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濃霧注意報~皐月賞(2014年)展望~

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今年の皐月賞
うーん、そうだね。人気上位馬中心に10頭分くらいの単勝を全部買っておけば当たるんじゃないかな♪

濃霧注意報~皐月賞(2014年)展望~ 完



ってな具合に、2~3行で纏めることが出来たらどんなに楽かと思ってしまう今年の皐月賞
群雄割拠という言葉が本当に似合う、有力馬だらけのメンバー構成となっています。

例年ならば、2歳の年末までにおぼろげながら勢力図が見えてきて、
きさらぎ賞共同通信杯辺りで新たな勢力が生まれ、3月のトライアルで両者が潰し合い、やっと主役が決まる。
……というパターンが多いのですが、今年はきさらぎ賞の勝ち馬トーセンスターダムと、
共同通信杯の勝ち馬イスラボニータが共に本番に直行するというローテを選択。
これにより、3月のトライアルでも潰し合いらしい潰し合いが見られずに、新たな主役候補が量産される結果に。
しかも、どのトライアルも例年以上にレベルが高く、能力比較は非常に困難。
ハープスター1強ムードだった先週の桜花賞とは対照的に、人によって物凄く印がバラけそうな予感がします。

こんなレースはコラムを書く上でも非常に悩むのですが、ここは素直に主要レースの好走馬に触れてみましょう。



まずは、東スポ杯2歳S、共同通信杯と重賞2連勝中のイスラボニータ
ハープスターに差された新潟2歳Sが唯一の敗戦という、素晴らしく安定した成績を残しています。
ですが、ここまでに経験があるのは、東京と新潟という広々とした左回りのコースのみ。
今回の舞台である中山とはまるで違う適性を求められる舞台です。
血統を見ても、父フジキセキ、母父コジーン、母母父クラフティプロスペクターと、スピードの勝った血がずらり。
個人的にはマイラーという印象が強く、泥臭いスタミナや底力を要す中山2000mに合うというイメージは湧きません。
初の右回りに上手く対応出来るかという点も含め、今回最も取捨に悩む馬だと思います。
これで調教の動きがイマイチなら思い切って消し!という手もあったのですが、最終追い切りの動きは文句なし。
状態面に関しては共同通信杯以上と言えそうです。うぅ、悩ましい……。

続いて、きさらぎ賞を制し、無敗のままで本番に挑んでくるトーセンスターダム
ここまでの3戦は全て小頭数な上、2着馬とはいつもタイム差なしの接戦。
今回の他の有力馬との対戦歴もないため、能力の測りづらさだけ見れば1、2位を争うのではないでしょうか。
天皇賞馬トーセンジョーダン&ダービー3着馬トーセンホマレボシ兄弟が近親にいるという、
上昇を始めれば一気に頂点を狙えそうな血統の持ち主ではありますが、
本馬の半姉ラシンティランテが、明らかに平坦コース>急坂コースという適性を示しているのは不安。
本馬はここまで平坦の京都しか走っていないため、適性に関しては何とも言えない部分がありますが、
姉同様の適性を持っているならば、急坂のある中山でパフォーマンスを落としてしまう可能性がありそうです。
きさらぎ賞のレースレベル自体は近年の中でもかなり高い部類なだけに、同じだけ走れれば好勝負なのですが……。

上記2頭の不安点である中山コースであっさり勝ち切ったのが、弥生賞馬トゥザワールド
デビュー戦こそバンドワゴンに離されましたが、その後は一気の4連勝。こちらも間違いなく主役候補と言えます。
4つの勝ち星の中でも評価すべきはやはり前走の弥生賞。
前の馬に重圧を与え、レース中盤からラップが殆ど緩まないシビアな流れを作り出し、
その中を早め先頭で押し切るという、見た目以上に強い内容でした。
終始外を回る形になりながら、最終コーナーで一気に位置取りを押し上げたように、中山向きの機動力も持っています。
ただ、更に頭数が増える今回、8枠17番という外枠を引いてしまったのはやはり不安。
前走以上に強い馬が集まった中、またしても終始ロスのある競馬を強いられる可能性があるというのはマイナスでしょう。
また、母トゥザヴィクトリー、全兄トゥザグローリーが共に古馬になってから本格化したというのも地味に気になる点。
3歳春の時点でG1、しかも多頭数の外枠から勝ち切るようならば、今後がかなり楽しみになりますが……結果はいかに。

このトゥザワールドを、弥生賞でハナ差まで追い詰めたのがワンアンドオンリー
2歳時にラジオNIKKEI杯を勝ってはいるものの、そのレースレベルからあまり評価はしていませんでしたが、
3歳初戦でいきなりパフォーマンスを跳ね上げてきました。
2歳時は調教で全く目立つことのない馬だったはずですが、前走時も今回の追い切りでも坂路で好時計をマーク。
+10kgの馬体重だった前走であれだけ走れたという点からも、文字通り"実が入ってきた"印象があります。
先日のドバイDFを圧勝したジャスタウェイや、クラシック出走時のウインバリアシオンの走りからも、
ハーツクライ産駒の覚醒は突然且つ強大。同じ血を持つ本馬も似た軌跡を描く可能性はあるでしょう。
元々当レースはハーツクライのような重厚な血統の底力が生きる傾向がありますし、
再度直線で見せ場を作ってきても驚けません。

