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日本勢、空前の量と質!史上初の4レース全制覇も視野に
香港競馬最大のイベント、香港国際競走(HKIR=Hong Kong International Races出走馬が23日、香港ジョッキークラブから発表されました。このコラムで今年の日本勢は質量とも史上空前のものとなるとお伝えしていましたが、日本勢は4レースに13頭! 香港でも2階級制覇を目指す年度代表馬、モーリスを総大将に史上初のHKIR全4レース制覇も視野に入る史上最強の顔ぶれです。また、今年は海外レースのサイマル発売が始まり、HKIRもその第4弾として日本でも馬券が楽しめるようになりましたが、42億円を売り上げた凱旋門賞を遥かにしのぐ売上を叩き出すことは確実です。当初、150億円と試算していましたが、この顔ぶれならば200億円突破も夢ではありません。
彼を知り己を知れば百戦危うからず(孫子)――日本でも買えるようになった夢のHKIR、勝利への道は地元馬、そして日本以外の遠征馬の戦力分析と評価にかかっています。今回から本番まで地元、香港馬の戦力分析を中心に連載を続けてまいります。まずは去る20日に行われた香港代表決定戦、HKIRトライアル3競走の結果を数回に分けてお伝えし、直前週には再び香港に入って直前の最新情報をお伝えして参ります。ご期待ください。それではトライアル3レースを個別に振り返って参ります。
1番人気デザインは殿負け! 香港カップに遅咲きの“天才”急浮上
ジョッキークラブ・カップ
昨季の香港馬王(年度代表馬)ワーザーを欠き、9頭立てと寂しい顔ぶれの中、1番人気に押されたのは前走、シャティン・トロフィー(G2・10/23・シャティン・芝1600m)で復活の狼煙をあげた2013/14季の香港馬王、デザインズオンロームでした。距離不適のマイル戦を勝って適距離の2000mに戻ったことで地元、香港の期待を集めました。続いて前走はデザインの2着だった香港中長距離界の大関ともいうべきG1馬、ブレイジングスピードに8歳の古豪ながら鞍上に雷神との異名をとる香港、いや世界の名手、J.モレイラ騎手を初めて迎えたミリタリーアタック、新星のシークレットウエポンと続きました。
香港馬はドバイ遠征の後、現地の暑さと春の祭典、クイーン・エリザベス2世カップまでの間隔が短いからでしょうか、調子を崩すことが多くあります。デザインもその一頭だったのですが、パドックで見たデザインは前進気勢に漲り、前走以上の状態。1着固定の3連単大本命の期待に十分応えてくれる仕上がりに見えました……。
2番人気のブレージングはムラ馬との印象がありますが、こちらも前走以上の仕上がり。追い込み一手のデザインに比べれば、逃げ、先行、差しと自在の脚質は信頼感も高く、ことによっては逆転の印象も。休み明けの古豪、ミリタリーアタックは香港馬にしては小ぶりながら、毛艶も馬体の張りも上々。しかし、8歳の秋と年齢を考えれば、割引必要かというのが率直な印象でした。
さて、こうした既成勢力に待ったとかけようと新興勢力からはシークレットウエポンの出来が最もよく映り、アンティシペーション、イースタンエクスプレスの順と評価しました。
ゲートが開くとヘレンハッピースターが予想通りハナを主張、後続を1馬身半ほど離して軽快に逃げているかに見えましたが、4ハロン通過が51秒ちょうど、6ハロン1分14秒70超スロー(香港の計時は日本と異なって2ハロンづつ。正確な1000m通過は不明ながら1分02秒後半から03秒程度と推定)。これに続いたのがアンティシペーションともう一頭のヘレン、スーパースター。大本命のデザインはフレームヒーローとシークレットを直前において、いつもの通り再後方からの競馬。ブレージングは自在の脚質らしく先行集団と後方の真ん中で抜け出すタイミングを窺う体勢。
先頭から12馬身程度の不動の隊列に動きが出たのは3コーナー過ぎ。流石の超スローペースに堪りかね、デザイン鞍上のK.ティータンが手綱をしごいて香港独特の2列縦隊の外からまくり気味に位置をあげていくと、ペースも上がり始めます。デザインは4コーナーでは大外。10馬身以上の差を4馬身程度まで詰め、ここから本番、香港カップへ王道を駆け抜けようと追い込みを図りますが、鞍上の叱咤には応えられず大外をもがき続けます。そのデザインを外に見て、残り300m馬場の中央から1頭だけ違った足で伸びてきたのがシークレットでした。残り200で逃げ込みを狙ったヘレンハッピースターとこれに並びかけたブレージングをたちまち交わすと出走馬中最速の上りで1馬身半の着差をつけてゴールイン。本番へ香港代表の地位を手にしました。
