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【山崎エリカのダートグレード攻略】~佐賀記念2016~

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【山崎エリカのダートグレード攻略】~佐賀記念2016~ | コラム | ウマニティ

 佐賀競馬では、短距離のサマーチャンピオンと並ぶ二大レースのひとつ佐賀記念。このレースは、川崎記念とフェブラリーSのGIの狭間に行われるため、トップクラスが不在で、レベルが低いように感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は通常の交流G3と大きくレベル差がありません。むしろ、過去にスマートファルコン(2009年)やホッコータルマエ(2013年)がこのレースに出走して圧勝したように、年によってはレベルが高くなる場合もあります。

 前記2頭は、ともに4歳時の出走で、スマートファルコンは、フェブラリーSの前哨戦に出走していなかったことから、強い相手とぶつけて無理させるよりも、それほど強くない相手と戦って成長を促し、ついでに賞金も稼ぐという魂胆が見え隠れしました。また、ホッコータルマエは、前哨戦を勝ちに行って取りこぼし、賞金面からフェブラリーS出走が叶わずにここへ出走したタイプです。つまり、何らかの事情により、フェブラリーSへは向かわず、ここを狙って出走してくる上がり馬の存在により、水準以上のレベルが保たれているのでしょう。

 レースが水準以上となれば、当然、中距離路線の層が厚いJRA勢が優勢、中距離のレース番組が少なく、経験不足の地方勢は劣勢の傾向があります。確かに、2008年には園田所属のチャンストウライが勝利したことがありました。しかし、チャンストウライは前年の帝王賞4着馬で、前走の名古屋GPで3着と中距離の交流重賞でも通用していたほどの馬。地方勢を狙うのであれば、中距離重賞で上位の実績がなければ厳しいものがあります。

 2012年に同じく園田所属のオオエライジンが1番人気に支持されたこともありました。オオエライジンはデビューから地元で10連勝を飾り、初めての重賞挑戦となった前走・兵庫ゴールドT(ダ1400m)で3着と好戦し、"兵庫最強"とまで言われたほどの馬でしたが、このレースでは展開の後押しがありながらも、初距離が応えるかのように最後に失速し、5着に敗れました。よって、地方勢を狙うのであれば、これまでの中距離重賞で3着以内の実績が必須条件となりそうです。

 逆に中央勢はどのようなタイプが有力かというと、最有力はスマートファルコンホッコータルマエのように、前年の古馬相手のGIで3着以内の実績があれば、まず、勝ち負けになります。スマートファルコンは前年のJBCスプリントの2着馬、ホッコータルマエは前年のJCダートの3着馬です。2013年のJBCクラシックで3着のソリタリーキングも、2014-2015年のこのレースで2着に善戦しているように、そこまでの実績馬が出走していれば、このレースでは鉄板級の活躍を見せます。

 しかし、古馬相手のGIで3着以内の実績がある馬が必ず出走してくるとは限りません。実際に今年もそういう実績馬は不出走です。よって、もう少しハードルを下げて見ていくと、近3走以内に中距離重賞勝ちの実績やオープン特別勝ち、前走で準オープン勝ちの実績があればこのレースで通用していました。指数的に見ても交流G3とJRAのオープン特別の決着指数はほぼ互角のものがあるし、準オープンと比較しても大きな差はないので、直前の勢いがあればすぐにでも通用するのでしょう。

 過去10年の勝ち馬で、唯一の例外は、近2走で2桁着順凡退から巻き返した2013年ピイラニハイウェイのみです。ピイラニハイウェイは、遡ればオープン特別で、あのワンダーアキュートを相手に先行押し切りを決めた馬でが、近2走は先行できずに凡退していました。しかし、このレースではそれまでの鬱憤を晴らすかのように、先行策から堂々の勝利を決めました。

 佐賀競馬といえば、1週1100mで直線250mのほとんどコーナーというウルトラ小回りコースとして有名ですが、このためよほどペースが速くならなければ、内々に進路を取ることが出来る逃げ、先行馬が圧倒的有利のコース。よって、ピイラニハイウェイは、前走で今回よりも距離が短いダ1800mの平安S(平安SはかつてのフェブラリーSの前哨戦で、現在は東海S)を使われたことや、相手弱化で先行馬が手薄になったことにより、再び先行押し切りを決めることが出来たのでしょう。

 この年の2着馬タカオノボルもまさにそのパターンで、前走平安S最下位16着凡退から、このレースでは逃げて2着に善戦しています。昨年はダノンカモンが前走チャンピオンズC15着からこのレースでは3着に巻き返しているように、前走東海SやチャンピオンズC大敗からの巻き返しがやたらと目立ちます。前走チャンピオンズC大敗馬は、それまでの実績が評価されてある程度の人気になりますが、東海S組はしばしば穴を開けているので、一発を狙うのであればココということになります。


 まとめるとこうなります!
 ●本命馬→前年の古馬G1で3着以内の実績馬、近3走の交流G3やJRAのオープン特別の勝ち馬。前走準オープンの勝ち馬。
 ●穴馬→前走ダ1800m戦組が穴を開ける傾向にありますが、一番の人気の盲点となるのは東海S組。見つけたら必ずヒモに加えるというスタンスでもいいくらい。


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