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【鈴木和幸】鈴木和幸「天皇賞の重み、そして思い出」

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 あれからどれだけの月日がたち、どれだけの天皇賞を見てきたのだろう。私が初めて見た天皇賞は、いまでもその名をはっきりと憶えているのだが、コレヒデという馬が逃げ切り、2着にハツライオー、3着にグレートヨルカだった。調べてみるとそれは昭和41年のこと。当時、私はまだ大学生で友達と連れ立って東京競馬場に行ったその時には、まさか競馬の世界に飛び込むとは思いもしなかった。いわんや、プロの競馬記者、予想家になるなんて、、、。

 もちろん、このころの天皇賞は春も秋も3200メートル、秋の天皇賞が2000メートルに距離変更されたのはそれから18年後の昭和59年のことである。すでに日刊ゲンダイの記者をしていた私は本紙予想を任され、ミスターシービーに◎を打ったのをいまも鮮明に記憶している。みごと私の期待に応えてくれたミスターシービー、鞍上がいまは亡き我が友・吉永正人ということもあって忘れられない名馬である。

 第140回の天皇賞(秋)、いまはどの馬に◎を打つか、打とうかまったく決まっていない。昨年はかなり早い時期からダイワスカーレット◎が決まっていて、レースを待つだけの心境だったのに。正直、今年は難しい。

 一つ、天皇賞(秋)の予想の自慢話をさせていただこう。いまから5年前の平成16年、第130回の天皇賞である。1番人気はゼンノロブロイ、私も自信を持って◎を打った。でも、これじゃゼンノが勝ったからといって自慢にもなにもならない。ちょっぴり威張らせていただきたいのは、13番人気の低い評価だった当時3歳牝馬のダンスインザムードを特注馬に取り上げたこと。このダンスが3番手追走から直線粘りこんで2着、ゼンノとの馬単⑬→④は1万2240円もつけたのだ。3歳牝馬同士の秋華賞で4着に負けていたこの馬を牡馬、それも古馬に混じっての天皇賞で特注馬に取り上げられたのは、もともとその素質を高く買い、休み明けの秋華賞が4着ながら4角先頭と見せ場たっぷり、そして、3歳牝馬ということで54キロで出られる有利さがあったからである。

 ダンスインザムードには苦いというか、悔しい思い出もある。その翌年の天皇賞で今度は◎を打ったのだが、一瞬先頭に立ちながらヘヴンリーロマンスゼンノロブロイに差し込まれての3着。この差がアタマ+クビでしかなかったし、この年もまた13番人気と評価が低かっただけに本当に悔しかった。ちなみにこの勝ち馬ヘヴンリーはダンス以上に人気がなく、単勝7580円、2着ゼンノ、3着ダンスとの3連単は夢の100万馬券、122万6130円だったのである。せめて、自分の◎○のダンス、ゼンノのワイド馬券(2290円)でも買っておけば、少しは悔しさもまぎれただろうに。970円のダンスの複勝でもよかったか。

 今年はこのダンスインザムードのような思い入れのある馬はいない。昨年のダイワスカーレットのように自信のある馬の出走もない。ウオッカに春の安田記念やダービーのときのような感触があるのなら、それこそ自信を持って◎を打てるのだが、現時点では◎候補の一頭にとどまっている。
 

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