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●桜花賞で14着大負けしたピンクカメオになぜ”V”まである▲を打てたのか!!
NHKマイルCの自慢話をひとつ。
平成19年5月6日、第12回NHKマイルCを迎えたその日、
私はいつも通り東京競馬場のスタンド8階、報道記者席に陣取っていた。
すると、若いアナウンサーがパドックから戻ってきたばかりの私に、こう声をかけてきた。
「鈴木さん、きょう全然当たらないんです。NHKマイルC、教えてくださいよ」
私は即座に、答えた。
「ピンクカメオがすごくよくなってる。これを買いなよ」
と。
でも、若いアナウンサー氏には、私のこの言葉が気に入らなかったらしい。
しばし競馬新聞を覗き込んでいたが、
やおら切り返すように言ったのである。
「全然印がついてないじゃないですか。ほんとにピンクカメオに狙いめがあるんですか」
世の中には失礼というか、無礼きわまりないヤツがいるものである。
自分から私に「教えてください」と声をかけといて、
この台詞(せりふ)はないだろう。
私から言いだしたのではない。
聞かれたから私は「ピンクカメオを」と答えたまで。
もちろん、ピンカメで勝負になるとの感触があればこそだし、
前日のテレビ放送でもピンカメに▲を打ち、
“これこそが穴馬”と推奨してきたばかり。
新聞に印があるとかないとか、
狙いめがあるとかないとか、
そんなことはオレの知ったことかー。
ピンクカメオ。
その前走は牝馬同士の桜花賞14着、
それも勝ち馬から2秒以上も離されていた。
NHKマイルCは牡馬に混じっての、
より厳しい条件下でのレースになるわけで、
アナウンサー氏の「狙いめがあるんですか」もわからぬではないのだが、、、。
このNHKマイルC、まだ3年前の話だから、ご記憶の方も多いと思う。
私の▲ピンクカメオが大外一気の追い込みを決めて、
2着には◎のローレルゲレイロ、
3着には最低18番人気のムラマサノヨートーが飛び込んできて、
⑭→⑩→⑱の3連単は973万9870円の超大穴になった。
むろん、私にムラマサノヨートーに印がつけられようはずがない。
3連単はとうてい当てられなかったが、
8万5620円をつけた馬単は、
“◎○▲注”の馬単ボックス12点買いでドンピシャリ、大ヒットとなった。
自身としても、ピンクカメオの単勝と、
▲から◎の馬単が一番買いたかった馬券、大当たり、大儲けであった。
●サラブレッドは1年を通して”絶好調”ではいられない
書いた通り、桜花賞で14着に惨敗していたピンクカメオをなぜ▲に注目したのか。
その理由は簡単である。
驚くばかりの、桜花賞の14着がウソのような快調教をやってのけたからである。
ちなみに、桜花賞直前の追い切りは、
栗東坂路で52秒6-38秒7-13秒2
対してNHKマイルCは、
美浦坂路で49秒6-37秒3-12秒8であった。
コース、馬場状態もあるので簡単には時計比較できないが、
私には美浦でのピンカメのこの追い切りがうなって走っているように見えた。
いや、実際にうなっていた。
桜花賞から1ヶ月足らずでこんなにもよくなるものかと、
我が目を疑ったくらいである。
ピンクカメオは桜花賞はダメだったけれど、
その前は5戦3勝のれっきとしたオープン馬、
470キロ前後の男馬にも負けない雄大な馬挌、
種牡馬になったGⅠホース・ブラックホークのの下という血統のバックボーンもあって、
早くからその素質を認めていたから、
これだけの快調教を見せつけられて放っておけるものか、▲に飛びついたのである。
おぼえておこう。
サラブレッドは1年を通して絶好調ではいられないってことを。
とりわけ若馬は体調が変動しやすく、
牝馬は消長が激しい。
前走、前々走を好走したからといって、
それをうのみにすると、
とんだ痛い目に遭わされることもしばしば。
逆に、前走で凡退した馬が突如の大駆けをやってのけることも珍しくはない。
前述のピンクカメオのように。
言いたいのは、
馬の能力評価の基本はそれまでの成績に違いないが、
その馬のそのときの体調の見極めも同時にしなければならない。
そして、その見極めの1つの方法が調教なのであるということ。
追い切りを入念にチェックすることによって、
ピンカメのような穴馬に出くわすこともあるし、
逆に人気になるであろう馬が、
本調子を欠いていることに気付くこともある。
さて、そうなると、いかなる調教チェック方法でということになるが、
いささかおしゃべりが過ぎたようである。
このことについての講義(?)は別の機会にさせていただこう。
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