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先週の七夕賞は菊沢騎手が騎乗したミッキースワローが、外から豪快に突き抜け久々の重賞2勝目。ジョッキーにとっては初の重賞制覇となった。
マルターズアポジーが先導し、後続も差なく続く流れは字面以上に厳しく、2着にも外枠のクレッシェンドラヴが突っ込んで来るなど、ローカルの荒れ馬場らしく最後は外からの差しが決まった一戦だった。今後に向けてという意味では、むしろ先行失速勢、内枠勢の巻き返しに注意しておきたい。
一方、中京のプロキオンSはアルクトスがインを捌いて3連勝で重賞初制覇。3頭出走していた4歳馬のうち2頭のワンツー決着で、交流重賞の1400m路線を使ってきた組は総崩れ、2着ミッキーワイルド、3着ヴェンジェンスとともに、前走中央競馬で勝利してきた馬たちの上位独占となった。
最近の交流重賞1400m路線は過去の名前で出ている馬が持ち回りをしているような状況で、だからこそそのレベルには怪しい部分も多い。その点では今後の参考になる一戦だったかもしれない。
~明確な傾向が出るダートの狙いどころ
さて、今週末も引き続き函館・福島・中京の継続開催となるが、3場いずれも芝のコース設定がA→Bコースへと変わる。いわゆる仮柵移動の週末となる。
再三当コラムでも芝の状態の話、馬場の伸びどころの話をしているが、それだけ現代競馬の予想において馬場状態は重要で、だからこそ今週末に関しては少し様子を見ることも大事かもしれない。特に土曜日はBコース替わり初日で、どのような傾向が出るのかやや不透明な部分もある。仮柵移動によってインが復活するのか、あるいはさほどでもなく引き続きタフな馬場が継続するのか、各場とも空模様が怪しい面もあり、馬場読みの難易度は高そうだ。
中央競馬は毎週末続いていくもので、まして3場開催ならば週末だけで72レースが行われる。どのレースを買うか、そして買わないかは我々の判断にゆだねられており、主催者の思惑に乗じてアレもコレもと手を出しているようでは、回収率という観点では長期的にみて間違いなくマイナスだろう。時には手控えるという判断も重要で、今週の、特に土曜の芝のレースに関してはそういう判断(無茶しない)もアリかなと考えている。
だが、週末は手控えよう…ではあまりに面白くないので、そんな週末に個人的に注目しているのはダートである。特に先週末は函館と福島のダートで外が伸びる傾向が出ていた。
例えば、わかりやすいのは函館ダート1000m戦で、先週末は4レース施行されたが、そのうち8枠が2勝、7枠が1勝、6枠が1勝と完全に外有利傾向。連複圏内まで広げてみても、やはり明確に外有利に傾向が出ており、1~3枠は以下の通り壊滅的状況だ。
・先週末の函館ダート1000m1~3枠の成績
(0-1-0-11)
もちろんこれは事前に察知できたことで、筆者の会員限定配信である競馬ノートにおいても、事前予想の段階で、
「開催通じて外の方がやや優勢の気配がある函館ダート1000m」
「今の函館ダート1000mは外寄りからの先行の方が有利」
と述べた通りである。ちなみに先週に限らず今年の函館ダート1000m戦で調べてみても、14レースのうち1~5枠は75頭出走して3勝、一方6~8枠は73頭出走して11勝と、明らかに外の方が有利である。これは連対圏、複勝圏まで広げても同様で、こういう傾向を他のコースや、あるいは開催場単位でいち早く掴むのが勝利に近づく重要なポイントになる。
ダートに関しては天気や馬場によって猫の目のように変わる面もあり、芝のように開催進捗とともに徐々に外が伸びる…という感じではないため”見極め”は重要になるが、芝が難解な週末だからこそ、ダートに目を転じてみるのも面白いかもしれない。あくまでも個人の経験則ではあるが、函館の傾向は今週末もそこまで変わらないとみているので、興味のある方は狙ってみても面白いだろう。
~今週は1レース入魂! 屈指の波乱重賞函館記念
さて、今週末は夏の名物・函館記念の開催となる。
函館記念の特徴といえば、なんといっても波乱度の高さだろう。1番人気の勝利どころか馬券圏内自体が近年はほとんどなく、2010年にジャミールが2着して以降は8連敗中で、3着にすら入れていない状況が続いている。
3連単の配当に目を転じても過去4年連続で10万超、3連複ですら8年連続で万馬券となっているように、まともに買うのがアホらしくなるような波乱続きだ。ローカルの多頭数のハンデ重賞…というだけでいかにも荒れそうだが、そのイメージ通り穴を狙って良い一戦だ。他に重賞もない週末なので、今週は一穴主義でガシガシ攻めていきたい。
まだ馬場状態が不透明な段階だが、現時点で有力とみているのはレッドローゼスだ。前走の福島民報杯は完勝といえる内容で、ようやく力をつけて本格化しつつある。前走で下したクレッシェンドラヴ、カデナはいずれも次走で好走しており、そういう点でレベル面の裏付けがあるのも心強い。
函館記念らしく穴っぽいところなら、巴賞敗戦組からドレッドノータス、マイネルファンロンあたりが面白そうだ。
ドレッドノータスは前走久々に好内容で、今回はベストとなるコーナー4回の2000m戦。当該条件で6勝中5勝を挙げている、いわばコーナー4つの2000m巧者だ。
マイネルファンロンは久々の巴賞では何もできずに終わったが、やや距離不足も感じる内容だっただけに叩いての上積みがあれば面白そうだ。スンナリ先行できれば、今回は一変があるとみる。
いずれにしても、前述通り波乱続きの一戦。人気で決まったらごめんなさい、という気持ちで、思い切りバットを長く持って振り回してみても面白いかもしれない。
※函館記念の最終結論は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開します。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)。2018年12月14日には最新刊『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)をリリース。
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