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鈴木和幸のGI全馬追い切り診断 ~桜花賞~

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●第71回桜花賞(GⅠ)追い切り診断

・ウッドシップ     
4月6日 美浦W 
82秒5-66秒8-52秒8-39秒3-13秒3 馬なり
    
時計、動きともに平凡、前2戦の11、12着からの変わり身はまったく見られない。

 
エーシンハーバー 
4月6日 栗東W 
85秒6ー67秒5-52秒6-38秒2-11秒6 馬なり
    
調教駆けし、上がり中心だったといっても、追ったところなしでラスト1F11秒6なら絶好調は疑う余地がない。むろん、この瞬発力は前半からの折り合いがよかったからで、手綱を取った武豊もすっかりこの馬を手の内に入れたようだ。3度めとなる今回はその意味でも期待が高まるが、いずれにしても前走以上は間違いない。

 
・カフェヒミコ     
4月6日 美浦P 
81秒3-64秒9-50秒0-36秒7-12秒3 G強め
    
3ヶ月ぶりだったフィリーズレビューはまだ仕上げ途上だったのだろう、最終追い切りでもラスト1F13秒4もかかっていた。その点、今回は全体、上がりともに大幅に時計短縮し、動きにも軽快さが戻ってきた。ずばり、胸を張れるデキだが、ダートでしか勝っていないことが問題となろう。

 
サクラベル      
4月6日 栗東坂        
53秒2-38秒2-24秒5-11秒9 馬なり 
    
時計的には合格、動きも力強い、体調に問題はあるまい。しかし、前走のしんがり負けでわかるように、この馬は走るときと走らないときに差がありすぎて、体調だけでは推しは測れない気性の難しさがある。右側だけにチークピーシーズをつけての追い切りは、右へ右へともたれるからだろうが、馬が元気いっぱいだからといって油断はできない。

 
スピードリッパー   
4月6日 美浦坂        
53秒2-38秒8-計 不ー12秒7 馬なり
    
3頭併せの大外で引っ張り切れないほどの勢い、かといって気負いこんでいるわけではなく、この馬としては理想的な追い切りができた。前走で6キロ減っていた馬体もふっくらと回復、阪神への輸送で体重を減らさず、プラス体重で出られれば、首位争いまであっていい。   

 
ダンスファンタジア 4月6日 美浦坂        
51秒4-37秒8-24秒6-12秒2 馬なり
    
先行する同厩舎の3頭を見ながら13秒6、13秒2のペース、鞍上・横山典との呼吸もぴったりで、流れるように軽快な行きっぷり。残り1Fにさしかかると自らハミをとり、内から追ったところなしで3頭の前に出た。少しでも追えばぶっちぎりを演じ、ラスト1Fも12秒を切ったと思える脚勢だった。それと落ち着き払い、力んだところがひとつもなかったのも好印象、これまでの最高の動きのよさ、全能力を発揮できる精神状態である。あとは阪神への長距離輸送をクリアするだけ。

 
デルマドゥルガー  4月6日 美浦W        
68秒0-52秒5-38秒3-12秒5 直強め
    
先週に6Fからビシッとやってあるので今週はまったくの上がり中心。だから時計の平凡さは気にしなくていいが、動きまで平凡だった。いつものこととはいえ、姿勢の高いフォームだからスピード感も伝わってこず、プラスアルファはない。

 
トレンドハンター   
4月6日 栗東W 
81秒0-66秒2-51秒6-38秒1-11秒8 馬なり
    
2戦めから前走のフラワーCまで3連勝、しかし、今回は中1週の強行スケジュール、疲れが心配されて当然である。それだけに注目された今週の追い切りだが、Cウッドで3頭併せを敢行、後ろから追いかけて最先着だから、疲れなしどころか前走以上である。G前一気に突き抜けた脚は1F11秒8の速さ、相手2頭が止まって見えたし、ピカピカの馬体こそが絶好調の何よりの証し。これ以上は望めまい。

 
・ハブルパブル    
4月6日 栗東坂         
51秒7-38秒2-25秒5-13秒0 仕掛け
    
道中を12秒台で飛ばしたとはいっても、直線で仕掛けられての伸び、反応がイマイチだった。中1週でこれだけやれればとの見方もあろうが、それでもこれまで以上はない。

 
フォーエバーマーク 
4月6日 美浦P               
53秒3-38秒7-11秒8 馬なり
    
ラスト1F11秒8をマークしたが、4Fの短めで前半が15-15と遅かっただけにあまり評価できない。ただ、それでも前走前との比較では時計を大幅に短縮しており、体調上向きは間違いのないところである。からまつ賞を勝ったときのように単騎マイペースで逃げられたとき、この好調子が活きる。

