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『競馬』という名の推理小説 ~第11話スプリングS(謎解き編)~

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『競馬』という名の推理小説 ~第11話スプリングS(謎解き編)~ | コラム | ウマニティ

第11話 「スプリングS」

まずはいつもの通り近年のラップから。

05年 35.7-36.2-35.4 =1.47.3 ▼4±0±0 平坦戦
06年 36.9-35.6-36.4 =1.48.9 ▼1▼1△3 平坦戦
07年 36.0-36.3-36.7 =1.49.0 ▼2▼3△7 平坦戦
08年 36.3-37.0-35.6 =1.48.9 ▼5▼4△4 瞬発戦
09年 36.6-39.0-35.2 =1.50.8 ▼7▼9△1 瞬発戦

弥生賞の中山20と比べてどう違うの?200m短いだけじゃないの?
と思われるかもしれませんがレース質は結構違います。

中山18コースはゴール手前からスタートし約200mで1コーナーに突入します。
スタートして直ぐに急坂があって隊列もまだ決まっていない状況でコーナーを回ることになるのでレースが落ち着かない可能性が高くなります。
その流れのまま向正面に突入するので「中盤が速く流れがちになります」
中盤が速くなると上がりが掛かるので平坦戦になりやすいということです。
近5年で瞬発戦2回、平坦戦3回というレース傾向が特徴的です。

一方、弥生賞が行われた中山20コースは1コーナーまでの距離が約400mになるためコーナー突入時には隊列がきっちり固まっているので中盤が緩く流れやすくなります。
なのでスプリングSは中盤、弥生賞は上がり、というのが重視されるレース質と言えるでしょう。

分かりやすくグラフにしてみました。
→添付画像その1を参照
これらは各レースの近5年の平均ラップをグラフ化したものです。
スプリングSは皐月賞と中盤が同レベル、弥生賞は上がりが皐月賞と同レベル、となっています。

しかし問題が一つあります。
もしかしたらスプリングSのその傾向は変わりつつあるのかもしれないということです。
ここ2年のスプリングSは中盤が緩み上がり速い瞬発戦になっています。
つまり弥生賞っぽい流れになっているのです。
考えられる要因は
・出走メンバーの質が変わってきた
・逃げ馬の不在
の2点かなと思われます。

1つ目の出走メンバーの変化というのはスピード馬の参加率の減少ということです。
中京12で行われるファルコンSの開催時期が
06年 3月11日
07年 3月10日
08年 3月15日
09年 3月21日
と08年から後半にずれてきているのがもしかしたら要因の一つかもしれません。

2つ目の逃げ馬の不在という点についてですが、前走逃げた馬の頭数は
05年 3頭
06年 2頭
07年 2頭
08年 0頭
09年 1頭
となっています。
09年は1頭いますがそれはトップクリフォードで、逃げたといっても2200mの超スローの流れでした。

さてこの傾向が必然か偶然か、どう判断するのかでピックアップすべき馬が変わってくるかもしれません。
ローズキングダムはもちろん有力ですが中盤が速く流れる平坦戦になればもしかしての取りこぼしも考えられます。
今のところどちらにも対応出来そうなのはサンディエゴシチーという評価です。

おそらくこのレースの謎を解く鍵は「中盤の速さ」になるでしょう。
その流れを作る馬はどの馬か?にも注目でしょうか。


あと、これは予想に関してではないですが皐月賞に向けてになります。
グラフを作ったついでにスプリングSから皐月賞馬となった06年と09年のラップも追加したグラフを作ってみました。
→添付画像その2を参照
面白いのはスプリングSの平均ラップからは双璧を成す2つのレースの勝ち馬が皐月賞でも勝てたということです。

前半&後半は遅いが中盤の速さは皐月賞をも凌ぐほどの06年
前半&中盤は弥生賞よりも遅いが上がりが皐月賞レベルだった09年

スプリングSの平均的な流れのよりもどこかで特化した流れを持つレース経験の方が皐月賞では重要なのかもしれません。


(補足)
「▼4▼2△6」や「平坦戦」などの表記はラップギアを使用しています。
数値などは岡村信将プロより提供して頂いています。
表記の意味などの詳細は岡村信将プロのマイページをご覧下さい。

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