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【香港国際競走2021】レース展望④<香港カップ>絶好枠を引いたラヴズオンリーユーが有終の美を飾る!

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【香港国際競走2021】レース展望④<香港カップ>絶好枠を引いたラヴズオンリーユーが有終の美を飾る! | コラム | ウマニティ

香港カップ(シャティン芝2000m)
日本馬として米芝G1を初めて勝ち、全世界に向けて日本牝馬ここにあり、と雄叫びを上げたラヴズオンリーユー(牝5・矢作芳人厩舎)がラストランに香港カップを選び、注目の枠順抽選会で真ん中よりも内、4番枠を引き当てました。「穏如泰山(邦訳:不動の大本命)が絶好の4番枠、これは「如虎添翼(鬼に金棒)!」さらにノーザンファーム生まれのラヴズに瞬間最大風速時速100キロの追い風が吹きまくっています。

今年の秋競馬はマイルチャンピオンシップジャパンカップと有終の美が相次いでいます。ノーザンファーム出身で傘下のサンデーレーシング所属のグランアレグリア、そして社台スタリオンステーションへ種牡馬入りが決まった無敗の三冠馬、コントレイルと社台グループ、ノーザンファームに深い縁を持った2頭。有終の美はノーザンファームのお家芸。これはノーザンファーム外厩、しがらきと天栄のなせる業に相違なく、レース後ゆったりと休養、しっかりと仕上げる神業によるものです。今回、ラヴズはアメリカから香港に太平洋をまたにかけて直行。時計とは逆回りの移動は人馬ともに負担が重く、有利な条件では決してありません。しかし、国際派調教師ナンバー1の矢作師ですから、秘策なきに非ず。

陸軍中野学校ならぬ甘粕甘粕学級を優秀なる成績で卒業し、香港に残置した草からは長距離空輸の疲れも全く見せず、のんびりと構えて女王の風格を滞在馬房で漂わせている、との極秘情報が届いています。
また、アメリカでラヴズとともに凱歌をあげた主戦、川田将雅は日本を代表する騎手へと成長した福永祐一を猛追しています。川田はいち早く香港に到着、水曜にはネオン輝くハッピーバレー競馬場で行われた国際騎手招待で有力馬を引き当てながら全く精彩なく最下位に終わりました。気が強い川田のこと、復讐の炎を燃えたぎらせていることは間違いありません。ラヴズは不動の鉄板! 1着固定の馬単、3連単、4連単で大勝負をかけます!

さて、そのヒモを探します。ラヴズに肉薄する同郷の女傑、レイパパレ(牝4・高野友和厩舎)ですが、気性に問題のある小柄の牝馬、到着後の状態が最大の鍵。異常なほどカリカリしている、と前述の極秘情報にありました。これでは狙いを下げざるを得ません。

残る日本勢で今年最大の中距離路線の上り馬だったヒシイグアス(牡5・堀宣行厩舎)は大外12番枠を引いてしまいました。しかし、長期休養明け初戦を秋の天皇賞で迎え、5着の後、ここに照準を絞ったローテーションは矢作師に次ぐ国際派、堀師の狙いを絞った戦略。大外枠とはいえ、切り捨てることは自殺行為。今年の香港カップは例年になく薄い顔ぶれ。3連単、4連単のヒモには十分足りていると見ました。

さて、その手薄な顔ぶれですが、まずは地元香港勢から検討致しましょう。国際レーティング117と最上位のカーインスター(セ6・A.クルーズ厩舎)を物差しに測ります。カーインは我が酒友である香港レジェンド、A.クルーズ師がなぜここに矛先をむけてきたのか、未だに理解に苦しんでいます。カーインは先行力を持つマイラー、香港で勝った重賞は20年5月のマイルG3のみ。明らかにこの舞台では力不足。カーインと戦ってきた日本風に言えば古馬には家賃が高すぎます。むしろ4歳クラシック三冠で好走したロシアンエンペラー(セ4・D.ホワイト厩舎)、トゥールビヨンダイヤモンド(セ5・C.シャム厩舎)はいずれも外枠を引いてしまいましたが、ヒモとしては十分可能性あり、と見ました。

時計のかかる中長距離戦を主戦場にする欧州勢はドバイオナー(セ3・W.ハガス厩舎)、ボリショイバレエ(牡3・A.オブライエン厩舎)、マックスウィニー(牡3・J.ボルジャー厩舎)はいずれも3歳とフレッシュな顔ぶれ。地元香港勢と最強日本勢の中間に評価します。

我らがラヴズのラストラン、有終の美を飾ることは穏如泰山! 馬単、3連単、4連単の1着に固定し、同じノーザンファーム出身のレイパパレが引退興行の太刀持ち、上にあげた欧州勢3騎、地元香港勢2騎のフレッシュな5騎が引退興行の露払いを務める、というのが本日のお見立て。馬単、3連単に4連単のヒモを6頭でどう組み立てるか――それがレースまでの2日間の課題になります。甘粕代三畢生の予想は11日(土)夜公開、ご期待下さい。


★”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ甘粕代三プロが、海外馬券販売レースの香港国際競走4レースの予想提供をいたします。当日の予想にご期待ください。


甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

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