やBCターフで勝ち負けした馬たちはおつりなく凡退し、そこで能力を出し切れなかった自国最強クラスの馬が勝つか、日本の最強馬が勝つかといったところ。ジャパンCは前走で凱旋門賞やBCターフを勝っていない実績馬ばかりを買えば馬券が当たったので、1995~2000年の6年連続でジャパンCを当てたこともあります。

 しかし、近年はほとんど力関係を把握した日本馬同士の対決になるので、有力各馬がマークしあってのスローペースになることがほとんど。雨の影響を受けて淀みなくレースが流れた昨年こそは、ほぼ実力どおりの結果になったものの、例年は先行馬と内々をロスなく立ち回った馬と、直線で上手く馬群を捌いてきた馬が上位入線しています。

 特に一昨年のジャパンCは、直線団子状態となり、騎手の直線での進路取りの上手さが結果を左右したところがあったのでショックを受けました。このショックは、ジャパンCの格落ち感です。勝ったショウナンパンドラが一番強かったというよりは、直線で詰まる馬が多い中で、池添騎手が一番上手く捌いて勝ったレース。2着も上手く最内に進路を取り、そこから追い通しのラストインパクト&ムーア騎手でした。これは中盤でペースが上がり切らなかったことによるもの。勝ちに行って勝ち切れる馬がいないから、起こったのです。

 今年のジャパンCも良馬場で行われる可能性が高く、逃げ馬も不在。ドイツから参戦するギニョールは、ラビット役をさせられているうちに持久力が強化されて逃げ馬として大成した馬ですが、日本の高速馬場となると逃げられない可能性が高いでしょう。木曜日の共同記者会見では調教師が「日本の競馬はドイツと違い、ペースが速いので中団からレースを進めて4番手から5番手で直線を迎えられればと思っています」とコメントしています。

 そうなるとやはり近年のジャパンCの傾向どおりに、先行馬と内々をロスなく立ち回った馬と、直線で上手く馬群を捌いてきた馬が上位入線する可能性大。さらに前走・天皇賞(秋)で、展開に恵まれて自己ベストレベルまで能力を出し切ったサトノアラジンキタサンブラックを割り引いて考えると、ジャパンCは荒れるしかないという結論になりました。私の本命◎は、大穴です。 


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○執筆者プロフィール
山崎エリカ(やまざき・えりか)
 独自で開発したパワーポイント(指数)を利用した予想がベース。そこに、状態、ローテーション、展開(馬場)、適性などを加味し、その馬にとってベストな条件を見破り実力上位馬との逆転を狙う穴予想が武器。各雑誌、メディアで活躍する傍ら16年9月には最新刊『山崎エリカの逃げ馬必勝ナビゲーション』(ガイドワークス)が発売された。ウマニティでは創設当初の07年より公認プロ予想家として活躍中。

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このコラムへのコメント

decef129b5|2017年11月26日 8:08 ナイス! (0)

いつも拝見して おります。
JCの予想 早めに お願いします。🙏
^o^

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