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ボン シャンス ア ヴ

 688

 ◇8月29日。猛暑。WINS田無に招

待された。新潟にまで旅打ちする時間がと

れず、スカ・トリ(634野線=SKY・

TREE)に揺られて府中にでもいってみ

るべえかと思っていた矢先、携帯にK瀬さ

んからの着歴。なんだんべえ。

 ★突然だが、いまテレビ番組でスカ・ト
リの近所のオジサン(毎日双眼鏡で建設現
場を覗いている)が、小説まで書き始めて
いて、そのタイトルが『黒い巨塔』だとさ。
アホか!★

 ◇K瀬さんに電話。

 「まえに馬主席で紹介したM田さんがぜ

ひ来てほしいということで、いかがです

か、日曜日に。田無で競馬してから行きま

しょう。お店は三ノ輪ですけど、焼き肉、

おいしいですよ」

 田無場外(会員制)には昨年夏にも行っ

ているし、新秋津で西武線に乗り換えて…

という道順も分かっている。府中も田無も

同じようなもんか。いや、冷房完備の劇場

なみ指定席の分、場外としては田無の方が

格上だぞ。帰りのイッパイ(ルポ→幸太

郎)が焼き肉&ワインにグレードアップさ

れることだし。アリガトゴザイマス、うか

がいます!

 ◇K瀬さんたちとの出会いは、中山競馬

場4階馬主席の第四4コーナー窓側フロア

だった。マルターズやシベリアンの冠名で

知られる藤田輿志男オーナー(故人)の原

稿(Gallop「オーナーズサロン」)

をいただきに行った帰りに、

 「コーヒー、飲んでいきませんか」

 と呼びとめられた。中山競馬場に喫茶室

を開いているT森オーナーが持参した大き

なポットやカップ、ミルク、砂糖などのセ

ットを囲んで、和気藹々と競馬を楽しんで

いる紳士淑女が、近隣のよしみのような雰

囲気で歓待してくれた。プリンスリーギフ

ト(テスコボーイ、ファバージ、バーバー

らの父)ではないが、町中では知り合えな

いこうしたハイソ(?)な方々と親しくさ

せていただけるのもウマのお蔭。つまりサ

ラブレッドからのプリンスリーギフト(高

貴な贈り物)なのだ。蛇足ながら、その逆

(ぶっ殺してやりたいくらいのサノヴァビ

ッチSon of a bich=畜生)と

の出遭いもまた、ウマによってもたらされ

る。馬生もまた塞翁が馬。

 ◇am10。焼き肉を意識的に控えめ

(和牛の霜降りなど美味すぎて過食が心

配)にしたせいか、酒が抜けてきたら腹の

虫が具具具と鳴き始めた。そうか、んだば

ブランチにするべ。小休止。

 ◇朝はルージュ(赤ワイン)にかぎる。

と、国際厩舎の休憩室でフランスのグルー

ムやラッド(フランス語でなんだっけ?)

に教えられた。かれら(金髪のマドモアゼ

ルも)は調教(もちろんジャパンカップ

など朝の一仕事が終わると、冷蔵庫に寝か

しておいたボトルを抜く。そして、アメリ

カ人がアメリカンをマグカップで煽るよう

に、赤いグラスをスイスイ飲る。府中や美

浦の大仲(厩舎の休憩室)でも同じような

光景(ビールや一升瓶の薩摩白波)は見ら

れるし、取材中に拉致されて原稿が書けな

いくらいにヘベレケ(おらが厩舎の酒飲め

ねえっつうのか!)にされて往生した苦い

経験もある。が、それはam.ではなくp

m.午後運動の終わった4時過ぎの話。日

出る国には朝からお茶代わりに酒を飲む習

慣などない(トクマサ、ハクショウ、ハク

チカラでダービーを3勝した尾形藤吉厩舎

の名厩務員・中沢徳治御大=新潟出身で近

衛騎兵に招集された身の丈豊かな好男子=

は早朝厩舎に出向く前に2合、昼寝前に3

合、夜5合と毎日1升瓶を空にした。日本

にもいるだよそったらGⅠ級のご同類が…

と言おうとしたが、おフレンチでは無理

)。そんな様子を物欲しそうな気配と勘違

いしてか、「どうぞ、シルヴプレ」と金髪

のお姐ちゃんが注いでくれた赤のうまかっ

たこと…。

 ◇でもってアサはアカにカギル。という

ことで、歩いて1分30秒のパン屋から焼

きたてのフランスパン(am.10時に焼

き上がる)を1本引き抜いてきて…当然な

がらアカだよな、アカ。

 ◇こんがり焼いてバターを薄く塗り、そ

の上に手づくりのラズベリー(庭で栽

培)のコンフィチュール(要するにジャ

ム)をボテボテっと載せて、つまみにピク

ルス(大根や胡瓜やキャベツの古糠漬けを

塩抜きしてオカカ&醤油)と缶詰のオイル

サーディンというブランチをやりだして…

ハタと気がついた。昨夜あれだけ飲んだ

(牛寅=三ノ輪の焼き肉店から帰宅してか

らもJDをかなり煽った)のに、なぜこん

なに元気なんや? おかしいぞ。で、おそ

るおそる新聞(サンスポ)を見たら、オー

マイゴッド!!今日は火曜日じゃねえか。

とすると、キノウは、月曜日はどうした。

どこにいった? 

