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学生団体うまカレ副代表の金沢ユウダイです。
今週はレパードSを考察します。
新潟ダートの特徴は、とにかくコーナーが急であるということ。ですから、立ち回りの巧いタイプや先行馬が好走しやすいですね。とはいえ、1頭抜けたの先行馬がいると、2,3着には差し・追い込み馬が台頭することもあります。昨年のタマノブリュネットが好例です。このあたりに注目して考察していきたいと思います。
●死角は見当たらない~ケイティブレイブ
兵庫チャンピオンシップで重賞初制覇、ジャパンダートダービーでは2着だったケイティブレイブは、簡潔に言えば、深いダートをグルグル回る競馬が最も合っているタイプ。父アドマイヤマックスは芝の短距離で活躍しましたが、その母ダイナシュートはAlibhaiの血を引くファンシミン牝系で、血統界の中でも屈指のパワーを誇るStrikingの仔ヒッティングアウェー、ノーザンテーストと配された馬ですから、パワーと粘りが特徴と言っても良いタイプ。ケイティブレイブは自身がStrikingの牝系ですからStriking5×6、Ribotも入るので前脚が伸びないゴツゴツした走りで、新潟のコーナーもむしろプラスに働くでしょう。特に死角が見当たりません。
●新潟はマイナスにはならない~グレンツェント
青竜Sを制し、ユニコーンSでは3着だったグレンツェントはKingmamboらしいピッチ走法で内回り1800-2000がベストの中距離馬でしょう。今まで「大外進出」の競馬しか経験していないことが気掛かりですが、新潟1800はマイナスにはなりません。
●内枠なら抑えたい~ネクストムーブ、ピットボス
ある程度の人気が予想されるネクストムーブとピットボスもどちらかというと東京ダ向きにうつります。ネクストムーブは現1000万のナスケンリュウジンの半妹で母母がSeattle Slew≒Hopespringseternal2×3というナスキロとWar AdmiralとLa Troiennneのクロス、そこにフレンチデピュティを配された母ナスケンアイリスで、ダート馬としては柔らかみのある筋肉を持ちます。
ピットボスは目黒記念3着など現OPのプロモントーリオの全弟。3代母がNasrullah4×4、母母父El Basco→母父フレンチデピュティとナスキロを継続交配されていて、父ゴールドヘイローはCaerleonの母、スキャンの母母として有名なForesser(Round Table←Princequillo×Hail to Reason←Royal Cherger≒Nasrullah)の牝系ですからここと脈絡するのでしょう。
どちらも内枠なら抑えておきたい馬です。
●コーナリングは得意ではない~レガーロ
出走馬の中でもレガーロは、特にコーナリングは得意ではないタイプといえます。A.P.Indy≒Charming Lassie2×3(Seattle SlewとLassie Dear)というすごい配合で、完全に大箱向きのストライド走法(だから大井2000mに出走できなかったのは可哀想すぎる)。新潟では辛いでしょう。
●息の長い末脚が武器~マイネルバサラ
マイネルバサラは、シニスターミニスター×サザンヘイローという配合ですが、母系に入るSadler’s WellsとBustedの影響か、息の長い末脚が武器のタイプ。先述した、「強い先行馬に付随してくる差し馬」という点では最もそれらしい馬かもしれません。
●母系のパワーがすごい~グランセブルス
兵庫CSではケイティブレイブの3着だったグランセブルスは、Strikingの牝系にPrivate AccountやWoodmanといったパワーに秀でた馬が配され、母母ピュアオブハートはプレイメイト=Numbered Account2×3、Busanda≒Striking4・5×6・3というすごいクロスを持ちます。このパワー凝縮ですから地方の深いダートは合っていたわけです。
●器用さがある~ラテールプロミーズ
中山の500万を勝ち、鳳雛Sは力負けというより、気持ちが切れてしまったような負け方だったラテールプロミーズは、2年前のレパードS2着のクライスマイルの半弟。マンハッタンカフェに、Halo的な血(本馬の場合はDrone)を持ってきた走る配合で、器用さがあるので新潟コースは向いていそうです。より配合的観点でいうと、ブエナビスタと同じ異系であるドイツのSanta Lucianaを祖とする父マンハッタンカフェ、アストンマーチャンの母である母母ラスリングカプスの母方にも異系のフランス血脈が入っている点が興味深いです。
●大外に持ち出せれば面白い~オーシャンビュー
古馬1000万の清里特別で0.4秒差4着と好走したオーシャンビューは、父マヤノトップガンの配合のキーを継続するFlower Bowl≒Aureole4・5×6、Aureoleという血は馬群を嫌う気性を伝えるので前走も大外に持ち出してから伸びてきました。Millicent≒ボールドリック4×3(Bold RulerとPrincequillo)があるので馬場は渋った方が斬れに磨きがかかるタイプかもしれません。巧く大外に持ち出せれば面白い1頭です。
【まとめ】
・ケイティブレイブの新潟1800はプラス、グレンツェントもマイナスになることはなく、この2頭の力が抜けている。
・コース適性が高そうなのは、母母のパワーがすごいグランセブルスと、器用さがあるラテールプロミーズ。
・マイネルバサラは展開が向けば、オーシャンビューは直線で巧く大外に持ち出せれば面白い。
小倉記念には個人的に贔屓しているアングライフェンが出走します。
アングライフェンは叔父にトランセンドがいる血統(母母シネマスコープ)で、シネマスコープは、父トニービン×母母サニースワップスという配合。このサニースワップスの牝系は近年マイネルラクリマやクロフネサプライズなど活躍馬が出ており、アングライフェンのポイントは、トニービンの4代母CallunaがHyperion×Blandford、サニースワップスの内包するAlycidonがHyperion×Donatelloで、ステイゴールドの内包するノーザンテーストの配合のキーであるLady Angelaを増幅している点にあります。
パワーを増幅した配合なのでピッチ走法で、本来は小回り向きなタイプ。だから東京2000のアメジストSを今冬制した時には本格化を感じたもので、函館記念で◎の予定でした(^^;)
付け加えれば小倉記念は、サンレイジャスパー(父ミスズシャルダン←トニービン)や、ダンスアジョイ(母父トニービン)やニホンピロレガーロ(父アドマイヤベガ)やバトルバニヤン(父ジャングルポケット)やリクエストソング(母父トニービン)やキタサンアミーゴ(母父トニービン)やサトノノブレス(母父トニービン)やクランモンタナ(母父トニービンで、昨年14番人気4着)など、トニービンの血が強いレース(もっといえばケンブリッジレーザやニホンピロキースなどGrey Sovereignが強いともいえる)でもあります。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)
「うまカレ」とは、競馬の魅力を同世代を中心に発信していこう、競馬界を若い力で持ち上げようと、関東の競馬を愛する大学生が集まり6年前に結成された学生団体です。テレビ出演や、フリーペーパー制作など様々な活動をしています。詳しくは以下のブログやSNSをご覧ください。
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金沢ユウダイ
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【ブログ】http://derby6-1.hatenablog.com/
執筆者:うまカレ(MYコロシアム>最新予想にリンク)
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