 
フレンチカクタス   
4月6日 栗東坂        
52秒8-37秒7-25秒1-12秒7 馬なり
    
レース間隔が3週間と短く、疲労残りが気がかりだったが中間軽めながら3本の時計がだせ、その不安を一掃したかに見える。しかし、今週はいつも以上に頭の高いフォームに見え、フットワークもブレ気味、鋭さはこれっぽっちもなし。時計的にはこれで十分だが、果たして前走時のデキにあるかどうかの疑問が残る。


ホエールキャプチャ 
4月6日 栗東坂        
51秒6-37秒3-23秒8-11秒7 G強め
    
坂路で52秒0ー37秒秒6をマークした先週の1週前追い切りを見たとき、クイーンC勝ち後の順調さを感じたが、今週はさらなる良化ありあり。鞍上・池添が軽くG前で手を動かしただけなのに、別掲の好タイム、とりわけしまいの2Fが23秒6、11秒7の速さ。これで余力たっぷりなのだから驚かされた。蹴り上げたチップが遠くまで飛び、鋭さに加えて力強さまででてきたとなれば、まさしく鬼に金棒。栗東に早めに入厩して、これまでの最高の状態で大一番を迎えられる。

 
・マイネショコラーデ  
4月6日 栗東W 
81秒8-66秒3-51秒3-37秒7ー12秒3 一杯追
    
4コーナーを抜群の手ごたえで回りながら、いざ追い出されてからの伸びは案外、フットワークが乱れぎみだったし、体を持て余ししているようにも見えた。7ヵ月半の長い休み明けをひとたたきされたが、まだ復調に手間どっている。

 
マルセリーナ     
4月6日 栗東W 
81秒5-65秒8-51秒6-38秒1-11秒7 直強め
    
2月5日のエルフィンSを勝った後も休みなく乗り込まれ、Cウッド、坂路で時計7本、先週にはウッドでラスト1F11秒2の切れ味をみせた。今週はもう強く追う必要がないとの判断から6Fからの併せ馬も15秒7、14秒2のゆったりペース。直線も強めに追っただけだが、この反応がすばらしく、アッという間に併走馬を2馬身置き去りにしてしまった。それもそのはず、またまたラスト1Fは11秒台の速さだったのだから。たっぷりレース間隔をとっての仕上げ直しに成功、前走を上回るデキでの本番だ。

 
・マルモセーラ     
4月6日 栗東W 
82秒8-66秒3-51秒1-38秒0-12秒3 一杯追
   
3ヶ月半の休み明け、当初予定していたフィリーズレビューはトモをひねったために回避することになり、必ずしも順調ではない。今週はいっぱいに追い切って併走3馬身の先着だが、まだ太めに映る馬体、スッと反応できなかったところにブランク明けが感じられた。

 
・メデタシ        
4月6日 栗東坂         
49秒7-36秒5-24秒3-12秒3 仕掛け
    
トライアルのチューリップ賞3着で権利をとった。このころから体調は上向きだったのだろう、3月31日の時点で前走時をしのぐ52秒8-38秒4、そして今週がアッと驚く坂路4F49秒7-36秒5だ。しかも軽く仕掛けた程度、余力残しだから二度驚く。前走から1ヶ月以上の時間があったおかげで8キロ減った馬体もすっかり回復、ひと回り大きく見せるまでになった。惑星の存在から主役が張れるほどの急上昇と見る。  

 
ライステラス     
4月6日 栗東坂         
54秒0-37秒8-24秒5-12秒1 G強め
    
テンを16秒2に控え、3Fから13秒2にピッチをあげた。G前軽く追われると一直線に伸び、ラストの200メートルを12秒1で駆け抜けた。前走時と比べて全体時計はほとんど変わらないものの、しまい1Fは1秒以上も速く、先月30日には51秒9-36秒9の速い時計もでている、ここに良化のあとがはっきり。目の上のタンコブ・レーヴディソールがいなくなり、これだけの変わり身となると、V候補の1頭に数えなければなるまい。

 
・ラテアート       
4月5日 美浦坂         
51秒4-37秒8-25秒2ー13秒1 G強め
   
やや頭が高く、強めに追われての伸びも平凡、ラスト1F13秒1の数字そのままにこれといった変わり身はなかった。前2戦の成績も物足りず、それで良化がないようでは…


鈴木和幸

競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。

日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。

著書に
「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)など多数。

鈴木和幸公式ブログ では週末レースの推奨馬などを無料公開!
http://blog.livedoor.jp/suzuki_keiba/

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