弥生賞に負けないくらいの重要ステップであるスプリングSを制したのはロサギガンティア
2歳時はそれほど目立つ存在ではありませんでしたが、年が明けると突如の覚醒。
2走前の条件戦では致命的な不利をものともせずに差し切り、ついには重賞タイトルまで射止めてしまいました。
時計の掛かる馬場だったことを考えると、スプリングSの時計はかなり優秀。
勝負どころにおける手応えの楽さは非常に目を引きましたし、今回のメンバーに混じっても見劣りすることはなさそうです。
イスラボニータと同じフジキセキ産駒ですが、本馬の母系はドイツやイタリア、フランスといった欧州と縁のある血統。
この影響が強いのか、あまり父の産駒らしい軽さは感じず……その分中山への適性は高そうです。
ただ、藤澤厩舎らしい馬なり中心の調整を続けられているためか、前走からの大きな上積みは感じず。
他陣営の本気モードの仕上げに対して、実戦でどこまでやり合えるかが鍵となります。

スプリングSで2着だったのは、昨年の2歳王者アジアエクスプレス
ロサギガンティアには離されたものの、最後までしぶとく伸びて2着を確保。休み明けとしては上々の内容でした。
血統だけ見ると未だにダート馬にしか見えないのですが、朝日杯、スプリングSと、
2戦続けてハイレベルな芝の走りを見せつけられれば、もうその力を認めないわけにはいきません。
ただ、ワンアンドオンリーの項でも触れたように、当レースで生きるのはスタミナや底力に優れた重厚な血。
本馬のような米国色の濃いパワー型の血統馬というのは、やはりレースのイメージからはズレてしまいます。
決して距離延長がプラスとは言えない血統でもあるので、ロスが大きくなる外枠も少しマイナスかも。

OP特別とは言え、侮れないレベルにあった若葉Sを制したのはアドマイヤデウス
ここまでの6戦、連対を果たしているのは全て内回りやローカルの小回りコース。
逆に広々とした京都の外回りコースでは思ったほどの脚が使えておらず、
跳びが大きく見える割に小回りの方が圧倒的に合う不思議な馬という印象です。
中山は本馬の得意とするコース形態に近いですし、適性面では全く問題なさそう。
アドマイヤドンは朝日杯の勝ち馬ですし、近親のアドマイヤフジは中山金杯の勝ち馬。
血統面での舞台適性も高そうで、人気薄でも侮れない存在になるのでは。

若葉Sではアドマイヤデウスの末脚に屈したものの、未だに馬券圏外になったことのないウインフルブルーム
朝日杯やシンザンSにおける走りを思えば少々物足りない結果ではありましたが、
脚質の近かったバンドワゴンが回避したことで、本馬がレースの流れを作る可能性が出てきました。
最初から最後まで逃げに徹したのは昨年11月の千両賞だけですが、この時は後続に付け入る隙を与えない圧勝。
2~4着の馬達がその後に重賞で好走していることからも、本馬の能力の高さが窺い知れます。
今回は大外枠を引いていますし、鞍上の柴田大地騎手も積極的な競馬が似合うタイプ。
千両賞のようにレースを完全に掌握することが出来れば、巻き返しがあってもおかしくはなさそうです。
ですが、本馬の母や兄の戦績も併せて見てみると、距離に関しては1800mが一つの境目という印象。
再度の2000mで直線まで脚を残せるかが鍵となりそうです。

穴っぽい馬も挙げておきましょう。まずはスプリングS3着のクラリティシチー
デビュー戦以降はなかなか勝ち切れないでいるものの、重賞級の能力を持つのは既に証明済み。
東スポ杯2歳Sでは好位組が上位を占めるところを後方から追い込む形になったり、
ホープフルSとスプリングSでは内をロスなく立ち回った馬が上位に来るところを大外からマクってみたり、
レースの流れと自身の走り、戦法がことごとく噛み合わないという不運な面があります。
こうした面を単純に弱さと捉えるか、ハマりさえすれば巻き返せると見るかは評価の分かれるところ。
今回はロスなく運べそうな枠を引いていますし、上手く立ち回れれば面白そうな気も。

クラリティシチー同様、なかなか勝ち切れないでいるベルキャニオンも一発の香り。
前走のスプリングSで初めて連対を外す形となりましたが、この週は馬場が妙に重く、
ディープインパクト産駒の最大の武器である瞬発力が削がれる状態にありました。
ですが、馬場の整備によるものか、はたまた天候によるものか、先週辺りから馬場はまた軽めに。
金曜日に雨の予報が出ているため、土日の馬場がどのような性格を持つかはかなり不透明な部分がありますが、
もし先週同等かそれ以上に軽い馬場になるようであれば、本馬の切れ味が生きる可能性があるはずです。



うわー……我ながら長いわー……。
10頭も挙げてしまうとこうなるのも仕方なしですよね。
私としては今回挙げた馬の中に勝ち馬が居ると睨んでいますが、ここから先の絞り込みが本当にキツそうです。
果たして、発走までにしっかりとした結論を出せるのかどうか……。
絞り切れなくて現実逃避する自分の姿が目に浮かびます。
で、最終的に考えることを止めて、こう言うんですよ。

「人気上位馬中心に10頭分くらいの単勝を全部買っておけば当たるんじゃないかな♪」

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