 ◇ほとんど空白、記憶にない。こいつぁ

まずいぞ。いよいよボケがおっ始まった

か。んなこたねえべや。泥酔したってタク

シーの中で寝たことねえし、いつだって店

を出るまでのことは全部(ほとんど)覚え

ている。ゆうべは…最後にM田オーナーが

町内でショットバーをやっているとかいう

競馬好きの若夫婦を呼んでしまい、色紙

(クラブオーナーのパンフレットのような

モノ)にサインさせられて、調子づいて芋

ロックを二杯も追加しつつ、まだ5、6杯

ですよねと言ったら、M田マスターがマジ

に仰天して「ダブルで8杯、いや9杯目で

すよ!」だと。要するにそこまれ覚えてい

るのら。

 ◇さらに、三ノ輪から日比谷線に乗った

のが10:30頃で、メールで駅までクソ

ババアを迎えにこさせ、サンドリオン(C

endrillon灰かぶり=シンデレ

ラ)タイムにはちゃんと靴を履いてご帰還

あそばした。でもって、そのあと…やたら

調子がよくて…缶ビール(なぜかエビスが

あった)をプシュッとやり、アイスピック

でぶっかき氷をつくり、ジャックダニエル

をドクドクと注ぎ…見逃していたLOST

のファイナルシーズンを2、3本…観たっ

け?

 ◇競馬人の月曜日はHoly day聖な

る全休日だもの、それが身に染みついてい

るんだもの、朝まで飲もうが調子づこうが

ノープロブレムでやんしょ。矢でも鉄砲で

も持ってきやがれ~で、そうだam.4:

00過ぎにガタンという音で朝刊が来て、

サンスポ競馬の成績欄を見たのだ。札幌9

キーンランドSの◎ジェイケイセラヴ

ィ。勝率85%くらいの確信度と予想コロ

シアムでも勝負指定しながら、3連単 に3

ベストロケーションの目を引けなかっ

た。思い出したぞ。M田さんが絶好調のK

瀬さんのアドバイスに乗って複勝の転がし

を4回成功させ、最後の勝負に「ビービー

ガルダンでいきます。3着は外さないでし

ょう?」と振ってきた。水差して悪いけ

ど、B着馬の内枠でしょう。いままでは外

からスムーズに行けたけど、今回はダメ。

まず無理。ならば半分、3分の一でいいか

ジェイケイセラヴィにしてください。

自分は馬単、3連単で勝負するつもりです

から。

 ◇仕込みがあるのでと3時に引き揚げた

M田さんが、K瀬さんに「ビービーはやめ

ました」と言ったとか。しかしジェイケイ

を買って帰ったかどうかは知らないとのこ

とだった。

 ◇「佐藤さんの後輩です」

と言われて何のことだかわからなかった

が、M田さんは早稲田の理工出身の異色の

焼き肉屋さん(銀行員からリストラ)だっ

た。抜群の記憶力と怜悧な分析力には圧倒

されるが、想像力、直感力に乏しい。がし

かしガルダンを即座に切った決断力はすば

らしい。

 「どうしようかと迷ったんですけど…。

複で480円ですか。24万…もったいな

かったですねえ」

 かくいう私めもアタマ狙いの勝負で複勝

も馬複もありません。セラヴィ、それがセ

ラヴィ(Cet la vie)馬券下手

の人生そのもですよ(苦笑)。

 ◇結局、JKセラヴィの不完全燃焼によ

っていつも通りのセラヴィ(ザンパ~イ!!)

になってしまったのだ。そうなのだ。調教師

が「今回は体がちょっと硬い感じがする…」

と泣いていたワンカラットをレコード走の

反動(二走ボケ)が出ると決めつけたことへ

の不明、反省が酒に酔えない慚愧の念を燃や

し続けていたのだ。とはいえワンカラット

次走(スプリンターズS?)は95%要らな

い(どんな馬にも5%くらいのまぐれやアク

シデントがつきまとうから100%とは言わ

ない)。そう確信してバタンQの爆睡がおそ

らく夕方まで続き(1、2度は水分排出&補

給に起きた?)…なんだかんだで火曜日のa

m.10になっていた。それだけ金~土が苛

酷(早朝のバイトもふくめ)で睡眠不足が高

じているという、きわめて物理的な言い訳も

成り立つが。

 ◇というわけで「今週は気合いを入れて

ブチ抜くぞ!」と意気込んだ土曜日の予想コ

ロシアムが何と小倉10R佐世保Sの一発

のみ、ほぼ裏パーフェクトという大惨敗を喫

してしまった。だがしかし、尻餅をつくほ

どの大空振りで三振すればこそ、どでかい

場外(先週は田無には行かなかったけど)

ホームランがヒットする。それがセラヴ

ィ、予想人生。不思議なもので、翌日は

馬の能力や展開が手に取るように見えるレ

ース、読めるレースが宝島に漂着したかの

ように転がっていた。函館2歳Sのの◎ト

ラストワンではないが、祖母イソルーブル

桜花賞の落鉄の不運を引き、落鉄なんか

すんじゃねえぞ! と注意したら、本当に

落鉄していた(9着)。それによって人気

ガタ落ちの◎クローバー賞(2着)がチョー

おいしくなった。

 ◇それが競馬、それが人生、セラヴィ。GO

OD LUCK、とはそういうものなのだ

。Bonne chance a vous.

秋競馬、あなたにもきっと幸運が。

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