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3歳牝馬限定の唯一の地方交流重賞となる関東オークス。中央からは500万下の勝ち馬やオープン上位馬に加え、クラッシック路線で結果が出せなかった馬が新味を求めて初ダートで挑んでくることがあります。これを各地区のクラッシック路線馬が迎え撃つ形。過去10年の地方勢の成績は2勝、2着3回、3着6回と1レースに1頭強のレベルで馬券に絡んでいます。これは地方競馬が牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を目的として、2010年からグランダムジャパンを開催するなど、牝馬の番組が充実していることも影響しているでしょう。
実際に中央勢相手に通用した、関東オークス連対の地方馬5頭中4頭、2006年チャームアスリープ(1着)、2009年ツクシヒメ(2着)、2012年アスカリーブル(1着)、2014年トーコーニーケ(2着)などは、現在のグランダムジャパン※の3歳シーズン対象レースのどれか1レースで3着以内だった馬です。チャームアスリープは桜花賞、東京プリンセス賞の連勝馬、ツクシヒメは東京プリンセス賞3着馬、東京プリンセス賞の勝ち馬、トーコーニーケは若草賞、東海クイーンC、のじぎく賞の連勝馬です。
※グランダムジャパン指定レース
桜花賞、若草賞、ル・プランタン賞、東海クイーンC、東京プリンセス賞、留守杯日高賞、のじぎく賞。(概要についてはこちらをご覧ください)
特に、地方では南関東勢が強いこともあり、大井ダ1800mの東京プリンセス賞の上位馬の活躍が目立っていました。特に、今年は東京プリンセス賞の上位馬が牝馬が相手のここではなく、色気を持って東京ダービーに出走したように、牝馬路線のレベルが高いです。
対して関東オークスで連対の中央勢15頭は、前走の兵庫CSで3着以内だった馬が3頭、近2走のオープン特別で5着以内だった馬が6頭、前走クラッシック路線馬が3頭(内初ダートが2頭)、未勝利→500万下連勝馬が2頭。2008年の2着馬プロヴィナージュこそ休養明けの前々走500万下7着、前走500万下Vからの出走でしたが、前走では8馬身差の圧勝でした。前走500万下組を狙うとするならば、そのレベルでないと厳しいということなのでしょう。また、初ダートの馬は確かに2010年のシンメイフジのように勝つこともありますが、昨年のアルビアーノのように断然の人気でぶっ飛ぶことが多いので嫌って妙味でしょう。
さらに、関東オークスは、全頭ともに初距離の2100mになるために、まず、スローペースで2周目の向こう上面でペースアップすることになります。しかし、川崎はコーナーがきついので、どうしても3~4コーナーで緩んでしまい、結果的に前にいる馬や内枠の馬を残らせてしまうことが多いのです。
いや、本当は騎手に技量があれば、いかにきついコーナーでもトップスピードで侵入できますが、それができる騎手は残念ながら数えるほどしかいません。だからこそ、最内で死んだふりから、2周目の3~4コーナーもトップスピードで最内ピッタリを回ったトーコーニーケ(川原正一騎手)は、伝説の騎乗的な言われ方をするのです。つまり、それだけ内ピッタリは難しく、外枠差し馬はトップスピードで外々を回ることになるので、それでアウトになってしまうことが多いということです。
内枠が有利というよりは、外枠の差し馬が不利なのです。実際に、このレースの過去10年で12番枠よりも外から連対したのは2008年のユキチャン(1着)、2011年ピュアオパール(2着)、昨年のホワイトフーガ(1着)と逃げ馬ばかり。唯一、2009年にグレイスティアラが大外ぶん回しで2着と健闘していますが、同馬はダート無敗で2歳時は全日本2歳優駿を、3歳になってからは兵庫CSを勝利しており、本来はこの舞台では負けてはならないレベルの馬でした。逆に言うと、ぶっち切リで強い馬でも大外をぶん回せば2着に敗れてしまうのです。
また、このレースで5番人気以下で連対したのは、2009年ツクシヒメ(2着)、2011年ピュアオパール(2着)、2014年のトーコーニーケ(2着)の3頭。これらがどのような馬だったかというと、ツクシヒメは1番枠、ピュアオパールは逃げ、トーコーニーケは園田の馬で名古屋や園田のクラシック戦線を使われていたのもあるし、騎手が完璧に乗ったのもあります。つまり、穴馬を狙うにあたっては、逃げ馬か内枠ということになります。
●まとめ
・有力馬
地方馬→グランダムジャパンの対象レースのどれかで3着以内かそれに準ずる馬。特に東京プリンセス組に注意。
中央馬→前走の兵庫CSで3着以内だった馬、近2走のオープン特別で5着以内だった馬、未勝利→500万下連勝馬、前走500万下圧勝馬(目安は8馬身くらい)。
・穴馬
逃げ馬、内枠の馬。
・馬券のポイント
初ダートの馬は嫌って妙味。
外枠の差し馬は減点してこそ妙味。
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