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●第77回日本ダービーの最終決断
ヴィクトワールピサが2冠馬に輝く。
3月、弥生賞前に3冠を予感させ、1冠めの皐月賞前には、
“勝ち馬は岩田=ヴィクトワールピサをおいてほかにいない”と、
私にいわせたこの馬、皐月賞は期待通りの強さだった。
いや、期待以上といった方がいいかもしれない。
一瞬、唯一危惧していた馬群のごちゃつきに見舞われ、進路を失いかけた次の瞬間、
並ぶ間もなく最内から突き抜ける爆発力を見せてくれたからだ。
あの狭い内ラチすれすれに、迷わず突っ込んでいった岩田の度胸、
ひるまずこの乗り手の指示に従ったヴィクトワールの勝負根性に感服である。
激しい横一列の2着争いの中、瞬時に1馬身半抜けたこの馬は、
その着差そのままに頭抜けていた。
皐月賞に出走した馬たちはもはや敵ではない。
別路線、
青葉賞=ペルーサ、プリンシパルS=ルーラーシップ評価がうなぎのぼりだ。
とりわけ、無敗のペルーサはヴィクトワール以上との見方も多い。
◎をペルーサに打っている方も多いようだ。
でも、私の◎はヴィクトワールピサで揺るがない。
甘く見ないでいただこう。
クラシック本流、王道を歩んでGⅠを制したこの馬の強さを。
GⅡ青葉賞の勝ち時計が、
ダービー史上にあてはめると3番めの速さだろうと、4馬身のぶっちぎりだろうと、
しょせんはトライアル、GⅡでしかない。
本流での激しい戦いのなか、培った力は、トライアル、GⅡクラスとはレベルが違う。
それが証拠に青葉賞の勝ち馬からダービー馬は出ていないだろう。
ここにGⅠとGⅡ以下との格の違いをみることができる。
第77回日本ダービーは、皐月賞馬ヴィクトワールピサが2冠馬となるための舞台。
その強敵がペルーサで、3番手以下となると五指に余る。
アリゼオ、
エイシンフラッシュ、
ゲシュタルト、
ヒルノダムール、
リルダヴァル、
ルーラーシップの中での一番の魅力は、
すっかり人気を落としてしまったリルダヴァル。
強行スケジュールもなんのその、戦列復帰後の最高の状態になっている。
NHKマイルC、ダービーの変則2冠を狙っていたダノンシャンティの取り消しは非常に残念。
いや、出走していれば勝てたかもとの思いからではなく、まったく逆である。
ずばり、1600メートルを日本レコードで走る“ベストマイラー”に、
2400メートルのダービーを勝たれてはたまらない。
そして、レコード快走のあとだけに、その反動が心配ー、
いうところの”危険な人気馬”に見ていたからである。
しかしそれはともかく、あれほどのパフォーマンスを見せてくれ、感動をくれた馬である。
ダノンシャンティの1日でも早い戦列復帰を願い、待ちたい。
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