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【山崎エリカのダートグレード攻略】~東京スプリント2023~

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【山崎エリカのダートグレード攻略】~東京スプリント2023~ | コラム | ウマニティ

 大井1200mで行われる東京スプリントは、過去10年で地方馬は2勝を挙げ、2着3回、3着5回と健闘が目立っている。特に2017年以降はその勢いが顕著で、2019年のキタサンミカヅキ(船橋)の優勝を始め、5年連続で地方馬が3着以内に入っており、古馬のダートグレード競走の中では、もっとも地方馬が活躍している。スプリント路線は以前から地方馬が度々活躍を見せていたが、2019年度のJRA降級制度の廃止が、地方競馬の底上げに繋がったと言える。

 最初にこのレースの最有力馬から紹介すると、前年暮れのカペラSか同年の根岸Sのどちらかで3着以内の馬だ。ただし、2020年に根岸Sから直行したコパノキッキングが5着に敗れていることから、カペラS根岸Sから直行ではないことを条件としたい。それらの過去10年の成績は【2・4・0・0】。1着の該当馬は、2014年のノーザンリバー、2019年のキタサンミカヅキ。2着の該当馬は、2013年のセイクリムズン、2016年のグレープブランデー、2019年のコパノキッキング、2022年のリュウノユキナである。

 また同年のJRAの3勝クラスやオープン、リステッドを制した新興勢力も、カペラS根岸Sの上位馬に見劣りしない活躍を見せている。しかし、2016年にJRAのオープンを2連勝したブルドックボスが、2番人気を裏切り、4着に敗れていることから闇雲には狙えない。そこで「同年に3勝クラス以上で2勝以上」「一度は0.5秒差以上で勝利」という2つの条件を加えると、過去10年の成績は【2・0・1・0】となる。1着の該当馬は、2020年のジャスティン、2021年のリュウノユキナ。3着の該当馬は、2019年のヒロシゲゴールドである。

 さらに前年のJBCスプリントで3着以内の実績で、前走の黒船賞でも1着と順調さを欠かなかった馬も有力。「前年のJBCスプリントで3着以内」と「前走の黒船賞で1着」の条件を満たしていた馬の過去10年の成績は【0・2・1・0】である。2着の該当馬は、2013年-2014年のセイクリムズン、3着の該当馬は2016年のダノンレジェンドだ。また2012年の優勝馬セイクリムズンも前記の条件を満たしている。

 その他、前年の東京盃で3着以内だった、いわゆる大井1200m巧者もなかなかの活躍を見せており、過去10年の成績は【1・1・3・1】。1着の該当馬は、2019年のキタサンミカヅキ。2着の該当馬は、2013年のセイクセイクリムズン、2022年のリュウノユキナ。3着の該当馬は、2015年のノーザンリバー、2016年のダノンレジェンド。2020年のコパノキッキングこそ5着に敗れているが、基本的には信頼できる。

 あとは東京スプリントは時期的に軽い馬場で行われることが多く、逃げ、先行馬の活躍が目立っている。このためタフな馬場の高知・黒船賞で、スピードを見せていた馬が顕著に活躍。前走の黒船賞で3角2番手以内から1.1秒差以内に粘った馬の、過去10年の成績は【2・1・1・0】である。1着の該当馬は、2015年のダノンレジェンド、2018年のグレイスフルリープ。2着の該当馬は、2014年のセイクリムズン。3着の該当馬は、2016年のダノンレジェンド。また2012年の優勝馬セイクリムズンも前記の条件を満たしている。

 今度は地方所属の有力馬を紹介すると、前年の習志野きらっとスプリントの連対馬である。前年の習志野きらっとスプリントの優勝以降、勝ち星がなかった2015年のルックスザットキルこそ5着に敗れているが、前年の習志野きらっとスプリント以降、ダートグレード競走か南関東の重賞で勝利していた馬は活躍している。それらの過去10年の成績は【1・0・1・0】で、1着の該当馬は2013年のラブミーチャン、3着の該当馬は2021年のキャンドルグラスである。出走回数は少な目だが、人気以上の走りを見せてくるので覚えておきたい。


 最後に穴馬候補を紹介しよう。最大の穴は2014年のアルゴリズム(10番人気)や2022年にギシギシ(7番人気)が3着に入り、3連単の波乱の立役者となったように、ダートグレードで実績がない南関東所属馬である。また2020年は2着にサブノジュニア(5番人気)、3着にキャンドルグラス(7番人気)が食い込み、3連単8万5160円の高配当決着となったが、当時の2頭もダートグレードで実績がなかった。

 アルゴリズムは中央からの移籍初戦、ギシギシは条件馬の立場でダートグレードどころか、南関東の重賞にすら出走したことがなかったが、サブノジュニアやキャンドルグラス、遡って2012年に7番人気で3着に入ったスターボードは、前々走の南関東所属馬の1000m~1200mの重賞3着以内か、準重賞で2着以内馬という条件を満たしていた。

 このレースは2014年のジェネラルグラント(3番人気)や昨年のベストマッチョ(2番人気)のように、大井1400mのフジノウェーブ記念の連対馬が人気に支持されることが多い。しかし、それらは人気を裏切ることが多く、前走のフジノウェーブ記念で3着以下に敗れているか、前走で相手弱化の条件戦を使っている馬のほうが活躍を見せている。

 2020年のサブノジュニアは前走のフジノウェーブ記念4着、キャンドルグラスは前走のフジノウェーブ記念8着からの巻き返しだった。キャンドルグラスは前年のこのレースでは、前走のフジノウェーブ記念2着後で9着とドボンしているが、翌年はフジノウェーブ記念大敗から巻き返している。サブノジュニアは2019年の東京スプリントでも2着と好走しているが、この時も前走フジノウェーブ記念4着からの巻き返しである。

 つまり、前走のフジノウェーヴ記念で4着以下に敗れている前年の東京スプリント以降のダートグレードで3着以内の実績がある馬や前々走の1000m~1200mの南関東重賞で3着以内か、準重賞で2着以内の地方馬が穴馬ということになる。


 まとめるとこうなる!

 ●本命候補
 ・前年のカペラSか同年の根岸Sのどちらかで3着以内の馬(前記レースからの直行馬を除く)。
 ・同年にJRAの3勝クラスかオープンで2勝以上した馬(一度は0.5秒差以上で勝利が条件)。
 ・前年のJBCスプリントで3着以内かつ、同年の黒船賞の優勝馬。
 ・前年の東京スプリントで連対かつ東京盃で3着以内の馬。
 ・前走の黒船賞で3角2番手以内から1.1秒差以内に粘った馬。
 ・前年の習志野きらっとスプリントの連対馬(前年の習志野きらっとスプリント以降、ダートグレード競走か南関東重賞で勝利していることが条件

 ●穴馬候補
 ・前々走の1000m~1200mの南関東重賞で3着以内か、準重賞で2着以内の馬。
 ・前年の東京スプリント以降でダートグレードで3着以内のある、前走フジノウェーブ記念4着以下馬。

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