シークレットに続いたのがやはり後方から直線、デザインの内1頭を衝いた単勝80倍の8番人気、フレームヒーローがこちらも超大金星2着、モレイラを迎えたミリタリーが勝馬の外から伸びて古豪健在を印象付けました。1番人気のデザインは3コーナ残り200まで。そこからは歩くように殿負け、期待に全く応えることはできませんでした。レース後、ティータン騎手を直撃したところ、「出来は悪くなかったが、今日はペースが遅すぎた」と敗戦の弁を語りました。香港カップではモレイラ騎手に乗り替わる予定です。
往年の香港馬王を破って香港カップに名乗りを上げたシークレットウエポンは英国産の6歳セン馬。2013年、イギリスでデビューし2戦1勝の後、香港では14年4月にデビュー。これまで19戦6勝3着4回、ジョッキークラブ・カップの勝利が14年2月、センテナリー・ヴァーズ(G3・シャティン・芝1800m)以来2つ目の重賞制覇となりました。センテナリー・ヴァーズの後は重賞戦線を歩み、モーリスが圧勝したチャンピオンズマイルでは流石に家賃が高くブービー負けを喫しましたが、昨季末にはG3で連続2着と着実に自力強化。シーズンオフの間にパワーアップして、今季はセレブレーション・カップ(G3・10/1・シャティン・芝1400m)8着で始動した後、適距離に戻ったササ・レディーズパース(G3・11/6・シャティン芝1800m)では4着と着順ばかりか着差もしっかり詰めては上昇、大金星をあげました。
この日はデザインの前でレースを進め、3コーナー過ぎでデザインが仕掛けるのを横目に見ても最内で微動だにせず、4コーナー通過時は最後方。直線馬場中央から残り200で突き抜けました。1馬身半の着差は立派というほかなく、中国語馬名の「天才」が本領発揮したといってもいいでしょう。ただ、超スローペースの中、直線勝負にかけてシークレットを香港の総大将に出世させたローウィラー騎手はトライアルの後のハッピーバレー開催で進路妨害から8日間の騎乗処分を受け、本番では乗り替わりになりますが、未だに鞍上未定。トライアル勝ちはローウィラー騎手の大胆な好騎乗によるところが大きいだけに乗り替わりでだれになるのか、この点に注目する必要があります。
2着のフレーム、ミリタリーも超スローの中、後方からの入線。こうした中でデザインが殿負けを喫したのは単にペースだけに敗因を求めることは難しく、親しい地元記者からは「年齢的な衰えが否定できない。本番まで3週間でどこまで立て直してこられるのか。また、本番ではモレイラに手変わりするので、それがどう効果をもたらすか。この2点に注目したいが、自分としては悲観的だ」との声が聞かれました。
次回は香港マイルのトライアル、ジョッキークラブ・マイルを振り返ります。
※次回のコラムは11月28日(月)公開予定になります。
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■甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。
卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、
同台北開設支局長などを務める。中国留学中に香港競馬を初観戦、
94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから
香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を
日本から香港に。香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、
テレビの競馬番組にも出演。現在、新報馬業(『新報馬簿』『新報馬経』)
駐日代表、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。
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